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上田聡子
2017年1月21日 20:37
照明がふっと落とされ、レストランの中はうす暗くなった。それぞれのテーブル席についていた客たちは瞬間にざわついたが、厨房のほうから、火のともったキャンドルつきのバースデーケーキをウェイターが運んでくるのを確認し、あちこちから安堵と納得の笑い声が起きた。ウェイターは、私たち家族が座っているテーブルまで、しずしずとケーキを運んでくると、緋色のクロスの上にそっと置いて、「都築寛人くん、6歳のお誕生日お