見出し画像

錆び付いた銃(逆噴射プラクティス二次審査ノミネート記念記事)

祝・逆噴射小説大賞二次審査ノミネート!!

よくきたな。わたしはM木・逆噴射インストール…いや、今はただの腰ぬけだ。
長い年月を生きすぎて牙を抜かれ、連れ添ったベイブにも先立たれ、あとはオレンジ畑の老木とともに朽ち行くのみ…そこへやってきたのが逆噴射小説大賞という名の戦場だ。
埃と錆で朽ちかけていたGUNを引っ張り出し、老骨に鞭打って引き金を引いた。
「そうだ…まかせておけ。ワシは昔文芸部だったのじゃ」


ここではライナーノーツという名の反省会をやっていく。クリエイターへの誉め言葉に「こいつ何食ったらこんな文章が書けるんだ」という言葉があるが、排泄物を調べて生態を調査する生物学者のような気持ちで読んで欲しい。


ひとつめ
https://note.mu/hornrose012/n/nf16e76e8fcc5

正直めちゃくちゃ難産だった。長年の空想癖によって弾はやたらと転がっていたが、どいつもこいつも錆びているか湿気っているかで、ようやくまともに飛んだのがこいつだ。一人称でやれ、という逆噴射センセイの言葉がわたしの手を支えてくれた。

だが、これで銃の埃は落ち、老骨にも力が戻ってきた。高校生の時のわたしが冥界から戻ってきたのだ。

本作、そして以降のプラクティスはすべて世界観を共有しており、想像力によって非現実を現実にする、感情をエネルギー源とする、といった設定に基づいている。『新世界より』などを参照いただけるとわかりやすい(原作も読んだ)。スターウォーズとかでも描写される古典的なやつだ。

最後に男の首が落ちるシーンを急遽追加したが、これは逆噴射センセイのインストラクション「最初に殺せ」を思い出したからだ。
想像力によって破壊的な力が得られるが、それを受ける側も想像力で防御や修復が可能で、めったに死ぬことはない…ということを短い文章で説明できる。インストラクションの有効性が証明された。

感情をエネルギー源とする世界観から派生して、現代における発電機や電池のように感情を安定的に取り出すための要素を作ることにした。
もともと犬が好きで、そのモフモフによる癒し効果は計り知れない。よって「火力発電」といったニュアンスで「犬力発魔」とした。
きみたちの周りにもこんな人がいるだろう。「太陽が出ていないとなんだか元気が出ない」「ほかの何を食べても、白米がないと食事をとった気がしない」
彼らは太陽光発魔、米力発魔の魔法使いとしてわたしの世界に呼び出されるだろう。


ふたつめ。
https://note.mu/hornrose012/n/n155d2ac28c3e

脳内の絵コンテである全体の流れはすんなり描くことができたが、三人称にしたため誰に注目して描写すべきか?というカメラワークの部分で苦労した。ここでも逆噴射センセイの教えが役に立ったのだ。
「焚書屋」というキーワードが「降りてきて」、そのあとは割とすんなり全体像を描くことができた。

「〇〇屋」というのは『Getbackers』で多用されていた表現で、正式な職業名ではない(非合法な職業)が、役割を端的に表している…というのが気に入っていたのだ。
「武装図書委員」のワードで賢明な読者の皆さんは『図書館戦争』をイメージされることだろうが、わたしはこの作品をタイトルと大まかなテーマしか知らない(よってパクリではない、いいね?)。
世間で議論される表現の自由と規制の問題…エロ本は排除すべきか…そういったモチーフの原点が共通しているのだろう。
一般的に武力とは無縁そうな職業を武装させる「武装〇〇」というのはとてもロマンのある言葉だと思う。過去には(現金書留強盗に対処するため)郵便配達員も銃を持ち武装していたと聞く。

本作では「すべての本は保存されるべきで、重要なのは読み方と与え方」とする武装図書委員と「子供達に悪影響を与えるエロ本は排除すべき」とする青少年健全育成教会の勢力争いについて記述した。
武装図書委員のおじさんは機械触手エロ本を魔力源として触手を操る魔法使い。
教会の青年はイケオジと勝負させるならメガネ委員長青二才だろ、『タイバニ』めいた反目しつつも時にユウジョウが築かれ二次創作で顔が近くなるやつにしよう。と安易に生み出された。


みっつめ。

2発撃って満足したつもりだったが、ここでよく言われる「キャラが勝手に動く」という現象が起きて勝手に第三勢力がポップしてきた。すんなり出来た…というか体感としては「なんか湧いてきた」が近い。

共通して「想像力を素材に、感情をエネルギー源に」魔法が使われる世界観のため、生涯で触れてきた作品によってミームが大きく変化し、それは魔法の発現にも影響する…と考えた結果である。
ミームハッカーは自分たちに都合のいいようにミームを植え付ける勢力だ。ボブとかネズミくんめいた厄介ファン存在と言えばヘッズ諸氏にはおわかりになるだろう。
また、教会員の青年の心に「武装図書委員のおじさん」がすべり込み始めているのがわかる。第三勢力の前に共闘したりツンデレしたりして薄い本が厚くなるやつだ。(このへんで創作界隈で伝説とされる「一次創作の二次創作が見たい」現象が起きる)


こうして産まれた3つ目のプラクティスが二次選考にノミネートされた。一番あっさり作った作品がなぜかウケる…創作活動の世界ではそう言うことがまれによくある。
かの有名なファイナルファンタジーのプレリュードも締め切り間際の30分で作ったとも言われているし。


ここまで老いぼれの繰り言に付き合ってくれてありがとう。
久しぶりのGUNの発射は楽しいものだったよ。ハハ、年甲斐もなくはしゃいでしまった。ワシもまだまだやれるのだな、余生に希望が出てしまったよ。MEXIKO NEVER DIE……

※この記事はフィクションですが、投稿したプラクティス、作者の性癖、コンテンツ遍歴、逆噴射プラクティスの効果、ノミネートした事実は一部ノンフィクションです。

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞 #ライナーノーツ #反省会

スキボタンを押すと残機が増えます