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五月の星々(140字小説コンテスト)応募作 part2

part1 part2 part3 part4 part5 結果速報

月替わりのテーマで開催する140字小説コンテスト。

【5月のテーマ】
作中に必ず『本』という文字を入れる。

5月31日までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、各月の受賞作などは下記をご覧ください)

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応募作(5月6日〜12日・投稿順)

上記作品は前週にご応募いただきましたが、ハッシュタグが検索に反映されない事象が発生してしまっており受付が遅れたため本記事の掲載とさせていただいています。
ヒスイ(サイトからの投稿)
閉館間際の図書館は墓所のよう。並んだ本にはかなわぬ恋が詰まっている。
僕は本を取る。背後から視線を感じた。ふりかえると美女がいる。
鳥肌が立つ。
やばい。これ、恋に落ちる瞬間だ。
しかし彼女は急に視線をそらした。
僕は自分の手を見る。持っている本は『ウハウハもてもて、恋愛論』。
ヒスイ(サイトからの投稿)
『新しい女ができたから』。黄金週間の前、僕は元カノを捨てた。
その女とも別れた後、僕は部屋で詩集を見つけた。
元カノのだ。
本を開くと水色のカードがあった。
『良い恋だった、ありがとう』
カードを取ると、ひらりと桜の花びらが落ちてきた。

詩集の中の僕は、桜のころから過去形の男。
ヒスイ(サイトからの投稿)
駅前の書店で僕は本を買う。
「領収書は?」
「いりません。食費は経費で落ちないから」

家に帰ると彼女が、
「お腹すいた」
「新作ミステリを刺身にしよう」
彼女は大喜びで薄切りの東野圭吾を食べる。
僕の恋人は活字中毒・異星人。主食は本。
食費は高いけど。
僕は彼女をあいしてる。
moto155(サイトからの投稿)
知人達が去り、誰からも必要とされず孤独だった私に、手を差し伸べてくれたのはその本でした。書かれていたのはあの頃の私の気持ち。その時私は同じ想いが世界中、そこかしこに溢れている事を知りました。だから私はあの場所を捨て旅に出て、今ここに、貴方の隣にいるのですよ。
糸氏羅船(サイトからの投稿)
先ほどから、本より聞こえる音色が止まない。零れ落ちる言の葉が積み重なった小山はそよ風にさらわれていく。それほどに軽いと、一見しただけでは、書皮に隠されてしまった君の根幹に気づいてやれない。よぉく耳を澄ましてみる。オアシスを求む疲れ切った心の音、寂れた雫が水面に滴り、波紋が広がる。
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