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サブカルチャーで父親との会話が増えた話

突然だが「ウマ娘 プリティーダービー」という作品をご存知だろうか。

昨今こちらの業界を盛り上げているナウオタクバカウケの作品だ。そんな私もナウなオタクである。いつもは流行の波に乗り遅れるサーファーなのだがその波は私にも押し寄せてきてあれよあれよと乗ってしまった。

このゲーム、名前からして連想しやすいと思うが競馬を題材にした作品である。実在の競走馬をモデルとしたキャラクター達が出てきて、実際のレースをモチーフとした話を展開したりする。ただ私はウマ娘を触る前はディープインパクトブエナビスタぐらいしか競走馬を知らなかったにわかで、オグリキャップさえも知らなかった。そんな人間でも楽しめてるコンテンツだから、元ネタわかる人はもっと楽しめるコンテンツだよななんてゲームをしている見慣れない漢字が目に飛び込む。稍重という字だ。なんだこれは。漢字検定3級と言う別に自慢にもならない級を持ってはいるがこんな字読めない。かと言ってウマ娘を一瞬閉じて調べるとタスクキルになって面倒くさいことになる。そんなとき目に飛び込んできたのはスマホを弄る姿の父。勿論親子だから父が競馬趣味があることは知っている、幼少期にファミコンのファミリージョッキーで遊んでる姿を後ろからよく見ていたし(勝手にやるとクソ怒られた)なんなら母に「馬ばかりにお金かけるのやめて!!!!」って叱られた姿を見たこともある。親子か。

その道数十年の父ならきっとこれを読める!そう確信し父にこの字はなんと読むのか聞くとあっさり解読。と同時になんでこんな競馬単語調べてるんだとツッコみも頂く。そらそうだ。今まで馬に微塵も興味を抱いていなかった娘が急に競馬単語聞き出してくるのだ。私は素直に競馬のゲームをしていること白状し、ついでにその時育成中の馬がオグリキャップであることも暴露。すると父はどこか急に懐かしい顔になり幼少期の私の姿を伝えてきた。

「お前オグリキャップのぬいぐるみ抱き締めて離さなくてオグリキャップと一緒に寝てた子供だったんだよ」

オグリキャップにあやされてた子供だった。それを聞いてオグリキャップに一瞬にして愛着がわく、なんともチョロい人間だと思う、ついでにオグリキャップで24万稼いだという話も聞いた。すごE(死語)

それから数日、明日は日本ダービーだしアニメ一期見るかとアニメを流し始めたところで父登場。そしてそのタイミングでスペちゃんが自分の自己紹介をして父、即反応。

「スペシャルウィーク…?」

漫画でよく見るような反応で私は思わず吹き出しそうになった。

その後、私より食い入るようにアニメを見てなんと共にアニメ一期を完走。「古い競馬を見ている気持ちになる」や「エアグルーヴって先輩なのか…」「(ゴルシダスカウオッカの並びを見て)この中だったらウオッカが一番強いな」なんてぼやきながらも楽しんでいたのでこのまま二期も流そうかと思ったその時

「やばい、明日のダービーの馬券買ってない。出馬表お前の分もプリントしてくるから待ってて」

いや私も一緒に予想するんか~~い。

でもどこか嬉しそうな父の姿に「別にいいよw」とは言えずアニメは一旦中断し、後日のダービーの着順を予想することとなった。私はアニメで得た知識しかなかったのだが、競馬用語や騎手の方たちがどんな人なのか、どんな成績を収めたのかを楽しそうに説明する父を見ているとこのジャンルにハマって良かったのかもしれない。今まで散々私の趣味に付き合わせて、色々なところに連れて行ってもらったが「共に楽しめること」は親子やってて数十年目にして初めてだった。

現在のめり込んでいた当時ほどウマ娘をプレイはしていないが、私の中での馬そのものへの熱のようなものは失われておらず過去のレースや馬たちの映像、馬の経歴を調べたりしている。ゲームより本物の競馬の方に熱が傾いているのはきっと父譲りなのだろう(笑)

「競走馬がそういう扱い(擬人化)されるの、変な時代になったなぁ」

そう苦笑しながらも、どこか楽しそうな父を見ると私はこのジャンルにハマッてよかったのだろう。私はまだまだ知識は浅いし、お金をかける勇気はないけれど今後の大きなレースの予想だけでも一緒に楽しめたらと思っている。

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