エリクソンのライフサイクル理論について調べてみた

背景

ユングのコンプレックスについて本を読んでいて、自分は羞恥心についてコンプレックスがあることに気づいた。
そのことを妻に伝えたらエリクソンの発達課題について教えてもらったので自分でも調べてみたのでメモとして残す。

主に参考にしたURL

ユングのライフサイクル的理論

  • ライフサイクルとは人生の経過を円環に描いて説明したもの。最初にライフサイクル論的な見方をしたのはユング(Jung,C.G)

  • ユングのライフサイクル論は4段階

    • 少年期

    • 成人前期

    • 中年期

    • 老年期

  • 問題になる時期は成人前期と中年期、最大の危機は中年期の転換期

    • 男性は40歳までは色々犠牲をしながら社会的成功を目指すが、40歳前後で未来が永遠に続かないことに気づく。気づいてからは今まで犠牲にしてきたものを自分の中に取り戻していくことが必要と述べている。(この過程を「個性化の過程」と呼んでいる)

エリクソンのライフサイクル理論

  • フロイト(Freud,S)の発達論が思春期までを対象とし、心理-性的・心理-生物学的であった

  • エリクソン(Erikson,E.H)は個人の発達は社会との相互作用で起こるとする「心理-社会的側面」を重視し、生涯発達理論に拡張した

  • 各機能ごとの発達に臨界期(学習するのに適した期間)があり、それぞれ発達課題がある8つの発達段階を人格(人として特質)が変化する過程とした。

    • 対人関係的、社会的活動の基盤となる心理特性の獲得が各発達段階で求められる

    • 獲得できない場合危機を迎える、みたいな考え方。危機を積み残すことになる問題点みたいなとらえ方もあるが人によって解釈が異なっている。

    • 自我同一性(アイデンティティ)とは、自分はいったい何者かといった自問に対する肯定的かつ革新的な回答を持っていること。発達課題の中で最も重要な概念と考えられる。

発達段階ごとの整理

  • 乳児期(0-2歳)

    • 獲得:希望

    • 課題:基本的信頼

    • 危機:不信

    • 獲得するためのプロセス:泣いて助けを求め、適切な世話を受けることで信頼感を得る。放置されると不安や不信感を持つ。

  • 幼児期(3-4歳)

    • 獲得:意思

    • 課題:自律性

    • 危機:恥、疑惑

    • 獲得するためのプロセス:イヤイヤ期で自我の芽生え。挑戦欲に従い様々なチャレンジをして自信をつける。挑戦する機会を奪われたり失敗したことを非難されると、周囲が信じてくれないと疑惑を持つ。

  • 遊戯期(5-7歳)

    • 獲得:目的

    • 課題:自発性

    • 危機:罪悪感

    • 獲得するためのプロセス:なぜなぜ期で目的意識を持つ。様々な事象の目的を知る、経験することで獲得できる。めんどくさい態度や厳しくしつけると罪悪感を覚える。

  • 学童期(8-12歳)

    • 獲得:有能感

    • 課題:勤勉性

    • 危機:劣等感

    • 獲得するためのプロセス:様々な課題に取り組むことで自分に能力があることを自覚して有能感を獲得する。できないことをとがめられると劣等感を抱く。慢心・劣等感を抱かせないように適度にフォローすることが大切。

  • 青年期(13-22歳)

    • 獲得:忠誠性

    • 課題:自我同一性

    • 危機:拡散

    • 獲得するためのプロセス:コミュニティ(部活やバイトなど)に属して役割を得て、社会から必要とされる経験をすることがアイデンティティ確立の一つの手段。

  • 前成人期(23-34歳)

    • 獲得:愛

    • 課題:親密性

    • 危機:孤独

    • 獲得するためのプロセス:職場や家庭などで現実的な役割・責任を負うようになり、また異性との関係を重要視する。親密性を獲得するためにアイデンティティが獲得されていなければならず、受け入れられないと孤立する。

  • 成人期(35-60歳)

    • 獲得:世話

    • 課題:生殖性

    • 危機:停滞

    • 獲得するためのプロセス:次世代(子育て、職場の人材)を育てることに関心する。自分自身にしか関心を持てないと自己没頭した状況になる。

  • 老年期(61歳以降)

    • 獲得:英知

    • 課題:統合性

    • 危機:絶望

    • 獲得するためのプロセス:人生を振り返り、否定的要素を排除するのではなく統合する。

拡散(アイデンティティの危機)

自分の人生において責任のある主観的選択ができなくなる。7つの状態があるとされる。

  • 時間拡散:時間的展望や希望を見失っている

  • 同一性意識:自意識過剰な状態

  • 否定的な選択:社会的に望ましくない選択をする

  • 労働麻痺:課題に集中できない

  • 両価的拡散:性のアイデンティティ拡散

  • 権威の拡散:指導的役割や従う役割ができない

  • 理想の拡散:人生のよりどころとなる理想像や価値観の混乱

  • モラトリアム:青年期においてアイデンティティ形成のために社会から与えられる猶予期間

アイデンティティ・ステータス

マーシャ(Marcia)の研究で、危機状態の有無(迷いや葛藤の時期の有無)、コミットメント(自己投入、自己参加、人生の目標の達成のために行う実際的な行動・努力)の有無の組み合わせで4つの地位を示した。

  • アイデンティティ拡散型(危機/コミットメント:無/無)

    • 自分が何をしたいのかわからず、人生指針の方向感覚を喪失し、アイデンティティ確立に向けた実際的な行動や努力ができなくなっている状態。

  • モラトリアム型(危機/コミットメント:有/無)

    • 自分が何になりたいのか、どういった職業に就きどのような人生を歩んでいきたいのかを模索している状態

  • アイデンティティ早期完了型(危機/コミットメント:無/有)

    • 自分の本当の希望や判断と向き合っていない不全感の残りやすいアイデンティティ確率(両親などの意見に従う)

  • アイデンティティ確立志向型(危機/コミットメント:有/有)

    • 危機状態と積極的な関与を経験し、アイデンティティの確立した状態

所感・メモ

  • 羞恥心に対する課題が残っているので、どんどん新しいことをして羞恥心を取り込む

    • アイデンティティについてはモラトリアム型の気がするので、自分で計画を立てて新しいことについてコミットしていく経験を増やす必要があるのだと思う。

    • 人生経験が豊富というのは、こういった発達課題を回収できてる人のことを言う気がする

  • 前成人期でアイデンティティを獲得しないと親密性を獲得できない(しにくい?)みたいな記載があったが、正直アイデンティティ確立志向型になるのはだいぶ遅い気がする。気にしすぎるといつまでたっても愛されないきがするので、アイデンティティの獲得をお互いに邪魔しないような関係をできる人が見つけるのがいいんだろうな

  • 参考にする文献やサイトによって年齢や呼び方、解釈が微妙に異なるのが多い、、、

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