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「6年3組、潜入捜査官ララ。」〈短い小説〉

ララは学校という奇怪なところに通っていた。

学校には先生と呼ばれる絶対的な権力を持った司令官がいて、生徒と呼ばれる子どもたちに勉強やルールというものを教えていた。

学校には、毎朝決まった時間に行かなければならない。

子どもたちは、ランドセルという四角い箱のようなものを背負い、ぞろぞろと集団で学校に向かう。

先生は授業が終わると

「では、明日までにこの宿題をやってきてください。」

と、宿題という任務を生徒に言い渡す。

生徒は一斉に

「はーい!」

と元気よく任務を了承する。

「…イヤです!」

ララは、試しに指令に背いてみることにした。案の定、生徒はざわつき、先生はララを怒った。

ララは、自分の部屋に帰宅すると早速そのことを仲間に報告した。

「この星の子どもたちは、先生という絶対権力の下で、何でもいうことを聞く兵士に育てられている。危険極まりない状況だ。よって、地球フリー作戦を決行したい。」

「地球フリー作戦を許可する。」

ララが指に埋め込まれたボタンを押すと、空から虹色の雨が降り注いだ。

その雨は地球上にある全ての建物や、人を包み込むと、眩いばかりの光を放って蒸発した。

次の日を境に、学校から権力を持つ先生という存在が消えた。

生徒は自分が好きな勉強を行い、それぞれが教わりたい先生を選べるようになった。

絵が好きな生徒は、時を超えてゴッホを先生に呼んだ。

小説が好きな生徒は、太宰治を呼び、まず最初になぜ川で自殺したのか聞いた。

算数が好きな生徒は、円周率をみつけたなんだかよくわからない昔の凄い人に、円周率はいつまで続くのだ!と怒っていた。

地球はそれから10年で飛躍的に成長した。文明もほかの星に追いつきそうなくらいに。

ララは、潜入捜査が成功したとして、また別の支配と洗脳に満ちている奇怪な星に行くことになった。

地球を去る日に、偶然昔のクラスメイトを見かけた。彼は地球温暖化解決装置を発明し、ノーベル賞を受賞していた。

ララは、まるで自分が賞をとったようないい気分で地球を後にしたのだった。


(あとがき)

学校の「宿題やって来てください!」「は〜い!」に違和感を感じて書きました。「嫌です!なんでやらないといけないんですか?それは強要ですか?」って聞いたらどうなるのかな〜と。そんなに深い意味があるわけじゃなくて、ただ宿題がめんどくさかっただけなのだけど、でも、もし私がそういって「先生はもうあなたを教えません!」って出てったら、私は誰を先生に呼びたいかな〜っていう空想から生まれた物語です。

山形県に住んでいる小学4年生です。小説や漫画を読むのが好きで、1年生の頃からメモ帳に短い物語を書いてきました。今はお母さんのお古のパソコンを使って長い小説「皐月と美月の夏。」を書いています。サポートしていただいたお金は、ブックオフでたくさん小説を買って読みたいです。