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一月の星々(140字小説コンテスト)応募作 part5

part1 part2 part3 part4 part5 結果速報

月替わりのテーマで開催する140字小説コンテスト。
1月の文字「雪」は1月31日をもって締め切りました!
(part1~のリンクも文頭にありますので、作品の未掲載などがもしありましたらご連絡ください)

【月々の星々賞】
一席、二席、三席の3賞+佳作7編(計10編)
一席、二席、三席の方にまんまる○さんによる活版印刷の特製賞状(手書きのお名前入り)を、一席の方にほしおさんの活版カード5枚セットを贈呈

受賞作の速報はnoteやTwitterでお伝えするほか(2月20日を予定)、星々マガジンをフォローいただくとhoshiboshiメンバーの記事とあわせて更新のお知らせが通知されます。

そして2月の文字は「香」です!
応募方法や賞品、各月の受賞作などは下記をご覧ください。

応募作(1月27日〜31日・投稿順)

(サイトからの投稿)
祖母の家の窓は、雪のガラスでできていた。積もって少しした後のようなざらりとした手触り。暑い日差しが透けて見えても、触れればひやりと感じられた。溶けないはずの雪は、家の解体によって消えてしまった。少し大きくなった手のひらに、ざらりとひやりを思う。目を閉じれば、今も結晶がちかちかと。
彩風人(サイトからの投稿)
窓の外にいつの間にか今年初めての雪が降り始めた。
「寒っ」僕の声と
「綺麗」という君の声が重なった。
お互いに”そっちか!”と目を丸くして顔を見合わせる。
君は寒いのは当たり前だと口を尖らせるが
僕から言わせてもらえば、綺麗は見たままだ。とは口に出さずに
微笑んでみせる。
二人って良いな。
ヒトシ(サイトからの投稿)
みぞれが雪に変わる。枯れ果てていた古い河跡に新鮮な湧き水が流れ込んだように梢枝が輪郭を浮かび上がらせ、真白な花火のようにチリチリと細かい華を散らして咲き誇る。しんしんと響く音のない音。夕闇迫る頃、不意に訪れた幽玄の世界。ふと、このまま世界が終わってもいいと思った。
風花羅船(サイトからの投稿)
寒天の箒、雪ぐもの
もっともっと“雨”ヨ降レ。
透明な六花のフレークも
しんしんと積もれば
原っぱを満たすミルクへ転ず。
サクサクしっとりふ~わふわ…
雪見には
こんがり焼けた夜空のクッキーを。
獅子座の下で今夜の宿を取って夢見るは
睦びの月。
散りゆく椿に葉を隠す綿帽子、
紅白競い麗らかな陽を待つ。

masa ogasawara(サイトからの投稿)
都会の空に雪が舞い始めた。
雪を見ると胸の奥がキュンとなる。
温かく懐かしい気持ち。
今はもう帰れない故郷の雪山、そこに住む素朴な人々の記憶。
私の故郷にもう人はいない。
帰りたくても帰れない。
もう一度、故郷の温もりを味わいたいな。
なぜなら、私は雪の精霊「雪ん子」だから。
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