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『 わ、びっくいした~ 』(大村市)

ごめん、ごめん。ビックリしたね? タロのシンちゃんば見つけてからさ、いちもくさんに走ってきたとよ。

シンちゃん、今帰りね。なん、カタツムリば見つけたと? ふ~ん。

でもシンちゃん、カサの骨のはずれて、ズボンもドロだらけやかね。

帰りがけ、いろいろ遊んできたとやろ? 

・・・でもシンちゃんはあそびの天才やもんね! こないだも「にんじゃのしゅぎょう」とかゆうて、雨水の落ちよるとこで遊びよったやろ?

ばってん、こがん日は早う帰って、家ん人ば安心させんばばい。ほい、ねえちゃんとタロと早う帰ろうで・・・。



行事の日の雨ほど水をさすものはないが、教師時代、楽しかった雨の思い出がある。

島の学校では年に一度、全校キャンプがある。

全校生徒、自転車に乗って海岸にあるキャンプ場へ行き、テントでねるのだ。

ある年のキャンプの真夜中、大雨がふってきた。たちまちテントの中まで水びたし。

生徒たちはすいはん場へにげこんだ。これじゃねられん!ということでバスにむかえに来てもらい、学校の体育館でねることになった。

全校生徒が体育館に「ざこね」だが、かれらがおとなしく、ねるはずがない。

「先生、なんか話、してくれ」

「よし、じゃとっておきのコワか話ばしてやる」
ということで、私のまわりを生徒たちが取りかこんだ。

男子も女子も暗やみの中でキラキラと目をかがやかせている・・・。

教室の中では、けっして見れない顔ばかり。

すべては雨のおかげだった。

生徒たちがねむった後、午前3時に職員会議・・・。
けっして忘れられない思い出である。

僕の子ども絵日記-54

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江島 達也/対州屋
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