「茶」を取り巻く多様性の萌芽

2020年の終わりに、とても新鮮で期待感を持ってしまう「茶」に関わる二つの新しい取り組みに出会いました。

前回の記事「2021年の始まりに考える20年」で書きましたが
https://note.com/hosai16/n/n9dc775cd484d
文化の豊かさとは、その厚みと多様性だと思っています。
サッカーや野球チームでも、一つのポジションに同じようなスター選手がいても強くなりませんよね。様々なポジションに若手からベテランまで、多種多様なタレントが揃って強いチームになる。
「茶」もある時期、日常茶飯事という言葉のように、非常に身近な存在から茶の湯のように深遠な文化的営みまで、様々なレイヤーを持って、日本の中で親しまれていたと思います。
しかし、この数十年は少しずつその多様性を失ってきていました。
ところが、ここ数年は、また今までとは違った形の「茶」の楽しみ方を提供するお店や生産者、ブランドが出来て来ました。

昨年の暮れ、そのような新しい「茶」のムーブメントの中でも、さらに新鮮であり魅力あふれる、個人的にとても楽しみな取り組みに出会いました。

まず一つ目は、銀座ソニーパークに登場したGEN GEN AN 幻
親しくさせて頂いている丸若裕俊さん率いるティーブランド「EN TEA」が手掛ける現代の茶屋です。
渋谷でもそうでしたが、GEN GEN AN 幻ならではの世界観が一層深化して
山口一郎さんが出演するカッコいいムービーなど、今までの「茶」になかったライフスタイルのtea timeを作り出そうという気概がひしひしと伝わってきます。
https://www.facebook.com/100002944858198/videos/3577162492391877/
「日茶」と「月茶」は、また新しいアプローチで、目覚めの時間と就寝の時間をお茶で豊かにしていこうという、こちらもかなり新鮮な取り組み。
とにかくこれからもどんな「茶」が生まれてくるのか非常に楽しみです。

もう一つ、とても興味深いプロジェクトは、teploというスマートティーポットです。
https://dime.jp/genre/1054876/
お茶を飲むためには
  茶葉を選び
  お湯を沸かし  ← ここから
   お湯の温度
   お湯の量
   茶葉の量
  を考えて
  急須に茶葉を入れ
  お湯を注ぎ
   茶葉とお湯の温度に合わせた浸出時間
  を待って   ← ここまで
  湯呑に茶を注ぐ
ことが必要ですが、この間を一つのティーポットをスマホと連動することで
茶葉に合わせた最適な形でお茶を淹れることを目指したスマートティーポット。
パーソナライズ機能もついていて気分に合わせたお茶を淹れることが出来ますし、逆に自分の好みの淹れ方をアプリに登録して、茶葉ごとに淹れ方を工夫して楽しむ魅力もあります。
知り合いに紹介してもらって、年末に早速ゲットしました。
急須いらずですので、ある意味、朝日焼の敵のような存在に見えるかもしれませんが、私自身は茶の多様性を広げるとても楽しみになアイテムだと思っています。
実際に自分で使ってみても、急須を代替するもの。
というよりは、今まで急須でお茶を淹れるということには興味を持てなかった人が、これをきっかけにお茶の魅力を見つけられる。そんなアイテムに感じます。
私がとても惹かれるのは、手軽な茶の楽しみ。ということで簡易的にお茶が淹れられるということを目指しているのでなく、お茶をその茶葉に合わせて最適に美味しく淹れられる。そこを目指して作られている。
という部分です。
やはり、新たな領域ですので、まだまだこれから突き詰められていく可能性に期待。というところですが、自分なりにいろいろ楽しみながら使っていきたいと思っています。

お茶は、嗜好品と呼ばれます。
喉を潤すだけならお茶の必要性は高くありません。
でも人間は、そこにいろいろな楽しみを見出して、お茶の楽しみ方を進化させ増やしてきました。
今回ご紹介した二つは、そんな「茶」の歴史の中でも「今」と「未来」ということを強く感じる取組みです。
自分の仕事とは方向性が違う部分が大きいですが、それでもそこにある「茶」に対する思いや、志。みたいなところにはすごく共感し、刺激を受けます。

自分の仕事も常に、「今」と「未来」も意識しながら進んで行きたいと思います。

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