終わりの時間
最初は増える一方だと思っていたあなたといる時間も、いつしか気づいでしまった。
これは減る一方なんだって。
いつしか来る終わりの時間、その時間が憎い。
駄々っ子のように抗いたいけれども、そんなのが敵うはずがないと分かっている。
人間、永久の時間を生きられない。
なにかの歌で聞いた「緩やかに若さを溶かす」。
その通りだ。
あなたも私も毎日若さを溶かして消費して迫りくるその時間へと進んでいく。
いつしかくる終わりの時間、憎いばかりではない。
終わりがあると分かるから日々の他愛もない時間を大切に思える。
そのしわしわの手も、薄くなった髪の毛も、曲がった背中も、愛おしく思う。
あなたと話す時間、あなたと歩くスーパーへの道のり、あなたと乗る電車、そのすべてを大事に大事に、心の一番奥底にしまって今日もあなたの安全と幸せを願う。
いつしか来る終わりの時間、緩やかに溶けて減っていく時間を大事に大事に心にしまって生きていく。
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