【プロット】受け継がれたレシピ帖
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(以下プロット本文)
高校二年生の初野梓は、幼い頃に両親を亡くし、祖母の佐和と二人暮らし。佐和おばあちゃんは、他人の悩み相談に乗るのが得意で、いつもご近所さんや噂を聞きつけた人が、梓と佐和の家にやってきて、心を打ち明けていく。おばあちゃんは悩みを聞くときに、一緒に手料理を出すのだけれど、そのあたたかいごはんを食べた人たちは、みんな元気になって帰って行く。悩み相談の料金と祖母の年金で生計を立てる二人。
梓は、いつか佐和の跡を継ぐのが夢だ。たまにコンビニでバイトしている梓は、ある日お弁当を盗もうとした小学生の少女を発見して、捕まえる。店長は怒ったが、何日も食事しておらず、風呂にも入ってない様子の少女を見て、梓はとりあえず事情を聞く。
少女の母親は、4日前に家を出て、帰らないらしい。店長は警察を呼び、少女を保護することになった。警察が来る前に、梓はこっそり、佐和につくってもらった自分のお弁当を、少女に丸ごとあげた。少女は泣きながら「美味しい」と全部平らげる。梓は、やはり佐和のつくる食事には、何か不思議な力がある、と実感する。
しばらくして、少女は「お母さんが戻って来た」と梓の働くコンビニに顔を出しにきた。休憩時間に、外で梓は少女と話をする。少女はあの美味しいお弁当がもう一度食べたくて、来たのだという。梓は、バイトの帰り、少女を、佐和の待つ家へと連れ帰る。
佐和と梓は、家で少女の話を聞く。少女の母親は、男の住むマンションに入り浸っていたらしい。警察に厳重注意を受けて、今はとりあえず一日一回は帰って来るそうだ。心理学を大学で学びたい梓は「ネグレクト」という言葉を連想する。佐和は少女に「いつでもおいで」というと、温かいしおむすびのおにぎりと、味噌汁を用意する。美味しいと目を輝かす少女。
それからしばらくして、佐和が具合を悪くして、入院することになる。入院先で、佐和は梓に、ぼろぼろになったノートを渡す。「レシピ帖だよ。私が若い頃からずっとつけてきたものだ。もう譲ってもいいかもと思ってね」佐和のいない家で、梓はひとり、レシピ帖に載っている食事をつくりつづけるが、失敗も多い。
そんな中、佐和が不在なのに 悩み相談のお客の予約が入ってしまう。祖母の代わりに、と勢い込んで、悩み相談に乗ろうとする梓だったが、失敗に終わる。出した料理も、あまりおいしくできなかった。梓は果たして、祖母の跡を無事継ぐことができるのか――?