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先輩たちからのボールを繋げる本の刊行に寄せて

今日は共著『STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか』の記念すべき発売日です。構想から約2年強。漸く刊行の日の目を見ることができました。時間かけすぎちゃいました。

今日のnoteでは本書を書いた経緯や、本書にこめる思いなどをご紹介したいと思います。

1.経緯について

Code Republicというアクセラレータープログラムを、シードVCのEast VenturesとYJキャピタルで共同で2016年8月から運用しています。

Code Republicでは米国のY Combinatorを真似て、ゲストディナーというイベントを隔週で開催していました。業界を代表する先輩(East VenturesとYJキャピタルの支援先の中で、IPOやM&AでExitした起業家)を呼んで、ピザをつつきながら起業したての頃にどうやって困難を乗り越えたかお話を聞く会でした。このイベントには本当に多くの起業家の方にお越しいただき、クローズドイベントだから話せるぶっちゃけ話をたくさんしてもらいました。

先輩起業家たちの優しさに甘えてばっかりいました。ゲストディナーで聞く話はどれも刺激的で本当に面白かったです。しかし、この話を埋もれさせてはもったいない、ってずっと思っていました。

ゲストディナーも20回ぐらい実施した後に書籍化に向けた動きが加速します。あれは2018年3月1日のことでした。アクセラレーターとして2016年から始めたものの、思うように企業の採択が進んでいなかったことから、プログラムの見直しや新施策について喧々諤々と議論していました。世界を代表するアクセラレーターのY Combinatorと比較して自分たちの何が劣っているのか、みたいなことを議論していたと思います。

ベンチャーキャピタルやアクセラレーターの付加価値とは何か。それは成功している起業家のネットワークが一番だね、という話をしていました。キャピタリスト個人の力量よりも(結局、事業は起業家が推進するので)、大事なのはコミュニティの中で起業家同士がお互いに学び合い・教え合うことだよね、という話をしていました。

そこで、私が「ゲストディナーの経験談をまとめて、これから起業を志す人達にケーススタディを教える取り組みをしてみない?」と提案しました。

すると、East Venturesの衛藤バタラさんが「堀さん、それいいよ!それ、本にしようよ」とすぐさまアイディアを進化させてくれました。(この辺のくだりは本書の「はじめに」にでも触れさせていただいてます)

そうはいっても、私は本を書いた経験が無いのと、数多くの起業家のケーススタディを一人でまとめ上げる自信がこれっぽっちも無かったので、その場で会ったこともない慶應義塾大学の琴坂先生にDMを送り書籍化を相談するアポ依頼をしました(笑)

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二つ返事で琴坂先生は書籍化PJに協力してくれることになりました。(上記のメッセージにあるように、書籍化に先立ち、集めたケーススタディを学生向けに講義を行っていました)

FacebookやAmazonの話は遠い感じがする。日本の起業家を見ても孫さん、三木谷さんも年齢的に遠い印象がある。もっと身近な起業家で、これから起業する人にとって役立つノウハウを一冊にまとめたい。

そんなことをモヤモヤと毎日考えていた際、シリコンバレーから珍しいお客さんがヤフーのオフィスに遊びに来てくれました。『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』の著者・シバタナオキさんです。

ベストセラー作家の先輩に、本の企画を相談したところ、「堀さん、それは日本版『Founders at Work』ですね」とアドバイスしてくれました。お恥ずかしながらビジネス本を普段から読まない私はFounders at Workを存じ上げず(これまた名著なのでみなさんお読み下さい)、慌てて購入しました。

Founders at Workの読後、アイディアが閃きました。起業家のエピソードから起業家が何を考え、どう行動したのか体系的にまとめることで、これから起業を志す人の一助にしたいという思いがこみ上げてきました。

アイディアの見つけ方から、仲間の作り方、プロダクトをどう作り、そしてどうやって成長さえていくのか。また、さらなる成長を実現するために資金をどう調達するのか。シード期に必要なことを豊富な事例をもとにまとめてみました。

書籍化の道はとても険しかったです。本書に登場していただく起業家の選定、起業家の過去記事(プレスリリース、ニュース、ブログ等)の検索、インタビュー設計、インタビューのアポ取り、インタビュー実施、文字起こしと膨大な工数が発生しました。琴坂研究室の学生の皆さんの協力なくしては完遂できませんでした。

また、当初8人ぐらいを想定していた起業家も、あれよあれよとどんどん追加して最終的には総勢17名にご登場いただくことになりました。あの人の話も聞いてみたい。あの人もどうだろう。チーム作りについてはあの人に聞いたほうが良い。グロースハックについてもう一人聞いてみたい。と、知りたいことが山ほど出てきてボリュームがどんどん膨らんでしまいました。仕事を増やしてしまい申し訳ございませんでした。きっと読者は喜んでくれるはず(笑)

2.本書に快く協力してくださった起業家のみなさん

(順不同・敬称略・現在は退任している場合も含む)
赤川隼一 (Mirrativ)
赤坂優(Pairs)
有安伸宏(サイタ)
庵原保文(Yappli)
梅田優祐 (SPEEDA)
倉富佑也(ココン)
山田進太郎・小泉文明(メルカリ)
佐藤裕介(hey、フリークアウト)
鶴岡裕太 (BASE)
中川綾太郎 (MERY)
福島良典 (グノシー)
古川健介(nanapi)
堀井翔太(フリル)
堀江裕介 (クラシル)
松本恭攝 (ラクスル)
南壮一郎 (ビジョナル)

みなさん、本当にめちゃんこ忙しいのに、インタビュー・原稿チェック・オンラインイベント登壇(これからの人もw)と何度も何度も協力してくれてありがとうございました。もう一度書きます。本当にありがとうございました。

3.こめる思い

僕は今、YJキャピタルの代表をやらせて頂いてます。今回、こうして名だたる起業家の皆さんにお声がけし、協力してもらえたのは僕一人の力ではないです。ヤフーという看板はあるし、投資家という立場もあります。何より大きいのは、川邊さん・小澤さん・宮澤さんを始めとするヤフーのみなさん、ベンチャーキャピタル業界を引っ張ってこられたVC業界の重鎮の方々(紹介略w)。こうしたみなさん方が紹介してくれた人脈が全てです。

しかも、ずっと借りてばっかりでお返しの一つも何も出来ないまま今日までのらりくらりと過ごしてきてしまいました。僕ができる恩返しって何だろう?仕事でパフォーマンス出すことはもちろんですが、それと同じかもっと大事なことがあるんじゃないだろうか。それは、お世話になったものをしっかりと形にして、次の人たちにしっかりと伝えていくことなんじゃないか、って思いました。本書を通じて、一人でも多くの方にとって起業や新規事業立ち上げのヒントに繋がれば幸いです。

また、これから会社の承認を取りますが、YJキャピタルで受け取る印税の一部については下記の団体に寄付することにしました。詳細については別途noteで紹介させてください。

つらつらと長文を書いてしまいました。今回、伝えたいこと・教えてもらったことは全力で本書にぶっ込みました。もう次はしばらく書きません(笑)

日本から一人でも多くの優れた起業家が生まれてきて欲しいです。そして、今回インタビューに協力してくれた起業家のみなさんに感謝の気持ちを伝えるのと同時にさらなる成功を祈ってます。

4.本文の一部を無料公開!

本書の「はじめに」と第1章「アイディアを見つける」前半部の全文を公開しました。以下のリンクからご覧いただけると幸いです。

5.購入はこちらから

【おまけ1】

本書の発売を記念して、本書に登場する起業家をゲストに招いたオンラインライブイベントを開催しています。詳細はこちらのnoteをご覧ください!

【おまけ2】

このとんでもない無茶な企画に最後まで根気強く付き合ってくれたNewsPicksパブリッシングの井上慎平編集長、本当にありがとうございました。

【おまけ3】

読後の感想、レビュー、フィードバックなどお待ちしています。

ハッシュタグ「#STARTUP本」にてお待ちしています!




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