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田園  安全地帯の歴史12

1995年の出来事です。
前年の年末に新作アルバムを発表したのに、すぐにツアーがなかったのは、日本とオーストラリアの共同制作のテレビ映画に主演する為、長期間のオーストラリアでのロケがあった為だった。

この役の為に玉置さんは体重を落とし、頭を丸刈りに。
役どころは、終戦間近の銃の名手の日本兵。
ジャングルで対峙する兵士たち。
それぞれの人生、それぞれの経緯で殺し合いの戦地で対峙する二人の兵士。

お互いに銃の残りの弾は一発のみ。
その最後の弾丸を、お互い何に使ったのか。
という物語。
玉置さんの鬼気迫る演技が光る、俳優としての最高傑作だと思う作品。

NHKで9月に放映された。

「最後の弾丸」

ラストに流れるインストの茜(安全地帯X収録)が辛い物語の最後を温かく包んでくれる。


そして映画のロケが終わり、初の全国ソロツアーが6月から始まる。

「正義の味方ツアー」


本当に久しぶりのライブ盤の発売。


安全地帯のヒット曲とソロ曲がバランス良く選曲されている。


92年の安全地帯アコースティックツアー以来なので、約3年ぶりの全国ツアー。
本当に久しぶりに歌う姿が観れる。

ベースには六土さん、ドラムには田中さんが参加。
安全地帯のメンバーとの関係も、だいぶこじれてしまったらしいが、田中さんは「星になりたい」の歌詞を見て参加を決めたとか。
少しずつだけど、安全地帯が修復するはじめの一歩となる。


僕自身も久しぶりのコンサート。
仕事も忙しくなってきた中で、なんとか休みをとって一回だけ参加。


「正義の味方」のイントロが響く。
玉置さんは大歓声の中、ゆっくりセンターステージへと向かう。
久しぶりに見る生の玉置さん。
僕は初のソロコンサートの参加。
雰囲気はバンドとは似ている様で、やっぱり全然違う。

安全地帯ライブは、メンバー全員での世界。
ソロライブは、玉置さん個人の世界。
どちらも素晴らしいものですが。
やっぱり空気感は違う。

でも言えるのは、やっぱり役者よりも歌っている姿がいい。

玉置さんもいろいろあって、ここまで来るのが大変だったのだろうな。
もう音楽やめようって所から、メンバーとの関係の悪化、精神を病んでの人間不信。
誰とも喋らない、家にも帰らない生活だったそう。

そこからまたステージに立てる様になるまで、本人にしか分からない戦いがあったのだと思います。

久しぶりのステージで、安全地帯とはまた違う姿をみせてくれた。
もうそれだけで十分でした。
これからまた生歌を聴けるよね。

アルバム「CAFE JAPAN」の先行シングルとして発売される。



さて年明けて96年、なんと大河ドラマ「秀吉」に将軍足利義昭役で出演。

何とも言えない怪演を見せる。

無能っぷり全開のキレた演技が話題となった。

わざと汚く食べたり、奇声を発したりと今までにない無能な将軍を演じる。

忙しくてあまり大河ドラマは見れてなかったのですが、玉置さんの義昭役は結構話題になってました。

実は次の全国ツアー名も役名から「SHOGUN」ツアーになる予定でしたが、いつの間にか「CAFE JAPAN」ツアーに変更されてました。


2月は北海道のみのコンサートツアー。
名ギタリスト石川鷹彦さんと、後の奥様となるキーボーディストの安藤さと子さんでのアコースティックライブが開催される。

「玉置浩二 with 石川鷹彦 アコースティックライブ in 北海道 メロディー」


当然北海道まで行けるはずもなかったが、このコンサートはテレビで少し紹介されたので、記憶に残っている。
会場はほぼ1000人以下の所ばかり、場所によっては公民館での開催もされたらしい。
北海道の小さな街を巡るツアー。


このコンサートツアーで、今でも玉置さんの代表曲「メロディー」が初めて披露される。

レコーディングされた歌詞とは違うものの、この時の歌詞はより特定の人の事を歌っている詞に聞こえる。

個人的にはこの時の歌詞が好きだった。


そして夏には久しぶりの連続ドラマに出演。

「コーチ」

「ですよね~」が口癖のサバ缶工場の主任役を演じる。


大らかで飾りのない役柄が印象的でした。


もう言うまでもないですが、このドラマの主題歌となった「田園」がミリオンヒット。

音楽業界で一度売れた人が再度ブレイクするというのは、本当に珍しい事らしいです。

「生きていくんだ、それでいいんだ」

という歌詞は、玉置さん自身の人生がめちゃくちゃだった時期の事を書いているそうです。

喜びも悲しみも、全ての事を音楽に変えていく、音楽人間の玉置さんだから生まれた曲なのでしょう。
落ち込んで苦しんだ時期があったからこその大ヒット。

映画で共演したビートたけしさんも、事故にあった時にこの曲を聴き、心が救われたと語っています。

多くの人に響いたこの曲は、今でも人生の応援ソングとして愛されていますね。

裏話としてはスタジオで、本当は別の曲をレコーディングする予定だったのだけど、スタッフから難解な曲で不評だった。
そこでその場で即興で作ったのが「田園」。
それが大ヒットとなり、ちょっと複雑だったと後に語っています。

僕的なベストテイクをどうぞ。


そしてこの年の終わり、紅白歌合戦に出演。
なんとTOKIOがバックバンドで共演するという。

この年の紅白は、玉置さん出演時に最高視聴率を記録する。


実は玉置さんはこの前に体調を崩し、出演が微妙だった。
歌っている時も何だか変な汗かいている様にも見えたが、無事歌い切った。

僕は祈る様に見ていました。


瞬間最高視聴率を記録、TOKIOのメンバーと笑顔で演奏する。


この年にはアルバム「CAFE JAPAN」をリリースして、玉置さんソロアルバムでは、一番のセールスを記録する。

このアルバム、そして次の「JUNK LAND」は次回に書いてみたいと思います。


今回はここまでにします。
長文お読みいただきありがとうございました。

イイネ、ご感想お待ちしております。

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