斜めにしか進めない|京都・後院通|巡る道、辿る道
これまで国内外で二十五回ほど引越しをしている。もちろん九十三回の転居歴をもつ偉大なる葛飾北斎先生の例を挙げるまでもなく上には上がいるだろうし、鎌倉での七回など同一市内での移動の数も含んでいるから実際はたいしたことはない。とはいえ旅での逗留も含めて、ある程度の長さの期間を過ごした街というのはそれなりにある。
僕は歩くことがかなり好きなタイプの人間だ。だからだろう、各々の街の記憶を思いかえすときに「道」がその媒介となることが多い。それらさまざまの道について巡るように辿るように、