選挙演説に、足を運ぶこと
参院選の投開票が行なわれる前日(つまり、今日のことだ)、立憲民主党の蓮舫さんの街頭演説会に足を運んだ。
前日に安倍さんが亡くなったことも踏まえて話もしていた。故人への思いを口にしたその姿は、もう二度と国会で議論できないことを心から悔しく思っているようだった。メディアの見出しでは「政敵」といった見出しが踊ることも多い。明らかにそれはミスリードであり、メディアで語られないところでのストーリーが存在することを実感することができた。(もちろん、それは蓮舫さんの立場からのストーリーなわけだが)
とにかく、蓮舫さんの演説には圧倒された。
3期18年で、蓮舫さんが社会のバッシングを恐れずに、国会でなすべき仕事を果たしてきた。「野党は批判ばかり」という批判に対して、
・そもそも与党ができていないことをきちんと批判するのが野党の仕事だ
・批判だけでなく、立憲民主党は対案をしっかりと提示している
ということを、力強く語っていた。それを迫力とよんでいいのかは分からないけれど、とにかく僕の胸を強く打つ内容だった。
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情報社会だ。「足を運ぶ」必要があるとはいえ、全ての候補者の演説に立ち会うことはできない。
今回僕は、
・れいわ:山本さん
・共産:山添さん
・自民:朝日さん
・国民民主:玉木さん
・維新:海老沢さん
・立憲民主:蓮舫さん
の演説を聴いた。(乙武さんの演説も聴きたかったのだが、街頭挨拶だけで演説がないときに立ち寄ってしまった。荒木さん、松尾さんはタイミング合わず残念……)
SNSでは「インターネットがある時代に、選挙演説する必要なんてあるのか」なんて声があったけれど、お金や手間がかかるとはいえ、絶対に必要な政治活動だと確信した。
自分の目で、候補者の思いを聞かないことには、何も始まらない。
例えば僕は、日本維新の会に関しては全く支持していない。3年前の参院選では、東京選挙区において音喜多さんが議席を獲得したが、その1議席が東京の命運を分けてしまったなと痛感している。だが海老沢さんの演説は、なかなかに真摯なものだった。幹事長の藤田さんの応援演説はひどいもの(大阪での教育費のことだったり、安全保障に関することだったり)だったが、海老沢さんは子どもの教育のことを中心に語られており、「ああ、そこに問題意識を感じている方なんだな」ということが分かった。応援演説の声を全く引き継いでいないという面では実にちぐはぐだったけれど、演説を聴くことによって分かることというのは確かにあるのだ。
山本太郎さんの印象も変わった。2012年に、山本さんは衆院選に立候補した。次点で落選したが、翌年の参院選に初当選を果たす。だが僕は「変な人が東京をかき乱しているな」と懐疑的だった。だが、今回乙武さんが無所属で立候補したのと比較して、「ああ、覚悟が違うな」という印象を受けた。別に乙武さんの覚悟がないと言いたいわけではない。しかし山本さんは10年間で政党を形にして、国政選挙のたびに複数の議席を獲得するほどの信頼を得ることができた。僕はまだ乙武さんを疑っている。良さそうなことを言っているが、今回落選したら「あのときは〜〜を思っていたんですよ」なんて言いながら、政治コメンテーターとして仕事にしちゃうんじゃないかという。そういう器用さが見えるような気がして、信頼できないのだ。(かなりの主観が入っているが)そういった覚悟の差は、選挙演説でも感じられるのだ。
自民党から2期目を目指す、朝日さんは、控えめにいってひどい演説だった。応援演説が石原宏高さんだったのだが、ふたりして何を言っているのか分からない。ただ、今回の選挙では自民党がトップ当選を果たすと言われている。今回は言及していないが、共産党の山添さんも力強い演説だったわけで、海老沢さん、山本さん、山添さんを差し置いて、自民党のふたりが当選してしまうのは、なかなか日本にとってマイナスなんじゃないだろうか。
生稲さんの演説は見ていないのでフェアじゃないが、朝日さんの演説を聴いたことで初めて、その実感を得ることができたのだ。
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選挙演説に、足を運んで良かった。
少しは、政治感覚のようなものを得られたような気がする。
もちろん、全て僕の主観である。でも、全ての判断は、個人の主観を大きくは逸脱しない。だったら、自分の価値観、主観を育てていくしかない。
そういう意味で、今回の参院選、僕なりに足を運べたのはすごく良い経験だったと思う。そんなことを、ざっと雑記として残しておきます。
こちらのnoteも参考までに。
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