J-POPレビュー#13 2000~2020年 最強の名曲ベスト30

最早大好物系の企画。
テレビ朝日系の超本格派音楽番組、関ジャム。

こんな企画を見たら、J-POP好きとしてはやらずにはいられない。

あくまで、企画としては最強の名曲。好きな曲ではない。
好きな曲に理由はいらないが、名曲には必ず理由がある。
選曲基準は選曲できる動機付け。
単純に名曲と感じた感性を基準に30曲を選んでみた。


30~21位


30位 女々しくて/ゴールデンボンバー(2009)
親しみやすいメロディ、盛り上げ要素、小ネタ等バズりポイント満載なこの曲の良さにいち早く気づいたニコ動ユーザーはお目が高い。そして世間的な高評価に繋がったのは拡散し、カラオケで歌い続けたリスナーの力によるものかもしれない。

29位 打上花火/DAOKO×米津玄師(2017)
近年はめっきり減ってしまったであろうデュエットソングの中でも最高評価。掛け合いとユニゾンを併用し男女で歌うメリットを最大限活用している。自分が歌わなくても歌い手に上手く帰属するのが米津楽曲の凄みだと思っている。

28位 キラーボール/ゲスの極み乙女。(2013)
"ドレスを脱げ"と迷ったものの、こちらはまだ粗削りな感があり、この曲で一気に世界観を完成させた。予定調和をぶち壊し、音と展開を楽しませてくれる彼らの王道ソング。

27位 Flow/school food punishment(2008)
ミニアルバムのオープニングナンバー。江口亮氏を擁した4人組バンド。ピコピコ系の曲は今でこそ増えたが、聞き心地のいいトラックにどこか闇を感じさせるボーカル。初聴で一気に持ってかれた。

26位 花は桜 君は美し/いきものがかり(2008)
普通こういう曲(歌詞やメロディ)はバラードなんだけど、アップテンポ。美しいメロディだけでなく、歌詞の言葉選びや文字数の配置が成せる語感が気持ちいい。

25位 恋をしちゃいました!/タンポポ(2001)
全然芽が出なかった国民的アイドルグループの派生ユニットたちに聞かせてやりたい。女子の初デートのワクワク感が存分に詰まった曲に、売りはなんといっても歌詞中の年上彼氏がいちいち隣にいるのに送ってくるウザいメール。楽しみ方はリスナー次第。

24位 シアワセ/aiko(2007)
普遍性を歌う楽曲たちの中では、"キラキラ"と"milk"含め悩んだ。サビのインパクト重視でない所が、曲の物語性を高めていると思う。

23位 JOY/YUKI(2005)
PVで踊る文化が根付く先駆けになった可能性が高い。勿論ビジュアルだけでなく、踊るような曲なのにイケイケではなく、気だるいビートが何ともYUKIらしくてハマる。

22位 FINAL DISTANCE/宇多田ヒカル(2001)
彼女の曲を選ばずしてこのトピックは語れない。迷ったのは"Can you keep a secret?"と、"光"。世に出たときにはアップテンポだったこの曲がバラードになって、あたかもこれがオリジナルなような叙情的なメロディとボーカルの深みがこんなにベストマッチとは。

21位 こどなの階段/南波志帆(2011)
とにかく変な曲。ヘリウムガス吸ったような南波志帆の歌声に、作家陣はベボベ小出祐介とサカナクション山口一郎。くせ者たちのクセが渦巻いて奇跡的に出来上がった曲だと思う。名曲というより、気になるからついもう一回聴きたくなってはまるタイプ。ちなみに、山口一郎が楽曲提供したのは、SMAPの2曲とこの1曲のみである。

20位~11位

20位 PONPONPON/きゃりーぱみゅぱみゅ(2011)
大ファンである中田ヤスタカ大先生の曲で最上位に選んだのがこの曲。例えるなら脳内をエンドレスリピートするウイルスと言っていいレベルの中毒性。"つけまつける"も選択肢だが、この曲が全ての方向性を示した曲だと思う。

19位 掌/Mr.Children(2003)
ミスチルなんて正直何曲選んでもよくて、その中でも"フェイク"や"NOT FOUND"という競合の中、詞曲の独創性が抜きん出ているのはこの曲かと。その証拠に似た曲も超える曲も出てこない。大サビの転調がどの曲にも増して完成度を高めている。

18位 明日への扉/I WiSH(2003)
同じメロディで2曲存在することからわかる通り、汎用性が高いのに透き通っていてドラマチックな曲。これからも長きに渡り色褪せず様々な層に訴えかえる曲として残り続けるはず。

17位 あんなに一緒だったのに/See-Saw(2002)
アニメソングの皮を被った歌謡曲。これを2002年にやることに意味がある。二人にしか作れない世界観が成立しており、ポップスとしてもアニソンとしても超優秀。

16位 CHE.R.RY/YUI(2007)
女子による女子のための歌。CMソングでのオンエア回数もあって、サビ頭のフレーズの破壊力は大。ロックな曲とキュートな曲の二面性が彼女の強みだが、後者が時代にドはまりした例。

15位ヘミソフィア/坂本真綾(2002)
菅野よう子氏の生み出す楽曲のクオリティがアニメソングの枠を完全に飛び越えたといえるスタイリッシュさ。明るい曲調よりシンフォニックだったり、荘厳な曲調のほうが歌声が活きてくるのは"gravity"や"トライアングラー"も同様。それらの楽曲のはしり。

14位 こころ/小田和正(2007)
メロディメーカーであり稀代の歌い手。大サビのようならしい節回しや、イントロのつかみでこの曲の当たりを確信させてくれる。個人的には"ラブストーリーは突然に"に次ぐ曲だと思う。タイアップの世界観を邪魔せず深化させてくれる唯一無二の声色とそれに合った楽曲こそ、何十年先にも語り継げる音楽だろう。

13位 Missing/ELLEGARDEN(2004)
ロックバンドのバラードはロックを捨てたバラードと、ロックバラードの2種類あるが、これは後者で当てるのが結構難しい。英語詞と日本語詞の妙を感じる一曲で、日本語詞がほとんどなだけに最後のフレーズの英語詞が急にスタイリッシュに感じる。

12位 come again/m-flo(2001)
当時の最先端を走ったトラックが、まさか20年を経過した今でも古さを感じず聴くことができるとは…とにかくクールで心地よい疾走感が、お洒落な音楽を聴いているという自己満足に浸らせてくれる。今でも。

11位 何度でも/DREAMS COME TRUE(2005)
国民的アーティストのストレートなメッセージソング。時代背景もありたくさんの人々の背中を押した応援歌でもあったと思う。ドリカムの楽曲の中でも生で聴きたい、ライブ感で様々な葛藤や苦悩を解放させてくれるのではないか、というパワーを持った曲。

10位~4位

10位 全力少年/スキマスイッチ(2005)
11位と同様に、たくさんの人の背中を押してきたストレートなメッセージに、こちらも色褪せず元気と勇気を与えてくれる曲。オーガスタのアーティストは陰と陽の触れ幅がとんでもないことが多いが、この曲は陽に限りなく振りきっている。フェスでの大合唱の圧が物凄い。

9位 スノースマイル/BUMP OF CHICKEN(2002)
「冬が寒くって本当によかった」という冒頭の歌詞で一気に世界観に引き込む。雪国出身でもないのに、ここまで冬の情景をイメージさせる楽曲作りに感服。

8位 会いたくて 会いたくて/西野カナ(2010)
サビ頭の「会いたくて会いたくて震える」というキラーワードは彼女の代名詞となり、J-POP史に残る歌詞になったと思う。共感はできないが、こういう表現があるのかと驚かされた。歌詞の話題性先行な感はあるが、曲も泣きメロというか、ちゃんと良くできている。

7位 夜に駆ける/YOASOBI(2019)
聴き手次第だが、個人的にはボーカル幾田りらはとても血の通った声をしていると思う。ボカロの声やボカロ系の曲ってあまり特ではないが、ボカロ曲にここまで生命を吹き込んだ曲が果たしてあっただろうか?パイオニアと言っていい。高揚感を煽りながらも切ないメロディセンスも素晴らしい。

6位 制服のマネキン/乃木坂46(2012)
J-POPにEDMを取り込んだはしり。と思っていたがPerfumeの"Spending all my time"の方が先だった。それでもこちらを選んだのは、よりJ-POP仕様にチューニングされ、かつ歌詞も含め新しく自由なアイドルソング像を提供してくれた。

5位 若者のすべて/フジファブリック(2007)
改めて語る必要性すらないレベルの名曲だろう。今現在では志村氏の生の歌声を聴くことはできないが、2019年のロッキンは名演だった。夜空とこの曲の余韻と花火の合わせ技で、この曲の世界観にトリップし虜に。

4位 真冬物語/堀込泰行、畠山美由紀、ハナレグミ(2004)
ソロパートではなくユニゾンで始まる意外性ある歌い出し(2番はソロパート)。真冬と謳っているにも関わらず、お洒落で暖かみを感じるのは何でだろう?"エイリアンズ"や"家族の風景"がピックアップされるのもわかるが、個人的な断トツでこの曲。松本隆・松任谷由実のタッグに編曲は冨田ラボという豪華布陣でいい曲が生まれないわけがない。

3位~1位

3位 jupiter/平原綾香(2003)
特段好きな曲ではないが、素直に凄いと唸ったのはこの曲。荘厳な原曲の雰囲気は残しつつも、低音と高音の巧みな歌い分け、素人でもシンプルに歌が上手いと評論できるクオリティ。とにかく低音の響きが良い。商業的には一発屋のような扱いになっているが、この曲以上に彼女のテクニックを引き出せる曲に巡り会えなかったのだろう。

2位 サイレントマジョリティー/欅坂46(2016)
月並みだが、アイドルの既成概念を打ち破ったグループで、デビュー曲としてはあまりにもインパクトが強すぎた。女性グループ特有のかわいらしさを押し出すでもなく、本来聴かせにいくメッセージングをそれもキー低めで、聴く分にはグループのスケールメリットの少ない楽曲を敢えてぶちこんでくる挑戦的な作品だと思う(最もスケールメリットが享受できるのはAKBみたいなわちゃわちゃやる曲。"黒い羊"なんてもってのほか)。

1位 空想X/pal@pop(2002)
正体は"さくら"が有線などで話題になった高野健一氏。オリジナルは実は1998年だが、この曲が再び2002年にセルフカバー版として突如現れた。詞曲共に非常に独創的で、薄気味悪い曲。渋谷の街を舞台に、女子高生の葛藤やら何やらの感情を歌詞やセリフに乗せていくのだが、ノイズのようなセリフに意味不明なサビの歌詞、正反対にとても爽やかなボーカル。何故かこの曲が病みつきになってしまう。何度生まれ変わっても、こんな難解な曲は思いつかない自信がある。オリコントップ100にも入らず、恐らく30曲の中で最も知名度のないこの曲。当時HEY!HEY!HEY!で流れていて偶然知ったこの曲のインパクトが20年経った今でも忘れられず、1位に推した次第である。

まとめ

30位 女々しくて/ゴールデンボンバー(2009)
29位 打上花火/DAOKO×米津玄師(2017)
28位 キラーボール/ゲスの極み乙女。(2013)
27位 Flow/school food punishment(2008)
26位 花は桜 君は美し/いきものがかり(2008)
25位 恋をしちゃいました!/タンポポ(2001)
24位 シアワセ/aiko(2007)
23位 JOY/YUKI(2005)
22位 FINAL DISTANCE/宇多田ヒカル(2001)
21位 こどなの階段/南波志帆(2011)
20位 PONPONPON/きゃりーぱみゅぱみゅ(2011)
19位 掌/Mr.Children(2003)
18位 明日への扉/I WiSH(2003)
17位 あんなに一緒だったのに/See-Saw(2002)
16位 CHE.R.RY/YUI(2007)
15位 ヘミソフィア/坂本真綾(2002)
14位 こころ/小田和正(2007)
13位 Missing/ELLEGARDEN(2004)
12位 come again/m-flo(2001)
11位 何度でも/DREAMS COME TRUE(2005)
10位 全力少年/スキマスイッチ(2005)
9位 スノースマイル/BUMP OF CHICKEN(2002)
8位 会いたくて 会いたくて/西野カナ(2010)
7位 夜に駆ける/YOASOBI(2019)
6位 制服のマネキン/乃木坂46(2012)
5位 若者のすべて/フジファブリック(2007)
4位 真冬物語/堀込泰行、畠山美由紀、ハナレグミ(2004)
3位 jupiter/平原綾香(2003)
2位 サイレントマジョリティー/欅坂46(2016)
1位 空想X/pal@pop(2002)

以上30曲を挙げた。
意外に女性ボーカルの比率が高く、そして予想通り2000年代の曲が大多数となった。
好きな曲という基準を排除した結果、好きなアーティストはほとんど選外になった。

水樹奈々"POWER GATE"
Perfume"Dream Fighter"
木村カエラ"Magic Music"
Czecho No Republic"Firework"
SURFACE"ゴーイング my 上へ"

いくらでも挙げられる。また、名曲という視点でも

King Gnu"白日"
相対性理論"LOVEずっきゅん"
Bank Band"to U"
安室奈美恵"Baby don't cry"
星野源"化物"

この辺りは入れたかった。20年で30曲とは、狭すぎる門だ。
本放送については、クリエイターのランキングを集計しただけあって、
メジャーな楽曲が多くを占めた。各個人のランキングをすべて見てみたい。

noteについてもこの番組についての記事を色々ザッピングさせてもらった。
色々な方の思い思いの名曲ベスト30を是非教えてほしい。

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