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『図書室のネヴァジスタ』感想【前半ネタバレなし後半ネタバレあり】

死ぬって。

勘弁してください。

図書室のネヴァジスタというゲームをプレイしました、その感想を書く。
前半ネタバレなし、後半ネタバレあり。

本当はBONUS TRACK3も開放してからこの感想を書くつもりだったけれど、セーブデータが全然足りず時間がかかってしまっているのでBONUS TRACK3は未読で書く。読んだらネタバレあり部分にBONUS TRACK3感想を追記します。

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ネタバレなし感想


きっちぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!


きっちぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

どういうきっちぃ!かと言われれば、最悪のピタゴラスイッチ(情緒版)をただ見ることしかできない状況といえばいいのか。最悪のピタゴラスイッチと聞くとハッピーツリーフレンズみたいで逆に楽しそうじゃん!となるけれど、これはピタゴラ装置にあたる部分が各キャラクターの情緒

じょう‐しょ ジャウ‥【情緒】
① おりにふれて起こるさまざまなおもい。喜怒哀楽などにつれて起こる複雑な感情。じょうちょ。
② (emotion の訳語) 心理学で、感情経験の一種。喜び・怒り・悲しみ・恐れ・憂い・驚きなど身体的表出を伴う感情の動きをいう。情動。じょうちょ。

出典 精選版 日本国語大辞典

なので、アッ……あぁ……あ……はゎ………ぁあ………!しか言えなくなる。地獄が地獄を呼び、地獄の中で見出したほんの小さなロウソクの明かりもすぐに消えていく。また灯してもまた消える。それでも地獄で生きるのか?みたいな気分になる。

ロウソクの明かりがたまに灯るのも憎らしい。なんかいい感じじゃないか?このまま、なんか良い方向に、信頼が結べるんじゃないか?と期待してしまう。が、そんなに簡単な話ではない。そんなに簡単に解決しないからここは地獄なのである。そして地獄だからこそ、幽霊棟の子どもたちに友情が生まれた……のかもしれない。

そう、地獄の癖に「地獄で生きて失ったもの」と同時に「地獄で生き抜いてきたから手に入れたもの」もちゃんと描写してくるのだ。
この世は地獄、この世が全部悪い、こんなクソッたれた世界おさらばしてやれ!とはならない。世界は完全な悪役になってくれない。
でも子どもたちはどうしようもない問題でみるみるすり減っていく。無力なプレイヤーはその様子を見続けることしかできない。

きっちぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

助けてくれ、というか助けてやってくれ!の気持ちで胸が押しつぶされる。誰か、何か、どこか、どうにか、この子たちをなんとかしてはくれないか。

でもそんなことは起きない。なぜならこの、無責任とも楽観視とも取れる大人からの目線こそ、彼らにこの世への諦観を植え付けてしまっているから。

作中の大人たちは紆余曲折を経ながら、何か子どもたちのためにならないかと行動する。その行動のせいで彼らを傷つけたり、自分が傷ついたり、今よりさらに最悪の事態に陥ったり、ときにはBADエンドを迎えながら、それでも足掻く。
そういうことなんだよな、と思う。結局動くしかない、動いた結果今より状況が悪くなるかもしれなくても、困っている子供を前にしたら大人は動くしかない。

「大人は僕らを助けてくれない」という絶望をこれ以上子供に与える前に。

そういう説教を自分はこのゲームから受け取った。

作中、大人たちの心の揺らぎが丁寧に描かれている印象がある。
子どもたちは何を考えている?この子たちに殺されるんじゃないか?信用できない。信用されなくて悲しい。どこまで踏み込んでいいのか?
この大人側の心の揺らぎ描写が丁寧であることから、大人側にも寄り添ってくれている優しいゲームだなと思った。
そして描写の分、恐怖や葛藤を抱えながら行動するマッキーと賢太郎がかっこよく見える。子どもたちから見た二人も、これくらいかっこいいといいなと思ったりする。

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ネタバレあり感想

ここからネタバレありで感想書いていく。主に各キャラクターへの思いをぶつける形になると思う、スクロールしたら書き始める。
未プレイの人は今すぐプレイしてきてくれ。そして全エンディング埋めてきてくれ。後生だから。



















津久居賢太郎

賢太郎~~~~~~生きろ!
今回の監禁事件の被害者であり、根源。彼がかつて大人であり子供だった頃、子供から大人に変化する頃に清史郎へ語った言葉が幽霊棟の5人をネヴァジスタへと誘う。

マッキーと対になる立場の大人だな、という印象を受けた。だからこそグランドルートにはマッキーと賢太郎の二人が必要だったのだとも思う。

賢太郎が担う「大人」は、泥臭くて、ずるくて、でもちょっと悪いことをしても許してくれるかも、みたいな優しさを持っている。包容力といえばいいのかハードボイルド(?)といえばいいのか。
でもいろんなルートで子どもたちから心を開かれているところを見ると、兄的な包容力なのかなと思う。自分が学生だったらマッキーより賢太郎の方に懐く気がする。

選択肢によってはかなり悲惨な最期を迎えるのは、長年清史郎へ手紙を返さなかった罪の重大さなのかも。実際お兄ちゃんが手紙を何通か返していたらここまでの大事にはならなかったんだろうと思うと、罪深い気もしてくる。

でも賢太郎だって子供だったじゃん、とどうしても思わずにはいられない。両親の離婚という大人の事情と大好きな清史郎の間に引き裂かれ、ボロボロになっていた賢太郎も子どもだった。
だからこそ清史郎の中で、ボロボロの子供だった兄=きれいなままの思い出、大人になった兄=なるべきではない存在になってしまったのだろうけど……ウェーン
とにかく兄弟間のコミュニケーションを怠ってはいけない。賢太郎はその身をもってそれを教えてくれる。賢太郎の死、無駄にはしないよ……

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槙原渉

評価が難しい。
依存させる人、と作中で言われていたけれどそうなんだよなぁと思う。
彼が悪いわけではないけれど、彼の優しさやエゴは、よりどころを求める人からしたら甘美すぎて危ないよねとも思う。
で、本人もかなり「求められること」に弱いのも、人間らしいなと思った。顕著だったのは和泉ルートのキスする選択肢。絶対ダメだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!BAD直行だろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!と思いつつ、マッキーならやりかねんのよなぁと思ってしまうのが残念で良かった。完璧超人じゃない、短所もあるマッキーが、それでも生徒のためになる行動を模索している姿はかっこいいなと思う。

本人はかなり善性にあふれていて、大人でありたいと願っている人、という印象。マッキーが大人であろうとする、大人としてふるまおうとすることはマッキー本人のエゴである、という描写が多いように思った。

評価が難しいとは書いたけど、もし学校へ呼ばれたのがマッキーじゃなかったら、幽霊棟の5人はほぼ確実にネヴァジスタへ行っちゃうんじゃないかなとも思う。
5人のネヴァジスタ行きを止める唯一の方法は、久保谷瞠に自分の願いのために自分で動いてもらうことだ。そう考えるとマッキーは、4人にとってのヒーローであり、久保谷の救世主と捉えられるのかもしれない。

久保谷瞠生きろマンことワイ将からすると、5人のネヴァジスタ行きを止められる=久保谷曇らせを阻止できるという一点でマッキー大好きになってしまいかねない。というかなっている。
マッキー、久保谷瞠と出会ってくれて本当にありがとう。今後もアイツのこと、よく見てやってくれねえか?頼んだよ、マッキー……

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辻村煉慈

ギャップ萌えの人。
少年としての心と男性としての心の間で引き裂かれているような印象を受けた。未成熟なまま身体が大きくなってしまった、大人びた少年の葛藤。本当の彼自身は小学生か中学生くらいで止まっているんじゃないか、と思えるような言動が親しくなるほど垣間見える。
でも彼は身長が高く、強面で、新進気鋭の小説家だ。周りの人間は彼のことを大人として扱っていて、そこでバランスを崩したのが彼の悲劇なのかな、と感じる。
レンレンはただ、お父さんに見て欲しかっただけなのに。彼はずっとそこで立ち止まったままだったのだ。

彼は成長途中という印象がすごく強く、だからだろうか、辻村ルートは彼自身が苦難を乗り越えていくさまがすごく印象に残った。
茅や和泉に比べるとまだ戻ってこれる場所にいて(これは春人もそう)、相当キツイ現実と向き合えば抱えている問題を乗り越えることができる。
グレーゾーン、境界線上にいる子どもに思えた。

個別ルートでレンレン本人が頑張って過去と向き合うぶん、彼の周囲の大人への落胆は強まってしまう。未成年の義理の息子を異性として見てしまった後妻(彼女も未成年であるけれども……)、甥の才能に嫉妬する叔父、思いを言葉にすることから逃げる父。最後にマッキーが父に説教かましてくれて、そして父が真摯に謝罪してくれてギリギリ助かった。それでもちょっと、辻村家の人々がみな幼稚な印象はぬぐえない。お兄さん含めて、ね!

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茅晃弘

生きろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
殺すな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

茅、生きてくれ。そして漏れ(賢太郎)を殺さないでくれ。
和泉とツートップで生まれながらの地獄を生きている生徒。高校まで生き抜いたことが奇跡のような存在。いや…久保谷のおかげ(せい)なんだけれども。

茅から見たら生きることそのものが苦痛で、朝目覚めてから夜寝るまで見えている世界が地獄なのだろうなと思う。本当に痛ましい。苦しい。
茅ルート攻略中は早く楽にしてやってくれ……と思ってしまう場面がいくつかあった。

だからネヴァジスタに連れていくなら最初から連れてけよ!!!!!!
なんで、なんであのタイミングなんだよ……クソ……茅ルートを経験して以降、清史郎への憎しみが募ってしまった。清史郎、ちょっとそこに座りなさい。

茅ルート通して、お兄さんの壊れ具合がすこしブレていた気もするけれど(あるいは描写不足?治らない狂人と解釈してしまっていた)、茅含めて「ほんの些細な出来事から人は壊れるし、回復する」シナリオだなと思った。
甲斐甲斐しく世話を焼く賢太郎の行動はすべてが茅のためになったわけではなかったけれど、地獄の中の息継ぎのような二人の生活で、ふと茅自身が変わる瞬間がある。それは賢太郎がいたからこそ生まれた変化だし、人間のままならなさ、しょうもなさ、愛おしさを感じる場面だった。

あと特筆すべきは本物の白峰を見つけてからの爆速鞍替えエピソードだろう。ひでーやつ!と思う反面、どんだけ大事な思い出だったんだよ、本当にそれしか希望がなかったのかよと、彼の人生の悲惨さを再確認してしまい胸が苦しくなった。どうぞ、なにとぞ、幸せになって欲しい……幸せを見つけて欲しい……

グランドエンド後、お兄さんと関係を修復した茅のことを本当に見たいよ。
幽霊島のネヴァジスタ、待っています。

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久保谷瞠

好きだ。大好きだ。
お前がいなきゃみんな助からないんだって、お前に一番伝えたいよ。
ちょっと全然感想を書き出せなくてウケる。なんか、感想じゃなくて久保谷への「想い」になる。そういうこともある。

プレイヤーと共に最悪のピタゴラスイッチ(情緒版)を認識していた人。
かつ、自分が最悪のピタゴラスイッチ(情緒版)の制作に関わった負い目もある。
彼にとって「現在」そのものを直視することはどれほどの苦痛だっただろうと、ゾッとする。

私が一番印象に残っているのは、各キャラルートで犬の賢太郎が帰って来た時の瞠だ。
犬が帰ってくるその意味を彼だけが知っていて、あの時点で久保谷瞠の願いは消える。でもそれを知る人はいなくて、我々プレイヤーだけが、彼の涙の意味を知っている。そんなの………気持ち良すぎる
切ない、悲しい、かわいそう、と思うと同時に湧き上がる優越感。
久保谷瞠のことを自分だけは見てる!知ってる!そんなよこしまな快感が同時にやってくる。制作者ァ!なんてことをしてくれるんだい!!

途中から彼はティンカーベルの役割を担っているんだと認識してプレイしていた。実際そういう描かれ方だったようにも思っている(瞠がワインを飲み干すENDなどが顕著な例)。ピーターパンは恐らく、せいちゃんだろう。
せいちゃんにとって彼は本当に、魔法が使える妖精だったんじゃないかな。そしてそれは幽霊棟の5人にとっても。
みんなの願いの狭間で引き裂かれそうになる魔法の妖精、それが私が見た久保谷瞠だった。

ここまででも何度か書いたが、グランドエンドへの道は「久保谷瞠に自分の願いのために自分で動いてもらうこと」だ。
誰かのための道具じゃなくて、意志を持つこと。自分のために行動すること。やりたいことをやること。
生まれ持った気質から、やりたいことをやりたいと口にすることができなかった人生だったんだろうと想像できるけれど、つらい。
やっぱり、瞠の近くにマッキーが来てくれたことは本当に良かったなと思う。一番必要なケアだったんじゃないか?
BONUS TRACK2で学校の先生という将来の夢を持った瞠を見れたときは本当に嬉しかった。
やりたいことに挑戦してくれ。そして、幸せになってくれ………………

プレイヤーとして久保谷瞠というキャラクターに出会えてよかったと思う。
久しぶりに、物語の中のキャラクターを幸せにしたいと本気で願った。
もっともっと、久保谷のことを知りたい。そう思う。

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白峰春人

みんなのトラウマ

いやみんなのは言い過ぎたか。公式おすすめ順のトラウマ
かくいう自分も1周目後、聖マリアの似合う男子高生こと春人にホイホイ釣られ、グッドエンドで茫然自失としました。その時のツイートがこちら。

その意見に賛成だッ!!(日向創)

本当に、本当に苦しかった。
彼の抱えている苦しみから、やっと解放されて。
ようやく愛のあふれる家族とも打ち解けられて。
白峰春人の再生の物語が始まったと同時に、ネヴァジスタ。

なんで~~~~~~~~~??????????????????????????????????????

な¨ん¨でだよ¨ッ¨!!!!!!!!!!!!!!!

正直彼のことを思い出そうをするとあの時の動悸、息切れ、冷える背筋が真っ先に出てきてしまう。完全にトラウマ。

春人は過去に囚われてしまった人、という印象。過去に受けた傷、過去に刺さった毒がずっとずっと回り続けている。
他人の痛みに寄り添えるのは、自分が被害者だった経験があるから。慈愛とも取れる行動の裏に、加害者/犯罪者は絶対に許せないという苛烈な部分も持ち合わせている。それはそうだろう、加害者がいなければ弟は死ななかったし、家族は壊れなかったのだから。
でもじゃあ、加害者も被害者だったら?もしくは、被害者が加害者になったら?当たり前のことだけど当事者であればあるほど受け入れがたいことと彼は向き合って成長する。

優しくて強い人だなと思う。
聖マリアでありロビンフット、本当にそう思うよ。

白峰ルートでは賢太郎が衰弱死するBADエンドがある。全BADの中でも結構印象に残っている。子どもたちだけの、無計画で行きあたりばったりな監禁の描写から高校生の危うさを感じられて良いね、と思った。

余談になるけれど本ゲームのイラスト担当、かずまこをさんの単行本
『メビウスハート―ディアティア外伝―』に収録されている
「ディアフレンズ」という短編集では、図書室のネヴァジスタに登場するキャラクターたちが、本編とは異なる設定で暮らしている様子が描かれている(いわゆるスターシステム)。

ここでは白峰兄弟が二人とも無事で(他のみんなも)、元気に暮らしている。わちゃわちゃとしている。その様子を垣間見て、なんだか自分でも驚くほど嬉しくなったことを残しておく。きらら時空はやはり、必要
ともちゃん、それはやんわりとしたブラコンだよ。

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和泉咲

かっこいい。気高くて、強い。
今和泉のチャプターを少し見返して、泣いてる。

チャプターを見返す前は彼の出生に関して触れないとな、と思っていたけれど、そうじゃないなと思った。そこじゃない。
彼はそこで本当に苦しんでいたけど、でもそこが彼の本質では全くない。
むしろそれは彼の周囲の問題で、和泉花の問題で、神波の罪で、和泉咲とは関係ない。

愛に飢えていた。愛されることにも、愛することにも飢えていたように思える。彼は性的接触を愛情表現だと認識していたから、周囲から発信される「愛」のメッセージを受信することが困難だったのだろう。
辻村ルートを経て、咲の本当の父親が咲を愛していないことはないんじゃないかと思った。咲にはおそらく、その父からの愛情を受信する能力が欠落していた。
神波が父だったらよかったのに、と咲が考えていたのは、神波は咲の壊れた受信機にも届くように愛を語ったからなんじゃないかな。自分で壊したからどこがどう壊れているかかなり正確に把握していた、愛情のマッチポンプ。最悪だよ。

そう考えると体当たり方式で性的接触以外の愛を叩き込んだマッキーはただもんじゃねえな!ただもんじゃねーよ!!と思う。
そりゃ屋上から飛び降りる!って脅したら一緒に落ちる(でも助ける)って言いだすやつ、信じざるを得ないか。認めざるを得ないか、性を伴わない「愛」ってやつを……

過去を知って覚悟が決まってからは本当に強く、そして美しい人だなと思った。花ちゃんにも感じる強かさ。やっぱかっこいいよ、和泉咲……!

ネヴァジスタに行った後のモノローグもかっこよかったよな……と思って確認しに行ったけどごめん、ちょっと、「許せねぇ」で心がいっぱいになっちゃった。許せねぇよ……許せねぇよ!!!!

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神波誠二

コラ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

しっかりしなさい、32歳児!!!駄々ばっかこねてるんじゃないよ、瞠にバブみを感じてオギャってる場合じゃないよ!!!!!!!!!!!!!!

フーッ……

子どものまま大きくなった大人の代表格。
彼のやってることは自らの復讐ですらなく、もうこの世にいない母に認めてもらう、褒めてもらうための行動に見える。いや、恨んでたのかな。でも復讐が完遂されたって死んだ母親は戻らないし、一番傍にいる瞠すら失いかねないのに。そう考えるとやっぱり、今を見ず、(自分も知らない)過去に縛られている人なんだろうな。
咲ルートで瞠を人質に取られ、彼はかなり追い込まれる。いやいや、そんなに瞠が大事ならこの計画をやめたれよ!!!と思う、けど、そこまでの覚悟…というか、実感がなかったのかなぁ。
不安定でちぐはぐさを感じる人柄は、やはり彼を表す言葉は「幼稚」だと確認させられる。

エンディング1と2を回収した時、ああ、これはかつての神波誠二の日々だったのかなと想像し、気が重くなった。今日は無事に帰ってこれた、を何度も何度も繰り返し、そしてある日「嫌だ」と言ったら、母は崖から落ちた。

このエンディングのタイトルが「Birthday」て。やりすぎだぞ。

嵐の夜に死んだのは、御影清史郎ではなく神波誠二だった。
彼の人生はここでおわり、そこからは母の願った復讐をなぞる亡霊だった。

それは違うよ!!!!!!!!!!!!

お前は、お前も、まだ生きてる!!!!!!!!!生きて、生きていたじゃん…………………花ちゃんとの会話の中に、瞠との生活の中に、神波誠二は生きていたじゃん……………………諦めないでよ~~~~~~~~~~~

あーーーーーーーーーー苦しい。苦しいね。
これが図書室のネヴァジスタだね。

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ダラダラと書き連ねていたら9000字近くなっていた。ウケる。
これを卒業論文として、私は図書室のネヴァジスタから卒業しよう。

清史郎について書くか少し悩んだけれど、まだ彼のことを知らないな、と思ったので書かないことに決めた。ファンディスクや今後出ると噂されている幽霊島のネヴァジスタで、彼のことをよく知れたら嬉しいと思う。

ともあれ、本当に素晴らしいゲームだった。
やめるタイミングを失って、睡眠時間を削ってプレイしていた。
願いが届きそうで届かなくて、でもまた願わずにはいられないシナリオ。
そして知れば知るほど愛おしくなるキャラクターたち。
唯一無二のゲーム体験だった。

胸にドーーーーーンと鉛球を抱えることになるけれど、やって後悔はない。図書室のネヴァジスタというゲームにつけられた心の傷は、私の宝物である。

以上、図書室のネヴァジスタの感想でした。
ここまで読んでくれた人、マジでサンキュー!
服毒本もファンディスクも、読みたい&やりたいぞ~!

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