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あなたはハンマーヘッド・シャークを飼いたいと思いますか?(私小説が不発に終わった経緯や雑感)

タイトルとはちょっと外れますが、まもなく僕がnoteに初投稿から1年が経過します。

アカウント登録だけはしていました。
TwitterやFacebook経由で流れている記事はnoteだったこともあり、もともと注目していて、ブログと同じような使い方ができるかなと思ったのが投稿するきっかけでした。
だから実感するわけではないのだけれど、ここ1年くらいでnoteの存在価値は急速に高まったように思う。クリエイティヴに携わる人だけでなく、むしろ、ビジネスパーソンとして名を馳せた人たちが続々とnoteに進出しているのが大きいのかなと。
日本はなんだかんだ、学生を除けば、世の中の多くが「ビジネス」を主戦場にしている。ビジネス関連の話題には事欠かない。
性急な結論かもしれないけれど、ビジネス抜きにメインストリームにサービスが昇りつめることはちょっと難しいのかもしれない。(Netflixなど、よほどコンテンツに勝機があることを別にして)

1年前に書いた小説が「不発」に終わり、ようやく学んだ不都合な真実

noteはもうちょっと、小説を書いている一人の人間としての自分のことを、何か色々書き足していければ良いかなと思ってます。
わりと無意識で書いているので、言語化はとても難しそうですが。
初回の投稿記事より

なんてことを書いたけど、ちっとも小説を書いている一人の人間らしきことは書けていない。
正直書こうとも思えなかったのは、前作『カメラトーク、セッション』が不評だったからだ。作家として何のポジションにも至っていない人間が書く「作家についてのエッセイ」など誰が読むのかという話だ。1年前の自分はもっと自分を過信していたし、そんな自分を通して書かれた文章にもそれなりの需要があると思っていた

前段で「不評」という言葉を使ったけれど、ぶっちゃけ、不評でも何でもない。評判 / 不評に至ることさえママならなかったということだ。「不発」という言葉の方が似合いだ。

もちろんコンテンツがしょぼくて、不発に終わった可能性もある。
ビジネスでも、プロダクトがしょぼかったら、いくらプロモーションしても全然意味がない。実際に僕の小説は小難しいフレーズもたくさん出てくるし、ダウンロードしてくれた友人も「最初の8ページで離脱した」という感想を送ってくれた。端的に小説がつまらなかった、才能がなかったと結論づけるにはそこそこ正当な理由のようにも思える。

だけど僕は身勝手なことに、世の中に気付かれなかったことを原因と捉えている。だってそうだろう、僕の小説がつまらないはずないじゃないか!

というのはジョークだとしても。
古典的なマーケティングのセオリーに準ずると、AIDA(認知→関心→欲求→行動・購買)という流れになる。つまり売れる / 売れない を検証する前に「認知」を獲得する術を僕がどれくらい取れたのかということだ。
残念ながら、僕はApple Storeという巨大なマーケットに「勝機」を一任したことになる。前々作『星とビール』がそこそこダウンロードされたのがマグレや強運だったことに目を背け、積極的に「売り」出すことをしなかった。

SNSでの周知は焼け石に水。
というか、時すでに遅し。

物珍しさにダウンロードしてくれた方はいたようだけど(なんせ無料なので)、お布施のようなもので、熱烈に関心を寄せてくれた方は殆どいなかった。というか、そんな風に望むこと自体がおこがましい。
「犬や猫を飼いたい」と思う人に犬や猫を指し示したら関心を持ってくれるかもしれない。けれど「ハンマーヘッド・シャークを飼いたい」と思う人がいないのに、ハンマーヘッド・シャークどうですか?と薦めても好ましい結果は望めまい。(ハンマーヘッド・シャーク、俺はちょっと飼ってみたいけどね

「ハンマーヘッド・シャークの布教に懸命になる」それが僕の結論だ。

このnoteを書き出したとき、タイトルは「note初投稿から1年〜noteでマガジン機能を始めた経緯と雑感〜」というものだった。
書き出してから1年をざっと振り返ってみたときに、作家としての自分を省みたら「悔恨」の思いしかなくて。当初書こうと思っていた文章よりも断然熱量を帯びてしまった。ベタな言い方になるけど、深夜に書いたラヴ・レターみたいな感じに。

端的に言うと、自分の小説をもっと世間に売り込むことが自分の課題。
それに至るビジネス・プロセスを精査して、効果的な方法をトライ&エラーしていくということだ。仕事と何ら変わりない。
村上春樹みたいに、名前で小説が売れることはないんだから、もっとがむしゃらに働きかけないとダメなんだという当たり前の結論に。

でも、なんかちょっとダサい気がするから。
なので作家としての一連のマーケティング活動を、「ハンマーヘッド・シャーク☆ペット大作戦」と象徴してみたいと思う。
ハンマーヘッド・シャークなんて誰も飼わない…という厳然たる事実はあるのかもしれない。けれど世の中にはトカゲやヘビ、サソリや豚をペットとして飼育している人もいる。(文脈はちょっと違うけど)蚊4,000匹と同居している高校生だっている。

それが、勝機の根拠だ。
グラグラでアマアマかもしれないけれど、なんかやれそうな気がする〜。

まじめなはなし。
「ハンマーヘッド・シャーク、俺はちょっと飼ってみたい」と思える自分のクレイジーな部分が、ぎゅうぎゅうに詰まった小説をこれからも書いていきたいし、それがあなたの手に届くことを絶対に諦めない。
「ハンマーヘッド・シャーク、飼ってみたらマジ最悪」というリツイートが拡散された世界を想像してほしい。食われて命の危険に晒されてしまっている可哀想な人間に同情する気持ちもなくはないが、なんかちょっと面白い気がしませんか?何やってんの?って思いませんか?

ということで、まずは布教活動を全力で行なっていきたいと思う次第です。
後半ぜんぶメタファーになって分かりづらいですよね。ごめんなさい。でもたぶんこれが、「ハンマーヘッド・シャーク☆ペット大作戦」の肝なんだと思います。

noteリリースしてからの補足

上記のように書くと、「できるだけ多くの人に届けること」を目標に掲げているように思われるかと思います。メジャーなパブリッシャーだったらまだしも、個人発の作家としては、「適切な少数の人たちに深く届けること」を目指した方が良いことはセオリーであることに異論を唱えるのは難しいでしょう。

基本的には同意します。
ですが、「ハンマーヘッド・シャーク☆ペット大作戦」は、「できるだけ多くの人に届いちゃった」というアクシデンタルな状況も目指せたらなと思ってます。
ハンマーヘッド・シャークにはめちゃんこな魅力が詰まっていると思うから。

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