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天使の羽根

星降る夜に舞う

君は孤独を知っているの?

窓から少女が問う

天使は、タンポポに今年初めて止まった紋白蝶のように、微笑んだ

夜道を急ぐ少年は、ひとひらの小さな羽根を手に受けた

それは、彼の悴んだ掌で幻のように消えるのだけれど、
わずかにミルクの匂いがした

暗闇は深く、
時にドクドクと躰を巡る紅い血を感じる位、
強ばって高鳴る鼓動が更に不安にさせるけれど、
空には孤独を知っている星が動くことなく見つめている

なにを?

蒼みを帯びて、けれども温かい天使の羽根を



星(☆

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