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ボイストランスレーションは日本文化発信のブレイクスルーになるかもしれない。

ブレイクスルーが生まれたかもしれません。

ディープフェイクなど、AI絡みのネガティブなニュースも耳にするようになりましたが、やはり世の中を変えるポテンシャルは相当に高いでしょうね。

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ロンドンを拠点とする機械学習スタートアップ・Papercupは、動画コンテンツを多言語で視聴可能にする「ボイストランスレーションサービス」を展開している。

以下動画を比較してほしい。
(上:オリジナルの英語版、下:スペイン語に自動生成された動画)

やりたいことは理解できる。
だが、ぶっちゃけ、現時点の精度は低い。(むしろ音声がついている方が違和感を覚える)

ただ、これはおそらく時間の問題で、機械学習を積めば積むほど、その人にマッチした声質でのボイストランスレーションが可能になるだろう。人が想像できることは,必ず人が実現できる

機械学習に精通したエンジニアは少ないものの、この分野の開発ニーズは日に日に高まっているため、Papercup社だけでなく、今後も類似サービスが生まれていくはずだ。

BRIDGEの記事にも書かれている通り、商品を多言語展開する事業主だけでなく、個人で発信しているクリエイターにとっても歓迎すべき動きだ。

特に日本の場合、英語力に課題がある人は多く、どうしてもコンテンツが国内向けに留まってしまいがちだ。これは本当にもったいなくて、日本の文化を発信する機会を逸してしまう。(個人でPodcastを運営している人から、テレビで活躍しYouTubeも始めたお笑い芸人など、「気付かれていない」ことで幅広い層が機会損失している

ネイティブな発音による吹き替えを行なった方が、当然のことながら質は高くなる。だが予算多寡に関係なく、発信のスピードが求められる企画であれば、AIを使ったボイストランスレーションの方が効果は見込めるだろう。

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なおPapercupの利用料は1分20ドル。一定の視聴数(1ヶ月で1,000万PV以上)が見込める場合はレベニューシェアも選択できる。

導入ハードルは高いが、こちらも次第に安価になっていくはずだ。

個人的には、海外のスタートアップだけでなく、日本国内のスタートアップにも挑戦してほしい分野だ。それは事業性が高い / 低い関係なく、前述した通り、社会的な意義が高いからだ。

英語から、ドイツ語、フランス語、スペイン語などヨーロッパ等で使われる言語への自動翻訳は、言語的特徴に共通点が多いため、比較的実施しやすいだろう。日本語などアジア圏の言語の場合、どうしても開発の難易度から先延ばしにされることも予想される。

首を長くして、この類のプロダクトを待つ人たちは日本国内にも大勢いるはずで。技術力に自信のあるスタートアップの皆さんに、ぜひ挑戦してほしい分野だ。

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