独白 ホリプロ会長のエンタメ遍歴

この6月に株式会社ホリプロの社長を退任して、持株会社ホリプログループグループホールディングスの社長CEOに専念し、ホリプロをはじめ全てのグループを束ねる「ホリプログループ会長」という立場になった。
だから悠々自適というわけではないが、少し時間の余裕がある時に自分の来し方を残しておこうとnoteで散文をしたためようと思う。

かつてメディアのインタビューを受ける度に、私の紹介として「ミュージカル製作に力を入れている」という前置きが付くことが増えた。演劇に力を入れていることに間違いはないが、そういう意味では音楽にも、お笑いにも、バラエティーにも、デジタルにも均等に力を入れている。
ただたまたま演劇部門の作品が目立っているだけに過ぎないと思う。他がまだ目立っていないだけだ。
目立っているから利益が出るわけでもなく、目立たなくても利益が出ているものもある。

僕の本業は「笑わせること」で、若い頃から首尾一貫変わっていない。観客を泣かせたり、感動させることは意外と単純で、笑わせることの延長線上のおまけのようなもの。全てのエンタテインメントジャンルで笑わせることは、最も困難かつ崇高なことだと思っている。
とはいえ、笑いを解説することは難しいし、僕のSNSのフォロワーの多くが演劇、特にミュージカルのファンが多い事も事実。

なのでこれから、僕が今まで見てきたものを、ミュージカルを中心にして披露していき、その合間にどんなテレビや映画や演芸を見て、音楽やラジオを聴き自分という個性や尺度ができてきたかをお披露目する事で、これからエンタテインメント業界に進もうとしている人の指針になれば良いなと思っている。
その全てに共通していることは、とにかく「数」である。
何本見たか、何曲聴いたか、何人知っているか?それを好きも嫌いもなく接していたことが、今の自分の血肉になっている。
だから、エンタテインメント業界に進もうとする人は、寸暇を惜しまず夥しい数のエンタテインメントに接して欲しい。それに勝るスタートラインはない。

さあ、不定期で申し訳ないが、話を始めよう。

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