キラーの自己陶酔

君の白昼夢をはじめてみたよ
朝を知らない真っ暗な世界
そこにきらきら光った星の屑を身にまとうおまえがいた
偶然通りがかったわたしに君は
ぎらりとわらって唾を吐いてきた
君に話しかけようとするわたしがいるのだけど、そのたびに君は逃げようとする 

けたけた笑う青ざめた顔の貴女の体は透けているんだ
その姿に見とれていると、
いきなりむこうの方から
何匹ものハエがはえースピードで
わたしをつかまえにやってくるのだけどね
そやつらの顔をしかとみてしまったのだ!
おまえとそっくりの、似た者同士
どこにでもいそうな意地の悪い顔つきなんだけども
卵の黄身のように丸すぎる眼玉をしておきながら、
なんとも可愛らしくて、そしてどこかおどけた
薄気味の悪い顔をしていた
あつくてあつくて湯気がもりもりと立ちそうな
湯をかけてやりたくなったけど、
まだ生かしておきたい
体の透き通らない君に出会うまでは

そこでわたしは決心したよ
目玉が潰されそうなほどにまぶしい朝がきたら
今度こそ君に会いに行こうと。

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