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パキパキと時を折りながら

朝の音は少年の肩に響いた。



何かの予感が樹々の葉に届く頃、

5月にはサラサラと乾いた声で現れた風が、

今はパキパキと時を折りながら、太陽を迎え入れる。



準備はしないさ。



時は汗を流しながら、風に促されて瞬く間に去ってしまうのだから。



けれども、せつなさへの慰めは、

芯に絶え絶えとたどり着き、

少年は幾ばくかの和らぎを、

肩に感じる筈だ。



パキパキともう太陽は真上にいるよ。

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