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定番が増えていくことで、スタイルになる。

InterFM897で放送されている「BEAMS TOKYO CULTURE STORY」、モデルのEmmaさんがゲスト出演した10月放送回が面白かった。

2020年10月、放送時間を新たに、リスナー、ゲスト共に未来のカルチャーを創造するクリエイションプログラムにリニューアル。
「テクノロジー」「教育」「食」「アート」「音楽」「スポーツ」「ビジネス」などとソーシャルに結びつく様々なジャンルのイノベーターが登場。
ファッションを通して文化を創ってきたカルチャーショップBEAMSがラジオで描く未来とは?BEAMS発 未来系ラジオ、はじまります。
(InterFM897「BEAMS TOKYO CULTURE STORY」より引用)

クリエイティブ業界の第一線で活躍するゲストが数多く出演する番組だ。

BEAMSでコミュニケーション・ディレクターを務める土井地博さんが、彼らの魅力を引き出し、いつも新しい「視点」をリスナーに提供してくれる。

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3週にわたり放送されていた中で、終わりに差し掛かろうとしたとき、「定番とスタイル」の話題になった。

僕の中でぼんやり考えていたことが不意に言語化されて、慌てて二人の会話をEvernoteに文字起こしした。

土井地「(最近になって)自分が好きなものだったり定番なものっていうのがだいぶ見えてきたと話もありましたけど、まだ20代ですよね、今後もっともっといろんな人に会って、いろんなものを見ていくと、定番っていうものを多く多く見つけていくという楽しみがありますよね

Emma「定番が増えていく方が良いですよね」

土井地「スタイルが変わるというのはもちろんあると思いますけど、定番っていうものを持っていると、そのもの以上の価値とか歴史があったりとかデザイン的に美しいとか、それが唯一無二で他には真似できない存在だとか(が分かるようになる)。そういうブランド、そういうふうに(BEAMSが)なりたいなと思っちゃいますけどね」

Emma「自分の定番が増えていくと、それがスタイルになっていくじゃないですか。そういう風に、色んな世代の方がファッションを楽しんでもらったら嬉しいですよね」
InterFM897「BEAMS TOKYO CULTURE STORY」#158-3 Emmaさん(モデル)放送回より引用、太字は私)

似たような言い換えをすると「引き出し」や「経験値」が該当しそうだが、僕は、定番=物事のベースだと解釈している。

引き出しを増やすということではなく、もっと地に足のついたもの。経験を経て新たに得た視点だったり、気付きをきっかけに深めた学びだったり。

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僕が20代の頃、豊かなスタイルを持っている人によく出会った。彼らは自分の言葉を持っていたし、仕事における方法論を確立していた。彼らのアウトプットは輝いていた。そんな憧憬を心に宿せたことは、僕にとって大きな財産になっている

彼らのスタイルはそれぞれ異なるものだが、振り返ると、いくつかの共通項が見えてくる。

僕が感じた共通項は「真摯さ」「柔軟性」「Connect the Dots」「本質」「品格と人格」だ。それぞれを学び(真似び)、自分の定番に加えようと努めてきた人生だったように思う。(※あくまで前記した共通項は、僕にとってのもので、正解ではない)

ただもちろん、それらの共通項ばかりを追い求めているわけではない。全く別のレイヤーで「家族」「SFCでの学び」「読書」「ランニング」「村上春樹」なども、間違いなく僕を形作っている要素だ。

これらがMIXされたものが(未熟な部分も含めて)、結局のところ、僕のスタイルになっている。スタイルというほど立派なものではないかもしれない。

振り子のように揺れ、具体と抽象を行き来しながら、かろうじてアウトプットを繰り返す日々。それが許される環境に感謝をしながら、また今日も何かの / 誰かの役に立っていたい。

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