基本と自由?

ある料亭の女将さんが「ウチの料理について皆さんが色々言ってもらえるのは嬉しいけど、せめて箸の持ち方くらいはちゃんとして欲しいですねえ」と話してくれた事があります。

テレビのグルメレポートを見ていて感じるのが全部同じパターンで何も伝わってこない事。

食べたら先ずは鼻息荒く「ウーン」と一声!そのあとは「おいし〜い」「やわらかーい」ときて、締めのセリフは最近流行りの「肉肉しい」「鼻から抜ける香りが」「エンミがある」のどれかを付け加えるだけ!

そんな評価を下すレポーターの殆どは箸使いが下手どころか、鉛筆持ちや握り持ち!そりゃ女将も怒るでしょうよ!

カメラも楽器も基本の持ち方や扱い方があります。「どう持とうが自由だろうが」はその「基本」が出来た上で言って頂きたい。

基本って、それが一番効率的だからこそ受け継がれて来た所作だと思います。しかもそれがやはり自然でしっくり来るんですよね。美しいのです。

Miles Davisが「演奏してる時の格好を見れば、その楽器の上手い下手が一発で判る」とインタビューで話していましたが、まさにその通り!

基本を身につけるというのはそういう事だと思います。

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