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物静かな「英国紳士」??

前掲のTaylor氏に続いて、今回はWill Spencer氏の手になるトランペットについて。

ご覧の通り、外観はTaylor氏とは真逆の実にオーソドックスなもの。当然音の響き方や鳴り方もまさに英国紳士の節度ある上品なイメージそのもの、と思うでしょう?私も最初そう思っていました。

ところが吹いてみると予想は見事に裏切られました!なんだこのパワフルさ!この鳴りっぷり!

実は彼はプロの現役プレイヤー。自分が現場で使ってみて微調整を執拗に繰り返しながら、納得するレベルに達して初めて完成となる、という鬼の様な(?)完璧主義を貫く製作家なんです。

仕上がった一台一台の楽器は超音波洗浄機で完全に洗浄され、製作時の油やハンダ、クリーナーなどの残滓は全く無くピッカピカ!昨今はその上に徹底的な殺菌を施されて送られて来ます。

その為、梱包を開けると即本番で使える状態!

各可動部は滑らかそのもののクリーミーな感触だし、鏡面仕上げの美しさはそれだけで演奏欲が爆発して、いつまでも吹いていたくなります!

しかも各部位に、通常のトランペットには過去余り使用されなかった銀やニッケル、洋銀、チタンなどの真鍮以外の素材も積極的に使用して、より理想の響きに近づけるべく研究と探究を怠らない。ここがSpencer氏を尊敬する所で、「定番」に甘んじること無く常に進化し続けています!

ヨーロッパでもアメリカでも無い独自のサウンドカラーのイギリス、私はその独特な個性的な響きに非常に魅力を感じています。同時にそれを支えるこれら二人の天才製作家からは常に目を離す事ができないのです。





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