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二月の星々(140字小説コンテスト)応募作 part5

part1 part2 part3 part4 part5 結果速報

月替わりのテーマで開催する140字小説コンテスト。
2月の文字「香」は2月28日をもって締め切りました!
(part1~のリンクも文頭にありますので、作品の未掲載などがもしありましたらご連絡ください)

【月々の星々賞】
一席、二席、三席の3賞+佳作7編(計10編)
一席、二席、三席の方にまんまる○さんによる活版印刷の特製賞状(手書きのお名前入り)を、一席の方にほしおさんの活版カード5枚セットを贈呈

受賞作の速報はnoteやTwitterでお伝えするほか(3月20日夜を予定)、星々マガジンをフォローいただくとhoshiboshiメンバーの記事とあわせて更新のお知らせが通知されます。

そして3月の文字は「空」です!
応募方法や賞品、各月の受賞作などは下記をご覧ください。

応募作(2月26日〜28日・投稿順)

ヒトシ(サイトからの投稿)
数年前まで毎朝通っていた道を逆向きに辿りながら、鼻をクンクンさせる。んー、朝じゃないとダメかなぁ。路地を一本左に入ってウロウロ。するとセンサーが反応した。来た!この香り。やっぱりあったんだ!ようやく出会えた小さなパン屋のくるみパンは「あの頃」の味がして少ししょっぱかった。
(サイトからの投稿)
甥っ子がしんと将棋の駒の山を見つめている。まだ小さな指を伸ばし慎重に、しかし迷いなく駒を手元に滑らせていく。幼い顔立ちに不釣り合いな眉間のしわ。真剣な眼差しが、これからもそのままでありますように。その時、春先の強い風が吹き込んできて、香車がゆっくりと崩れ落ちた。カチリと微かな音。
ちる(サイトからの投稿)
ベルガモットの香りが走り抜けていった。あれはわたしが使っているヘアオイルの香りだ。最近、わたしが使っているのと同じマフラーを視界の端にとらえたり、わたしと同じ髪型のシルエットを目にしたりする。ドッペルゲンガーがわたしのまねをしては、出会ってしまって死なない程度に近くに現れるのだ。
ちる(サイトからの投稿)
おや、その香り。あんたも森の魔女のお店で、悪夢をお菓子に変えてもらったんだね。初めて行ったのかい。大丈夫、味は絶品さ。ただ気をつけるんだよ。夢って何でできているか知ってるかい、あんたの心だよ。自分の夢の味にはまって食べすぎて、抜け殻になっちまったやつもいるって聞くんでね。
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