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  • KOKKO第56号[第一特集]軍拡と戦争の時代に何ができるのか──沖縄・ガザから考える

    ★定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=13[第一特集]軍拡と戦争の時代に何ができるのか●沖縄・ガザから考える第2次世界大戦中の「国家財政に占める軍事費の比率」は、1944年に85.3%にまで達しています(この比率は社会科教科書を編集している帝国書院の公式サイトに掲載されています)。軍事費以外への国家財政支出はわずか14.7%しかなかったわけで、戦争をすることによる市民の暮らしへの影響の大きさが数字で迫ってきます。いま岸田政権は「わが国を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しくなっている」ことを理由にして、軍拡と日米同盟強化をすすめています。こうした中、米兵による性的暴行事件の隠蔽が沖縄だけでも2023年以降5件、さらに青森、山口、長崎、神奈川などでも発覚しました。日米同盟強化のためには市民の命と安全、女性の尊厳よりも、日米同盟が優先されているのです。そして、ガザでは多くの子ども、女性たちが犠牲になり続けています。第一特集では、軍拡と戦争の時代に何ができるのかを沖縄・ガザから考えます。[第二特集]世界の労働運動と労働者の権利●国際的な連帯で民主主義を守る国公労連は2024年4月から5月にかけて、2つの国際的なとりくみに参加しました。ひとつは5月にアメリカ・シカゴで開催されたレイバーノーツ大会、もうひとつは6月にスイス・ジュネーブでとりくまれたILO要請とフランス・パリでのフランス労働総同盟(CGT)との交流です。本特集では、それぞれの行動の報告を中心に、私たちの職場の課題と世界の労働運動がどのようにつながっているかを考えます。2つのとりくみをコーディネートした全労連の布施国際局長は、本特集への寄稿で、「労働者がその権利を行使することで、労働者の権利と労働組合活動の自由が守られるだけでなく、社会全体の表現の自由などの基本的人権、民主主義が守られるという視点が重要」と述べています。労働者の権利を守り、使い、広げていくことが平和と民主主義の基盤になりますが、そのとりくみのために国際的な連帯がますます重要になっています。目次[第一特集]軍拡と戦争の時代に何ができるのか──沖縄・ガザから考える沖縄の歴史から平和を考える──基地被害は「沖縄だけの問題」ではない仲里孝之 沖縄総合事務局開発建設労働組合(開建労)書記長ガザ虐殺・戦争でなく平和を築くために布施祐仁 フリージャーナリスト岸田内閣の大軍拡は暮らしに何をもたらすか垣内亮 経済財政問題研究者[第二特集]世界の労働運動と労働者の権利公務員の労働基本権問題からみえた世界の労働運動の課題と運動布施恵輔 全労連国際局長労働基本権回復へ向けたILO要請と欧州調査について西口想 国公労連調査政策部労働者たちの高揚感と熱気にあふれたレイバーノーツ大会大門晋平 国公労連中央執行委員[単発]2024年度予算定員の分析国公労連調査政策部[連載]スミレとヒマワリ第20回 都知事選挙からみえたもの白神優理子 弁護士[連載]国家公務員の労働条件Q&A きほんの「き」から第44回 期間業務職員の「3年公募要件」廃止の影響は?国公労連[書評]KOKKOEditor’sBookReview『ケアの倫理』/『家族、この不条理な脚本』KOKKO編集部表紙イラスト オカヤイヅミデザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)本文組版 はあどわあく

    ¥1,540

  • POSSE vol.57(特集:若者の「退職ブーム」は本当なのか?──働き方改革/キャリア形成/ブルシットジョブ)

    ★クレジットカードでの定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=11【2024年7月末より発送開始】【特集】若者の「退職ブーム」は本当なのか?──働き方改革/キャリア形成/ブルシットジョブ古屋星斗×今野晴貴竹信三恵子/中村天江/小澤浩明西谷敏×奥貫妃文×今野晴貴田中洋子×今野晴貴 この春、若者の「退職ブーム」がマスコミを席巻した。退職代行ビジネスを利用して会社を辞める20代の若者が続出し、なかには新卒で入社早々に離職する若者も少なくないというのだ。報道が加熱しているとはいえ、20代の若者が早期に企業を退職する傾向は近年特徴的である。「ブラック企業」の社会化から10年が経つなか、若者の職場、そして若者の意識に何が起きているのだろうか? 「働き方改革」の「反動」で、若者が企業に物足りなさを覚えているという言説まで、まことしやかに語られている。 まず、劣悪な労働条件が依然として横行し、より巧妙にすらなっているという現状があるだろう。また、日本型雇用から変わらない配置転換などの慣行に、キャリア形成の将来が見えないという議論もある。さらには、コロナ禍以降に注目された世界的な現象である、意味の感じられない「ブルシット・ジョブ」への絶望、エッセンシャルワークに象徴される社会的に意味のある仕事への渇望が、日本の若者にも現れているのだろうか。 この潮流に、私たちはどう向き合うべきなのかを多角的に考えたい。【巻頭座談会】『規制が支える自己決定』から20年──いま労働運動の実践から「自己決定」を考える西谷敏(大阪市立大学名誉教授)×奥貫妃文(昭和女子大学教授/東ゼン労組執行委員長)×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)【特集】若者の「退職ブーム」は本当なのか?──働き方改革/キャリア形成/ブルシットジョブ◆対談「ブラック企業」から「ゆるい職場」の時代に変わったのか?──職場を改善させる「退職」以外の方法とは古屋星斗(リクルートワークス研究所主任研究員)×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)◆インタビュー「退職代行サービス」の急増、若者の「早期退職」の背後で何が起きているのか?中村天江(連合総研主幹研究員)◆インタビュー子どもには大学進学よりも「手に職を」?!──低所得層家族の教育戦略の変化小澤浩明(東洋大学社会学部教授)◆座談会「もう働きたくない!」──労働者が「脱出」するための運動を竹信三恵子(ジャーナリスト/和光大学名誉教授)×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)×渡辺寛人(NPO法人POSSE事務局長/本誌編集長)×坂倉昇平(総合サポートユニオン執行委員)【単発】◆対談「エッセンシャルワーカー」という対抗言説を社会運動へ──ドイツの飲食チェーンと日本の現状から考える戦略田中洋子(筑波大学名誉教授)×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)【連載】◆困窮する移民・難民の生存権を求めて第4回 困窮する移民・難民の支援マニュアル(上)──生活保護を中心に大澤優真(つくろい東京ファンド/北関東医療相談会)◆スポーツとブラック企業第18回 スポーツをいくらで楽しむのか問題常見陽平(千葉商科大学准教授)◆父の過労死 会社と闘ってきた10年間第9回 過労死のない社会を作るには──これまでの過労死運動から学び、発展させていく高橋優希◆ラディカル・アメリカトランス・パシフィック・レーバー・ヒストリー第3回篠田 徹(早稲田大学教授)■表紙の写真Low pixel CG「回想プレイリスト2」制作年:2022 素材:ceramicデジタルなイメージを真逆なイメージを持つ陶芸で表現することで、虚と実が入り混じる現代のリアリティーを表現するシリーズ増田敏也(Toshiya Masuda)デジタル陶芸家1977年 大阪府出身HP https://masutoshi117.jimdofree.com/■ブックデザイン末吉亮(図工ファイブ)

    ¥1,540

  • 気候リヴァイアサン──惑星的主権の誕生

    『気候リヴァイアサン──惑星的主権の誕生』ジョエル・ウェインライト、ジェフ・マン 著隅田聡一郎 監訳・解説柏崎正憲、菊地賢、羽島有紀 翻訳ISBN: 978-4-911288-02-3https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784911288023柄谷行人推薦!斎藤幸平推薦!2050年の世界は、ただ今年の暑いバージョンではない。気候変動は気温や雨量だけでなく、この星の政治のあり方も変えてしまうのだ。提唱される「4つの未来」の間で、私たちはどう生きるべきなのか──?人類の未来は、この4つに託された。①気候リヴァイアサン: 地球を管理する中央集権的な権力の出現②気候ビヒモス: 地球温暖化は嘘だと主張するナショナリストの台頭③気候毛沢東: 資本主義を否定する中央集権的な権力の出現④気候X: 上記の黙示録的な世界を逃れうる未知のプロジェクト気候危機という惑星規模の問題を前に、国民国家の主権は揺らぐ。私たちには『人新世の「リヴァイアサン」』が必要であり、それが本書だ。──斎藤幸平

    ¥3,300

  • 不完全な社会をめぐる映画対話──映画について語り始めるために(河野真太郎/西口想)

    不完全な社会をめぐる映画対話──映画について語り始めるために河野 真太郎/西口 想(著)ISBN:978-4-909237-93-4https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909237934【試し読み】ハラスメントがある世界で、いかに作品と向き合うかhttps://note.com/horipub/n/nf32d9b76f04cこんな映画本を待っていた!「陰謀論」、「ハラスメント」、「ケア」、「ミソジニー」、「障害」etc...テーマに沿って、現代映画を社会的な視点で語るスリリングな対談。「好きだった監督がハラスメントで告発されたとき、作品にどう向き合えばよいのか?」「一昔前の作品を見るとジェンダー観に違和感を覚えて楽しめない」等、近年多くの人が直面した問題に寄り添いながら、映画と社会の関係を深く見通す。誰もが感想をSNSで発信し、映画を見ることがコミュニケーションに組み込まれつつある現代で、映画と社会はどのような関係にあるのだろうか?映画を「観る」だけでなく、「語る」ことの比重が増す社会における、新たな地平を描く。●RHYMESTER 宇多丸さん推薦!「社会が変わり、映画も変わった……映画の見方は、変わったか。我々自身を問い直す、鋭くも愉快な対話集。シリーズ化希望!」●取り上げる作品『君たちはどう生きるか』『セッション』『天気の子』『ジョーカー』『パラサイト』『ドライブ・マイ・カー』『プラダを着た悪魔』『万引き家族』『マリッジ・ストーリー』『ドント・ルック・アップ』『バーニング』『カモン カモン』『エイブのキッチンストーリー』『ファントム・スレッド』『アイ・アム・サム』『クレイマー、クレイマー』『シェフ』『SWEET SIXTEEN』『ノマドランド』『コーダ あいのうた』『ケイコ 目を澄ませて』『クルエラ』『メイド・イン・バングラデシュ』『オートクチュール』『ミセス・ハリス、パリへ行く』『幸せのレシピ』『二ツ星の料理人』『ミッドナイトスワン』『スキャンダル』『スタンドアップ』『サンドラの小さな家』 etc...●取り上げるキーワードハラスメント、陰謀論、ケア、男性性、ミソジニー、ネオリベ、#MeToo、トランスジェンダー、マルチバース、障害 etc...●目次まえがき──映画と社会についての短い個人史 西口想【対話1】ハラスメントがある世界で、いかに作品と向き合うかもはやハラスメントの教科書?──『セッション』「ハラスメントを気にしていたらいい作品は生まれない」というメッセージいま見ると気になる描写も多いフェミニズム映画──二〇〇〇年代の代表作『スタンドアップ』社会進出は進んだけれど……──女性たちのリアル監督のハラスメントをどう考えるか?被害者と加害者の訴えは「五分五分」ではない批判がないと、作品が死ぬ──過去の作品をどう評価するか?トランスジェンダー表象の変遷と発展──『トランスジェンダーとハリウッド』かつて批判されたパターンを踏襲する日本のトランス表象──『ミッドナイトスワン』「クリーン」な現場で生まれる作品はつまらない?コラム ミーガン・トゥーイーの悪夢 西口想【対話2】「シャカイ」を描くセカイ系──新海誠作品を読み解く新海作品で描かれる感性的なものキャラクターの背景を描かない「大丈夫」というメッセージの変質バニラトラックを描くことが、社会を描くことなのか村上春樹の男性性と帆高ミソジニーを脱却できない「男の成長物語」コラム セカイとシャカイのあいだで──新海誠と宮﨑駿 河野真太郎【対話3】社会を描くとはどういうことか──ケン・ローチ作品希望のないラストの衝撃ラストに至るまでの「希望」家族しかいないことの絶望ケン・ローチが描いてきた家族時事性に回収されない、ケン・ローチの作家性個人の成功をあえて描かない「ケアラーなのに悪態をついてごめんなさい」ケン・ローチが描く女性と男性ケン・ローチと是枝裕和──作品の違い、社会の違い映画が社会的であるということはどういうことか個人を描くことから始める【対話4】陰謀論は、お好きですか?『ドント・ルック・アップ』と陰謀論陰謀論はどう変化してきたか?陰謀論とキリスト教の切っても切れない関係ネオリベラリズムと大富豪──ハデンとイッシャーウェルヒロイン像の変化──ミソジニー描写を通じて一九九〇年代を代表する陰謀論映画──『ファイト・クラブ』『マトリックス』『アメリカン・サイコ』マルチバースと陰謀論──『マトリックス』とマーベル作品陰謀論にどう立ち向かうか──『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』家族主義的な「愛」に対する違和感さまざまな映画オマージュが持つ意味ありえた可能性のなかで最低の人生映画は常に陰謀論と隣り合う【対話5】それは誰のための映画か──障害と物語障害を扱った感動作──『コーダ あいのうた』感動のために障害者を搾取していないかを考える『コーダ』は誰のための映画か?健常者向け/障害者向けという線引きの先にコミュニティからの離脱をどう描くか──『リトル・ダンサー』と『コーダ』新自由主義下の障害者政策社会がつくりだす障害一般化できない経験にどう向き合うか「私の物語は私のもので、コーダにしかわからない」「ろう者として生まれたかった」は何を意味するのかケアラーをケアするのは誰かコラム 『ケイコ 目を澄ませて』と障害者のワークフェア 河野真太郎【対話6】「当事者」が演じることについて──移民・難民と映画日本で生活する移民たち──『マイスモールランド』世代間トラウマを乗り越える──『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』再び繰り返し主題になってきた世代間トラウマ当事者性と創作の関係悪意なき差別を丁寧に描く「見えていない」が、確かに存在する移民社会社会派映画はなぜ失敗するのか──手法の難しさ当事者が表に立つ重要性と危険性「当事者」とは誰なのか鍵となる概念──インターセクショナリティコラム 現在地としての『ファミリア』 西口想【対話7】ケアと男性性──苦悩する男たちケアと男性性──『ドライブ・マイ・カー』人間の多重性・矛盾を受け入れることホモソーシャリティを切り崩す多声性暴力性が外部化された人物造形イクメンになる男、最初からイクメンの男──『クレイマー、クレイマー』『マリッジ・ストーリー』障害と男性性──『アイ・アム・サム』の障害表象養育権をめぐる法廷闘争──『マリッジ・ストーリー』解決されない暴力性コラム 『カモン カモン』とイクメン物語のゆくえ 河野真太郎【対話8】映画のなかのミソジニー──能力と傷をめぐってポピュラー・フェミニズムとポピュラー・ミソジニー──#MeToo以降のヒット作を読み解くキーワード失われた地位を「取り戻す」物語『ジョーカー』のポピュリズムをどう捉えるか?原作にはなかった階級性、地域性を織り込む映画たち「格差」に比べて、あまり意識されない「階級」弱者男性にとっての父親──『ジョーカー』『バーニング』いまさら父を越えている場合じゃない──『パラサイト』の親子関係メリトクラシー社会が崩壊した先の女性たち【対話9】ファッションを通じて何を描く?映画に衣装は欠かせない「お針子」映画とブランド創業者の映画ポストフェミニズム映画の重要作品──『プラダを着た悪魔』『プラダを着た悪魔』を上書きする『クルエラ』女性ヴィランの暴力をどう描くか?仲良く過ごすために毒を盛る?──『ファントム・スレッド』ファスト・ファッションの時代に映画は何を描くか?コラム 「透明人間」の夢 西口想【対話10】おいしい映画──ジェンダー・料理・労働さまざまな文脈が託される「料理」のシーン2つの類型──「シェフ」の物語と「料理研究家」の物語料理の過程を見せる作品/出来上がった皿を見せる作品料理の描写と性描写の重なり料理とジェンダー──求められる男性像の変化不完全な人間でよい、という提案主婦とバリキャリ女性の対比半径五メートルの世界を快適に整える現代性レシピを介して、目の前にいない誰かとつながってゆくレシピと「コモン・カルチャー」【対話11】 住むこと、住まいを失うことケン・ローチのエッセンスを継ぐ作品──『サンドラの小さな家』生活の基盤としての「家」を問う偶然でしかつながれない?──階級コミュニティなき時代のコミュニティケン・ローチが描く「家」の意味──『SWEETSIXTEEN』金融危機で消失した家とコミュニティ──『ノマドランド』公共・福祉の稀薄さから見えるアメリカ社会家の獲得に紐づいた男性像と、女性のセキュリティ人間にとって「家」とは何か、「老い」とは何か──『ミナリ』『ファーザー』「働き続ける主体」という幻想コミュニケーションとしての映画──あとがきにかえて 河野真太郎●前書きなど私たちの対話は断続的に四年以上続いた。その過程で得たのは、思いのほかシンプルな楽しさだった。観た映画の面白さやつまらなさを何とかして言語化して、信頼する相手に伝え、私の感想とは違う反応が返ってくること。一つの作品から受け取ったさまざまな側面について、表面的な筋書きを超えて話し合い、対話するなかでもう一度作品の形をなぞって作り直していくこと。対話を通じて、話すテーマだけでなく、話すこと自体が共同体や社会的なものと触れる行為であるように感じた。本書を手にとってくれたあなたがこの対話から面白さやつまらなさを感じ、語られている内容とは別のことを考えて言葉を見つけ、信頼する誰かに伝えてくれたらとても嬉しい。その繰り返しによって映画と社会はつながりを取り戻し、豊かになっていくのではないか。──西口想「まえがき」より●制作装丁・本文デザイン:森敬太(合同会社 飛ぶ教室)印 刷:創栄図書印刷株式会社●著者プロフィール河野 真太郎 (著/文)1974年山口県生まれ。専門は英文学、イギリスの文化と社会。専修大学国際コミュニケーション学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。一橋大学准教授などを経て現職。著書に、『戦う姫、働く少女』(堀之内出版、現在ちくま文庫化)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)等多数。西口 想 (著/文)1984年東京都生まれ。文筆家、労働団体職員。大学卒業後、テレビ番組制作会社勤務を経て現職。著書に『なぜオフィスでラブなのか』(堀之内出版)がある。

    ¥2,640

  • 声なきものの声を聴く──ランシエールと解放する美学

    鈴木 亘 (著/文)https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909237941“声を持たないとされてきた者の声を聞こえるようにし、不可視とされてきた者を可視的にし、能力を持たないとされてきたものの能力を主張する。それこそが政治なのだ──”本書ではフランス現代思想の重鎮、ジャック・ランシエールの美学・芸術思想を扱う。だが、取り上げるのはランシエールだけではない。ドゥルーズ、ブルデュー、カント、リオタール、グリーンバーグ、フローベールらを手がかりに、現代思想のあり方そのものを問い、日常生活のなかに息づく美や感性を見つめ直す。若き俊英による待望の芸術論。【第4回東京大学而立賞 受賞作!】────────◉目次第一章 ランシエールとモダニズム/ポストモダニズム第二章 シラー『美的教育書簡』を再起動する──《ルドヴィシのユーノー》と「宙吊り」の作用第三章 崇高から美へ──ランシエールとリオタール第四章 『哲学者とその貧者たち』の美学思想――ブルデューに抗してカントを擁護する第五章 詩人の地位変化──ランシエールにおけるマラルメ第六章 エクリチュールの複数の政治性──フローベール解釈の諸相第七章 ランシエール、ドゥルーズ、自由間接話法

    ¥4,400

  • 残らなかったものを想起する──「あの日」の災害アーカイブ論

    残らなかったものを想起する──「あの日」の災害アーカイブ論高森順子 編ISBN:978-4-909237-92-7【災害のあった「あの日」を、あなたはどう伝えますか?】能登半島地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災、御嶽山噴火……巨大災害が頻発するこの国では、防災、減災、命の大切さといった「残すべき目的」を掲げた「アーカイブ」が作られ続けています。しかし、そこで残すべきとされるものは、ほんのひと握りでしかありません。私たちはもっと豊かなものを、もっと多様な手法で、留めたり、取り戻したりすることができるのではないでしょうか。本書では、現場の偶然性をとりこみながら「残らなかったもの」への想起の回路を開こうとするユニークな15のメディア実践を紹介。あなたにとっての「災害」、そして「アーカイブ」のイメージを大きく変える実践がここにあります。語り復元模型被災写真報道写真育児日記絵画手記集朗読展覧会記念式典災害遺構文化施設映像美術館演劇 etc……災害は私たちからすべてを奪うわけではない。被災地に目を凝らせば、「あの日」以前に確かにあったものの痕跡がある。災害によって大きく変化した世界で、「残らなかったもの」の痕跡としての「残ったもの」は、過去と地続きのものとして人々を引き寄せ、かつてを辿るための寄す処となる。「残ったもの」に引き寄せられた人々は、自らの意志でもって「あの日」を境に失われたものを想像しようと手探りするだろう。一方、「残ったもの」を目の前にして、「残らなかったもの」の不在の重みに怯み、逡巡し、想起への回路を閉ざしてしまう人々もいるだろう。被災地の「残ったもの」をめぐる現場には、想起という行為を惹起しつつ、同時に、抑圧するという、いわば想起の「引力」と「斥力」がはたらいている。本書のねらいは、このような想起をめぐる「引力」と「斥力」のはたらく場において、そこに何らかのアクションを起こしたり、アクションが起きた現場をつぶさに見つめてきた執筆陣を集め、彼らが取り扱うアクションをまずもって「災害アーカイブ」として見立てることで、現場に根差した災害アーカイブ論の出発点をつくることである。じっさい、本書の執筆陣のなかには、結果的に、アクションが予期せぬかたちで「災害アーカイブ」として機能したと考察する者や、アクションを「災害アーカイブ」として捉え直すことで、その特異性に普遍的な知を見出した者もいる。言い換えれば、本書は、想起をめぐるアクションを「語り」、「写真」、「絵画」などのメディアごとにまずは並べてみることで、「残ったもの」から「残らなかったもの」を想起するという「災害アーカイブ」のねじれた営みをパフォーマティブに検討する企図のもとにつくられた。(「はじめに」より)▼「おわりに」を公開中!https://note.com/horipub/n/nd3c4d466a9a0【目 次】●はじめに実践知としての災害アーカイブ高森順子【第Ⅰ部】「あの⽇」以前の暮らしへの回路を創造する●第1章語り──被災の「前」について語ること⽮守克也・杉山高志●第2章復元模型──「あの日」より前の風景、街並み、そこでの記憶を復元する磯村和樹・槻橋 修●第3章被災写真──予期せぬアーカイブとしての溝口佑爾●column 01「わたし」を主語にする──育児日記の再読をとおした震災経験の継承の試み松本 篤【第Ⅱ部】「あの⽇」への想起のダイナミクス─モノを創造する●第4章報道写真──御嶽山噴火の新聞報道にみる記録のポリフォニー林田 新●第5章絵画──関東大震災における美術家の表現活動武居利史●第6章手記集──「読む」まえに「ある」ものとして高森順子●column 02応答のアーカイブ─東日本大震災から「10年目の手記」佐藤李青●column 03展覧会というメディアの可能性(1)─「3・11とアーティスト:進行形の記録」竹久 侑【第Ⅲ部】「あの⽇」への想起のダイナミクス──場を創造する●第7章記念式典──災害を社会はいかに記憶するか福田 雄●第8章災害遺構──何を残し、何を伝えるのか林 勲男●第9章文化施設──わすれン!アンダーグラウンド──「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の活動に見る映像メディアの実践と倫理⾨林岳史●第10章映像──断片をつなぎあわせて透かし見る青山太郎●column 04展覧会というメディアの可能性(2)──「3・11とアーティスト:10年目の想像」竹久 侑●column 0512章「カタストロフィの演劇体験」への手引き富田大介【第Ⅳ部】未災者との回路を創造する──実践と研究の「あわい」から●第11章美術館──人の心を動かす主観的記憶の展示⼭内宏泰●第12章演劇──カタストロフィの演劇体験──「『RADIO AM神戸69時間震災報道の記録』リーディング上演」省察富田大介●おわりに高森順子【制作】ブックデザイン 成原亜美(成原デザイン事務所)装画 五月女哲平 “Two doors, two windows”Acrylic on canvas, 130 x 162 cm, 2010撮影 Kei Okano印刷・製本  中央精版印刷株式会社

    ¥2,420

  • POSSE vol.56(特集:春闘をアップデートせよ! 非正規×インフレ危機)

    ★クレジットカードでの定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=11【2024年3月下旬より発送開始】[特集]春闘をアップデートせよ! 非正規×インフレ危機元 連合非正規労働センター長 龍井葉二全労連事務局長 黒澤幸一木下武男/篠田徹/今野晴貴物価高騰が止まらないなか、改めて「春闘」が注目されている。しかし、日本の労働組合の代名詞となってきたはずの春闘は、かつての姿から大きく変わってしまっている。政府が経営者に賃上げを要請する「官製春闘」が定着してすでに10年が経過し、大企業からは続々と「大幅な賃上げ」が発表されている。なかには組合の要求を待たずに早々にベースアップがリークされたり、組合要求を上回る数字を発表したりする大手企業も相次いでいる。春闘を主導するのは政治や経営者だと言わんばかりの状況だ。だが、賃上げに非正規雇用労働者の待遇改善は含まれているのだろうか? その額は実質賃金を踏まえても高水準なのだろうか? この賃上げ「ブーム」は持続するのだろうか?いまこそ、春闘によって労働組合が存在意義を発揮すべきときだ。「非正規春闘」のような新たな取り組みも台頭している。本特集では、春闘の歴史的な経緯や背景、アメリカの賃上げストライキの動向、日本の労働市場の現状や非正規春闘の実践を踏まえつつ、春闘をつうじた労働組合の未来を考えていきたい。【特集】春闘をアップデートせよ! 非正規×インフレ危機◆15分でわかる春闘入門本誌編集部◆基調論文春闘とは何だったのか?龍井葉二(元連合非正規労働センター長)◆座談会春闘はいま、無秩序な労働市場に立ち向かえるのか龍井葉二 × 木下武男(労働社会学者・元昭和女子大学教授) × 今野晴貴(POSSE代表)◆インタビュー非正規労働者の賃金が上がらなければ、日本全体の賃金は上がらない黒澤幸一(全労連事務局長)◆インタビュー米国労働組合の大幅賃上げに見る日本の春闘への提言篠田 徹(早稲田大学教授)◆論考今年で2年目を迎えた非正規春闘2023春闘の成果と2024春闘での広がり青木耕太郎(総合サポートユニオン共同代表)◆インタビュー学生アルバイト1人からでも賃上げを実現できる!──非正規春闘とベイシアでの運動の経験から茂木 楓(大学生)【単発】◆台湾の移民運動の再建を目指して前進する現場の取り組み──20周年を迎えた台湾の移民運動の実践から田所真理子ジェイ(NPO法人POSSEスタッフ)【連載】◆社会運動史研究者がスポットワークをやってみて第3回 「日々雇用」と副業のはざまで黒川伊織(神戸大学大学院国際文化学研究科協力研究員)◆困窮する移民・難民の生存権を求めて第3回 「幸運」な難民認定申請者とその後大澤優真(つくろい東京ファンド/北関東医療相談会)◆父の過労死 会社と闘ってきた10年間第8回 過労死・過労自死を防ぐために労働組合ができること高橋優希◆スポーツとブラック企業第17回 スポーツと国籍をめぐって常見陽平(千葉商科大学准教授)■表紙の写真「TOKYO NUDE」虚構の東京を出現させることをコンセプトに、レタッチによって都市の外観を変化させるシリーズ安藤瑠美フォトグラファー・レタッチャー1985年 岡山県出身。2019年 THE REFERENCE ASIA : PHOTO PRIZE優秀作受賞。http://rumiando.comhttps://www.instagram.com/andytrowa/■ブックデザイン末吉亮(図工ファイブ)

    ¥1,540

  • KOKKO第55号[第一特集]マンガでわかる! 仲間づくりの方法

    ★定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=13[第一特集] マンガでわかる! 仲間づくりの方法スポーツの試合に出場して成果をあげるためには、練習・トレーニングを積む必要があります。これと同じで労働組合や社会運動団体において仲間づくりを実際にすすめるためには練習・トレーニングが必要です。そのスポーツの練習・トレーニングを積んだことがまったくない人に対して、そのスポーツの試合に出場せよと言っても無理であるように、仲間づくりの練習・トレーニングも積んだことがない人に向かって「仲間づくりしよう」と言っても無理です。「仲間づくりのために大切なのは対話です。対話を大きく広げよう」と呼びかけるだけでは対話を大きく広げることはできません。仲間づくりのための対話の練習・トレーニングを積む必要があるのです。第一特集では、仲間づくりのために大切な対話の方法をマンガで解説しながら、マンガと連動したYouTube動画も交えて、対話の練習・トレーニングを積んでいく方法を紹介します。[第二特集] 非正規公務員問題を一歩前に進める国や自治体で働く臨時・非常勤職員、いわゆる「非正規公務員」の労働条件の問題は、議会やメディアで取り上げられる機会も増え、社会問題として知られるようになりました。2023年の統計によると、全国で80万人を超える非正規公務員が働いています。4人に3人が女性で、公募による雇用不安や低賃金、ハラスメントなどが深刻です。多くの非正規公務員が、国民・住民のいのちとくらしを直接支える行政窓口やケア・教育などの現場で働いていることから、日本社会の非正規差別とジェンダー差別、脆弱な公務・公共サービスなどが絡み合った問題として認知されています。この間、非正規公務員当事者が声をあげはじめ、労働組合の運動もあって、少しずつ処遇改善が進んでいますが、地域や職場によって温度差があり、まだ大きなうねりとはなっていません。本特集では、これまでの運動の成果を振り返りながら、非正規公務員問題をもう一歩前に進めるために私たち一人ひとりに何ができるのか、あらためて考えます。目次[第一特集] マンガでわかる! 仲間づくりの方法マンガ「仲間づくり講座」で学ぶ対話の手法本誌編集部マンガ「仲間づくり講座」 仲間に共感を広げる伝え方とは? 仲間づくりのための対話とは?〈関係構築編〉 全員参加型の対話の手法とは?〈コーチング編〉[第二特集] 非正規公務員問題を一歩前に進める⾮正規公務員が安⼼して働き続けられる職場・仕事の実現に向けて川村雅則 北海学園⼤学教授国家公務における非常勤職員の制度と課題津川剛 全労働省労働組合書記長非常勤職員から会計年度任用職員へ──自治体非正規労働者として26年曽我友良 自治労連中央執行委員・非正規公共評事務局長非正規教員から見た教育現場の実態柳澤欣吾 全教臨時教職員対策部事務局次長(長野高教組講師再任用職員部副部長)労働組合が勝ちとってきた非常勤職員の労働条件国公労連調査政策部[単発]「国公労連2024年非正規で働く仲間の要求アンケート」結果について国公労連調査政策部[単発]政府の定員管理政策と行政体制をめぐる諸問題──「国民のいのち・くらし、権利をまもるフォーラム」基調報告笹ヶ瀬亮司 国公労連中央執行委員[連載] スミレとヒマワリ 第19回谷間世代から見えるもの──司法予算の貧困白神優理子 弁護士[連載] 国家公務員の労働条件Q&A きほんの「き」から 第43回テレワークの手当について国公労連 [書評]KOKKOEditor’sBookReview『静かな働き方』/『ガザとは何か』KOKKO編集部表紙イラスト オカヤイヅミデザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)本文組版 はあどわあく

    ¥1,540

  • 資本主義リアリズム

    【累計1万部突破!】マーク・フィッシャー(著)、セバスチャン・ブロイ、河南瑠莉(訳)ISBN 978-4-909237-35-4 C0098ポップカルチャーと社会に鋭い光をあて、ヨーロッパで熱狂的な注目を浴びたイギリスの批評家、マーク・フィッシャーの主著、待望の邦訳刊行。2017年に急逝した彼の、「ぼくらの」、言葉とため息、叫びを、未来へ届けるために。目次等、詳細はこちら↓を御覧ください。http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909237354

    ¥2,200

  • アートの力

    天才哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の芸術論!『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)、『新実存主義』(岩波新書)などのベストセラーで知られる著者が、美術の見方を徹底的に考える。◉知識、背景を教える本ではありません!この本がテーマにしているのは、この世界における美術のあり方と、それに向かい合う私たちの態度です。◉美術館での過ごし方が変わります!特定のジャンルや作品ではなく、美術全般に通用する鑑賞態度や思考を掘り下げる本です。知識や経験が豊富でなくても、作品への向き合い方を学べます。◉身近な例が多数登場します!モネの絵画や、デュシャンの泉など有名な作品はもちろん、スター・ウォーズシリーズや、日々目にする太陽の光など、身近な例から美術についてじっくり解説してあります。・デザインとアートの違いは?・アートはどうしてこれほど強力な力を持つに至ったのか?・アートの価値は何で決まるのか?・なぜ、アートは人類の起源だといえるのか?さまざまな疑問に答えつつ、美術の持つ力の根源に迫る一冊。────────マルクス・ガブリエル1980年生まれ。2009年に29歳でドイツ史上最年少の哲学正教授に就任以降、ボン大学で認識論、近現代哲学講座を担当し、国際哲学センターの所長を務める。『なぜ世界は存在しないのか』『「私」は脳ではない――21世紀のための精神の哲学』『新実存主義』など著書多数。

    ¥2,420

  • 【セール販売】『地域アート』

    目次はじめに◆藤田直哉 前衛のゾンビたち――地域アートの諸問題◆星野太×藤田直哉 まちづくりと「地域アート」――「関係性の美学」の日本的文脈◆加治屋健司 地域に展開する日本のアートプロジェクト――歴史的背景とグローバルな文脈◆田中功起×遠藤水城×藤田直哉 「地域アート」のその先の芸術――美術の公共性とは何か◆清水知子 Shall We “Ghost Dance”? ――ポスト代表制時代の芸術◆藤井光×藤田直哉 エステティック・コンディション――美学をかこむ政治や制度◆北田暁大 「開かれる」のではなく「閉じられているがゆえに開かれている」――社会とアート◆会田誠×藤田直哉 地域アートは現代美術家の〝役得〞――アーティストは欲張りになれ◆じゃぽにか(有賀慎吾・村山悟郎)×佐塚真啓×藤田直哉 日常化したメタ・コンテクスト闘争――「誰でもデュシャン」の時代にどう芸術を成立させるか?あとがき【セール販売商品】基本的に帯はなく、カバーに多少の傷、折れ、書籍本体の断面部分に汚れ、染み、角部分にへこみがある場合がありますが、中身は綺麗な状態です。落丁、乱丁を除いて返品はお受けできません。

    ¥2,475

  • 【セール販売】『ブラックバイト 増補版』

    ブラックなことに慣れたら危険!おかしいことはおかしい。精緻な分析と対応法をまとめた学生、親、教育関係者必読の「ブラックバイト」を知る決定版の1冊。 2015年以降の改善事例など収録の第10章を追加した増補版です。目次はじめに 003第1章 ブラックバイトの被害実態 013大手アパレル店 014すき家 023大手一〇〇円ショップ 032大手コンビニエンスストア 041第2章 ブラックバイトのパターン 057A 職場への過剰な組み込み 060B 最大限安く働かせる 070C「職場の論理」に従属させる人格的支配 077第3章 全国アルバイト学生調査結果 083全国的な問題の広がり 084労働時間 085シフトの一方的な増減 090アルバイト先での不当な扱い 094経済的な事情 100第4章 ブラックバイトを生み出す日本の貧困 103急激に上昇した大学の学費 104九〇年代後半から大幅に減少した親の年収 107急増する奨学金受給─ブラックバイトを助長する奨学金制度 109企業社会統合と教育をめぐる脆弱性 113日本社会に広がった「私費負担」当然視の感覚 115「努力主義」がもたらした弊害 117ヨーロッパとの差異─スキルと資格による「能力証明」 119アメリカとの差異─私立セクターが異常に大きい日本 121「貧困ビジネス」と化した奨学金制度 123経済と教育と個人の関係の構造変動―「債権」にされていく学生 126「ブラック国家」の構図がブラックバイトを生み出す 128「親負担による私費負担」と「生まれによる差別」─奨学金が不公正を増幅する 130第5章 ブラックバイトと教育の変化 133大学からアルバイトへ─変容する学生の「帰属意識」 134「やりがい」の付与と「仲間意識」の形成─アルバイトへの帰属を支えるもの 137教育内容が「空洞化」した戦後教育 139教職員組合の問題 142「空洞化による職業準備」、機能不全に陥る教育 143大学のビジネス化 145「キャリア教育」に傾倒する大学 147 「キャリア教育」の恐ろしさ─大学四年間はすべて「就活」のため?! 148大学教育を蝕み、批判能力を奪う「キャリア教育」 151中身のない「キャリア教育」からブラックバイトへ 153「頑張り方」の分からない教育が、学生をブラックバイトに駆り立てる 155第6章 ブラックバイトと労働の変化 159ブラックバイトと労働社会の変化 161「非正規」が「非正規」でいられない時代 178対立軸が変容する「職場」 190第7章 ブラックバイトの弊害と定義 197労働力再生産への弊害と産業の衰退 198「ブラック企業」への馴致 200消費者にとっての弊害 202「ブラック国家」 203ブラックバイトの定義 206なぜブラックバイトを学生に限定するのか 208第8章 ブラックバイトと労働法 211パターンごとの法律問題 214解決方法 232業界全体の改善へ 252ブラックバイトをなくすための政策 254第9章 ブラックバイトに立ち向かうユニオン・支援者集団 259ブラックバイトユニオンの結成 260全国に広がる学生ユニオンの動き 265専門家による支援のネットワーク 274第10章 二〇一五年以降の新たな展望 285二〇一五年からのポジティブな変化 286親の干渉 288学生のあげた成果 296ブラック部活とのつながり 299ブラックバイトの論点 302体育会系経済が日本を滅ぼす 306これからの取り組み 309おわりに 312執筆分担 大内裕和(四、五章)、今野晴貴(一、二、六、七、八、九章)、共同執筆(三章、十章)前書きなど せっかく将来に向けた基礎能力を高めることができる貴重な機会である学生時代が、ただ劣悪なブラック労働に独占されるという事態は、社会全体にとって大きな損失でもある。 そして、このブラックバイト発生の背景には、個々の経営者の問題以上の根深い構造があった。日本社会全体の貧困化、社会保障の不備、見えない「能力」の基準と就職活動……。ブラックバイトは行き詰まった日本の労働社会の象徴のような問題である。 ブラックバイトは「学生」の問題ではあるが、彼らだけを「当事者」にしていたのでは、解決することができない。 言葉を変えるならば、ブラックバイト問題に直面しているのは、学校の教員であり、学生の親たちであり、周囲の友人である。あるいは産業界も無関係ではいられない。私たちはこの問題の解決のために、ともに動き出さなければならないのだ。(今野晴貴「おわりに」より)著者プロフィール大内裕和 (オオウチヒロカズ) (著/文)中京大学国際教養学部教授。1967年神奈川県生まれ。専門は教育学・教育社会学。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。著書に『奨学金が日本を滅ぼす』(朝日新書、2017年)、『ブラックバイトに騙されるな!』(集英社、2016年)など。今野晴貴 (コンノハルキ) (著/文)NPO法人POSSE代表。1983年宮城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程。著書に『ブラック企業─日本を食いつぶす妖怪』(文春新書、2012年)、『求人詐欺』(幻冬舎新書、2016年)など。受賞歴に第13回大佛次郎論壇賞、2014年度、日本労働社会学会奨励賞受賞など。【セール販売商品】基本的に帯はなく、カバーに多少の傷、折れ、書籍本体の断面部分に汚れ、染み、角部分にへこみがある場合がありますが、中身は綺麗な状態です。落丁、乱丁を除いて返品はお受けできません。

    ¥1,584

  • 【セール販売】『nyx』5号

    『nyx』5号のゾッキ本を定価2,200円(本体2,000円)を1,430円(本体1,300円)でご提供いたします。本の角が少し潰れていたり、擦れていたりします。帯はつきません。1点ずつ、若干状態が異なりますが、ウェブストアですので、見て選んで頂くことができません。また、ゾッキ本としてのご提供になりますので、返品は不可とさせて頂きます。【ゾッキ本とは】書店からの汚れ・破損による返品、保管によって難が生じたものを特別価格(自由価格本)として販売する本です。汚れ・破損は、カバーや帯に多少の傷、折れ、書籍本体の断面部分に汚れ、染み、角部分にへこみ等程度です。あくまで書店販売の新品としては難がある程度であり、破損品ではありません。また堀之内出版のゾッキ本には新刊ではない印として奥付に判子を押しております。目次等、詳細はこちら↓を御覧ください。https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784906708727

    ¥1,430

  • 【セール販売】『nyx』4号

    『nyx』4号のゾッキ本を定価2,200円(本体2,000円)を1,430円(本体1,300円)でご提供いたします。本の角が少し潰れていたり、擦れていたりします。帯はつきません。1点ずつ、若干状態が異なりますが、ウェブストアですので、見て選んで頂くことができません。また、ゾッキ本としてのご提供になりますので、返品は不可とさせて頂きます。【ゾッキ本とは】書店からの汚れ・破損による返品、保管によって難が生じたものを特別価格(自由価格本)として販売する本です。汚れ・破損は、カバーや帯に多少の傷、折れ、書籍本体の断面部分に汚れ、染み、角部分にへこみ等程度です。あくまで書店販売の新品としては難がある程度であり、破損品ではありません。目次等、詳細はこちら↓を御覧ください。http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784906708710

    ¥1,430

  • 【セール販売】『nyx』2号

    『nyx』2号のゾッキ本を定価1,980円(本体1,800円)を1,320円(本体1,200円)でご提供いたします。本の角が少し潰れていたり、擦れていたりします。帯はつきません。1点ずつ、若干状態が異なりますが、ウェブストアですので、見て選んで頂くことができません。また、ゾッキ本としてのご提供になりますので、返品は不可とさせて頂きます。【ゾッキ本とは】書店からの汚れ・破損による返品、保管によって難が生じたものを特別価格(自由価格本)として販売する本です。汚れ・破損は、カバーや帯に多少の傷、折れ、書籍本体の断面部分に汚れ、染み、角部分にへこみ等程度です。あくまで書店販売の新品としては難がある程度であり、破損品ではありません。また堀之内出版のゾッキ本には新刊ではない印として奥付に判子を押しております。目次等、詳細はこちら↓を御覧ください。http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784906708697

    ¥1,320

  • 【セール販売】再公営化という選択:世界の民営化の失敗から学ぶ

    『再公営化という選択:世界の民営化の失敗から学ぶ』のゾッキ本を定価1,980円(本体1,800円)のところ、880円でご提供いたします。初版印刷時に事故のため多くの汚損本が発生いたしました。通常でしたら廃棄処分となりますが、環境問題の配慮のためゾッキ本として割引価格にて販売させていただきます。黒いシミが付着していたり、背表紙にシワが寄っているなどの問題がありますが、読むには全く支障はございません。1点ずつ、若干状態が異なりますが、ウェブストアですので、見て選んで頂くことができません。また、ゾッキ本としてのご提供になりますので、返品は不可とさせて頂きます。【ゾッキ本とは】書店からの汚れ・破損による返品、保管によって難が生じたものを特別価格(自由価格本)として販売する本です。汚れ・破損は、カバーや帯に多少の傷、折れ、書籍本体の断面部分に汚れ、染み、角部分にへこみ等程度です。あくまで書店販売の新品としては難がある程度であり、破損品ではありません。また堀之内出版のゾッキ本には新刊ではない印として奥付に判子を押しております。岸本聡子、オリビエ・プティジャン(編)なお、こちらの書籍は下記のウェブサイトにてPDFが無料公開されております。https://www.tni.org/en/RPS_JP↓目次などの詳細はこちらをご覧ください。https://kaiin.hanmoto.com/bd/isbn/9784906708826↓汚損のない新品はこちらからご注文ください。https://info1103.stores.jp/items/5cd94ea6adb2a1602d0463cc

    ¥880

  • KOKKO第54号[第一特集]2024年版「税制改革の提言」

    ★定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=13[第一特集]2024年版「税制改革の提言」●人権保障のための税制へ中村芳昭/伊藤周平/唐鎌直義2024年からNISA(個人投資家のための税制優遇制度)の非課税枠が拡充され、「老後資金2000万円問題」などで広がった将来不安を背景に、政府・メディアがこぞって「貯蓄から投資へ」と国民を駆り立てています。NISA口座は23年9月時点ですでに2000万口座(一般+つみたて)・買付額34兆円を超えました。株価高騰の要因とも指摘されています。庶民や一般労働者までが、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などで個人投資による生活防衛を強いられる状況は、ある意味で異常です。裏を返せば、国民が税制による再分配と社会保障機能を信頼していない証左であり、それをさらに促進する日本政府の責任放棄が際立ちます。「税制改革の提言」では毎年、基本的人権を保障するための応能負担の税制改革の方向を示していますが、今年は納税者の権利や社会保障のあり方・財源問題についても特別寄稿で論じています。誰もが安心して暮らせる社会に向けて、「公共」を支える税のあるべき姿を考える特集です。[第二特集]ジェンダー平等へのアップデート●深刻な性差別をなくすために青龍美和子/中村果南子/岡野八代芸能界の性暴力事件から労働現場のセクハラ、男女格差に至るまで、ジェンダーに関連するさまざまな問題がマスコミやSNS上で話題にならない日はありません。過去最低となったジェンダーギャップ指数(日本は146か国中125位、2023年)を持ち出すまでもなく、日本社会は各分野においてジェンダー差別がデフォルトといえるような状況が続いてしまっています。こうした状況を改善するため、国公労連は「ジェンダー平等宣言」の職場採択運動(今号の大門論考参照)をすすめています。そして、ジェンダー平等を実現していくための学びを深めることで、それぞれの人権感覚をアップデートしていくこととしています。そのスタートを切るのがこの第二特集です。[第一特集]2024年版「税制改革の提言」2024年版「税制改革の提言」応能負担の原則で国民本位の税財政及び行政の確立を日本国家公務員労働組合連合会〈特別寄稿〉納税者の権利保障立法または憲章はどのような枠組みで制定されるべきか中村芳昭社会保障の財源問題と税制改革の方向伊藤周平日本における社会保障の後進性とその克服唐鎌直義[第二特集]ジェンダー平等へのアップデートジェンダー平等社会のための基礎知識青龍美和子 弁護士職場からセクハラをなくすためのワークショップ──ハラスメントなくす第三者介入のスキルを身につけよう中村果南子 ちゃぶ台返し女子アクションバイアスを乗り越えてジェンダー平等を実現しよう大門晋平 国公労連中央執行委員〈インタビュー〉ジェンダー平等でケアを社会の中心に岡野八代 同志社大学大学院教授[単発]「国公労連2024年要求組織アンケート」の結果について国公労連調査政策部[連載] スミレとヒマワリ 第18回労働組合の力で公共を取り戻そう白神優理子 弁護士[連載]国家公務員の労働条件Q&Aきほんの「き」から 第42回「非常勤職員制度の運用の在り方」を検討?国公労連[書評]KOKKO Editor’s Book Review『中流危機』/『コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践』KOKKO編集部表紙イラスト オカヤイヅミデザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)本文組版 はあどわあく

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  • POSSE vol.55(特集:物流危機を救うのはAIと規制緩和か?)

    ★クレジットカードでの定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=11【2023年12月28日より発送開始】【特集】物流危機を救うのはAIと規制緩和か?物流業界における労働の「危機」が叫ばれている。 一つはドライバーの長時間労働規制による「2024年問題」だ。このままでは物流が回らなくなるとして、荷主や運送会社に対する規制や、消費者の意識改革などが啓発されている。それどころか国は「規制緩和」策まで提唱している。だが、こうした議論の中で、労働者の声が反映されているとは言い難いのが実情だ。 同時にインターネット通販、主にAmazonというプラットフォームの拡大のもとで、ドライバーのさらなる個人事業主化、そしてAIによる労働の強化が進行している。労働者が自らの権利を行使することは、ますます困難に思われているのではないだろうか。 いま、労働運動には何ができるのか。本特集では、物流業界の「危機」を見据えつつ、実際に日本やアメリカで闘うドライバーたちの労働組合の実践を参照し、新たな可能性を探りたい。【特集】物流危機を救うのはAIと規制緩和か?◆「規制緩和」がもたらしたトラックドライバーたちの過酷な現状──物流2024年問題と労働組合への期待川村雅則(北海学園大学教授)◆高速道路で「重大事故」が増加する?──「2024年問題」でトラックの速度規制を緩和今野晴貴(NPO法人POSSE代表)◆外国人ドライバーは流通の「救世主」となるのか?本誌編集部◆アマゾンの「当日配送」を支える人々を追って──前編岩本菜々(POSSE学生ボランティア)◆ヤマト運輸の個人事業主・パートたちは「大量リストラ」といかに闘ったか──軽貨物ユニオンの取り組み高橋英晴(軽貨物ユニオン執行委員長)◆「最高益」なら還元しろ!──アメリカのトラック・ドライバーは年収2500万円へ本誌編集部【ミニ企画】『生きのびるための社会保障入門』刊行記念労働組合と社会保障でインフレ危機を生きのびろ!◆「標準」なき時代の社会保障──制度から抜けおちた多様な暮らしをどのように保障するか葛西リサ(追手門学院大学准教授)×奥貫妃文(相模女子大学教授)◆コロナ禍・インフレ危機の惨状からいかに立ち上がるか?──声をあげることからはじまる女性・ケア・地域の新しい連帯竹信三恵子(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)×奥貫妃文(相模女子大学教授)【単発】◆ヨーロッパのプラットフォーム労働規制の現在地──『あなたの上司はアルゴリズム』から読み解く脇田滋(龍谷大学名誉教授)◆『イギリス炭鉱ストライキの群像』をめぐって──40年前の敗北の闘争がいま、私たちに教える経験とは熊沢誠(甲南大学名誉教授)◆問題多発の業界に立ち向かう回転寿司ユニオン──すべての飲食業界で働く非正規労働者の改善を目指して尾林哲矢(首都圏青年ユニオン事務局長)◆貧困者を収容する「貧困ビジネス」の実態と源流今岡直之(POSSE生活相談班)【連載】◆社会運動史研究者がスポットワークをやってみて第2回 バブル世代・氷河期世代・Z世代、そしてシニア世代と働いて黒川伊織(神戸大学大学院国際文化学研究科協力研究員)◆生活相談Q&A「貧困ビジネス」施設からの脱出マニュアル今岡直之(POSSE生活相談班)◆困窮する移民・難民の生存権を求めて第2回 「外国人」と貧困大澤優真(つくろい東京ファンド/北関東医療相談会)◆ラディカル・アメリカ──トランス・パシフィック・レーバー・ヒストリー第2回篠田 徹(早稲田大学教授)◆父の過労死 会社と闘ってきた10年間第7回 過労死事件を公表して闘うことの葛藤と意義、裁判を闘っていく中での意識の変化高橋優希◆スポーツとブラック企業第16回 スラムダンクの倫理とバ畜の精神常見陽平(千葉商科大学准教授)◆POSSE最新ブックレビュー◆INFORMATION■表紙の写真「TOKYO NUDE」虚構の東京を出現させることをコンセプトに、レタッチによって都市の外観を変化させるシリーズ安藤瑠美フォトグラファー・レタッチャー1985年 岡山県出身。2019年 THE REFERENCE ASIA : PHOTO PRIZE優秀作受賞。http://rumiando.comhttps://www.instagram.com/andytrowa/■ブックデザイン末吉亮(図工ファイブ)

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  • マルクス研究会年誌2022

    (目次)◇近代社会における自由競争という権威――マルクスのプルードン(主義)批判菊地賢(立教大学助教)◇MEGA第Ⅱ部門第四巻(1863-1868年経済学草稿)第三分冊解題(上)[監訳]隅田聡一郎(大阪経済大学専任講師)◇『資本論』第三巻第一章第四草案成立と来歴[訳]佐々木隆治(立教大学教授)・竹田真登(立教大学大学院博士後期課程)第一章 剰余価値の利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化[訳]佐々木隆治(著者プロフィール)菊地賢立教大学経済学部経済学科助教1991年生まれ。専門は初期マルクス。論文に「『経済学・哲学草稿』第1草稿における国民経済学批判の進展について」(『季刊経済理論』第56巻第3号、2019年)、「マルクスのマックス・シュティルナー批判の意義について」(『唯物論』92号、2018年)、共訳書にミヒャエル・クヴァンテ『カール・マルクスの哲学』(リベルタス出版、2018年)など。隅田聡一郎大阪経済大学経済学部専任講師1986年生まれ。専門は国家論。日本MEGA編集委員会編集委員。著書に『国家に抗するマルクス――「政治の他律性」について』(堀之内出版、2023年)、共著論文に「マルクス、ブロック、史的唯物論」(『マルクス研究会年誌』第5号、マルクス研究会、2022年)など。佐々木隆治立教大学経済学部教授1974年生まれ。専門はマルクスの経済思想、社会思想。日本MEGA編集委員会編集委員。著書に『マルクスの物象化論[新版]――資本主義批判としての素材の思想』(堀之内出版、2021年)、『マルクス 資本論』(角川選書、2018年)、『カール・マルクス――「資本主義」と闘った社会思想家』(ちくま新書、2016年)など。竹田真登立教大学大学院経済学研究科博士後期課程1993年生まれ。専門はマルクスの利子生み資本論。共訳書に斎藤幸平『マルクス解体――プロメテウスの夢とその先』(講談社、2023年)、翻訳にベナナフ=クレッグ「恐慌と窮乏化――批判理論の現在」(『マルクス研究会年誌』第5号、マルクス研究会、2022年)。

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  • KOKKO第53号[第一特集]公務「委託」の破綻から考える

    ★定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=13[第一特集]  公務「委託」の破綻から考える●安上がりの「公共」でいいのか?公務「委託」の破綻から考える2023年9月上旬、全国で学校給食などを請け負っていた広島の会社「ホーユー」が経営破綻し、各地で給食提供が止まったことが大きく報道されました。背景には、食料品をはじめとする物価の高騰や最低賃金の上昇だけでなく、かつては自治体などの直営・直雇用だった学校給食事業の非正規雇用化や外部委託化の広がりがあります。また同様の問題は、保育や医療などのケア部門、様々な公共インフラでも共通して起きています。公務・公共部門の外部「委託」は、人件費などのコストカットを主な目的として推進されてきましたが、その劣化と行き詰まりは明らかです。私たちの暮らしと命を直接支える「公共」を取り戻し、そこで働く人の労働条件を改善するために必要な視点や知恵、政策について考える特集です。[第二特集] コ ストカットで失われた研究力●独立行政法人化の末路岸田文雄首相が所信表明演説(2023年10月23日)で、「この30年間、日本経済はコストカット最優先の対応を続けてきました。人への投資や賃金、さらには未来への設備投資・研究開発投資までもが、コストカットの対象とされ、この結果、消費と投資が停滞し、更なる悪循環を招く。低物価・低賃金・低成長に象徴される『コストカット型経済』とも呼び得る状況でした」と述べました。実際に、国立研究機関などの公的研究現場においても研究者・技術者・事務職員の賃金・労働条件、さらには研究費までもがコストカットされてきました。イギリスの科学誌『ネイチャー』の公式ウェブサイトは「日本の研究は、もはや世界トップクラスではない。世界レベルの研究への貢献は減少し続けている」(2023年10月25日)としています。第二特集では、研究力を失わせるコストカットそのものが制度化されている独立行政法人の問題を考えます。目次[第一特集]  公務「委託」の破綻から考える〈インタビュー〉 学校給食から考える公務アウトソーシング破綻の背景吉田佳弘 自治労連/嶋林弘一 自治労連国立ハンセン病資料館不当解雇事件から見えてきた公務の民間委託が持つ危うさ稲葉上道 国公一般国立ハンセン病資料館分会世田谷区の公契約条例から考える「公共」再形成の可能性永山利和 元日本大学教授[第二特集] コ ストカットで失われた研究力国立研究機関の独立行政法人化を考える― 世界の流れは「再公営化」「未来は公共にあり」尾林芳匡 弁護士日本の研究力低下まねく理化学研究所の研究者大量雇止め金井保之 理化学研究所労働組合執行委員長国立研究機関で働く研究者等アンケート結果について小滝豊美 筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)事務局次長[新刊案内]『公務員制度の持続可能性と「働き方改革」』紹介[連載] スミレとヒマワリ 第17回軍事演習場のど真ん中で平和の声をあげる―「矢臼別平和盆踊り」に参加して白神優理子 弁護士[連載]  国家公務員の労働条件Q&Aきほんの「き」から 第41回給与制度のアップデート? アップグレード?国公労連[書評] KOKKO Editor’s Book Review『カデギ』/『パレスチナ 特別増補版』KOKKO編集部表紙イラスト オカヤイヅミデザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)本文組版 はあどわあく

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  • KOKKO 別冊発行号 特集「2023年人事院勧告」

    今年の人事院勧告の特徴は、春闘における民間企業の賃上げや初任給引上げ基調を反映し、公務でも30年ぶりに初任給を1万円以上引き上げたこと、そして弊誌51号でも特集した「柔軟な働き方」の本格実施として、テレワークやフレックスタイム制の拡充などを打ち出したことです。その背景には公務員志望者の減少、若手離職の急増など、深刻な「公務員離れ」があります。人事院も「危機的な状況」と強調していますが、その一方で、霞が関のエリート層を向いた対策が先行し、「誰もが安心して働き続けられる」ための具体的な取組が後手に回っている印象です。霞が関勤務は全体の1/4程度に過ぎず、多くの国家公務員は北海道から沖縄まで全国各地で現場をもつ労働者です。また、人事院勧告は、地方公務員や医療・福祉・教育職場など様々な公共セクターで働く約900万人の労働条件に波及します。いま必要なのは、安定した中間層を増やすためのボトムアップ型の労働条件改善です。「2023年人事院勧告等の分析と批判」では、そうした今年の人事院勧告・報告のポイントを現場の労働者の目線から紹介します。

    ¥1,540

  • KOKKO第52号[第一特集]「公共の再生」という希望

    ★定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=13[第一特集]「公共の再生」という希望●新自由主義が前提化した社会で、公務はどうあるべきか?本特集では、新自由主義が社会の基礎的な枠組みであるかのごとく浸透した現代で公務のあり方を問い直します。高給を取る少数の意思決定者と、手足となる非正規労働者の組み合わせ組織形態が公共にまで及んだ現状や、「賃金は会社が決めるものです」「最賃を上げると会社がつぶれるので、上げない方がいいです」等、現代の大学生によく見られる温度感を踏まえ、教育と労働の現場に焦点を当てます。そのほかAppleやGoogleなどビッグテック企業に情報と権力が集中した場合の問題点や、「身を切る改革」として業務の民間委託を進めてきた大阪維新の会の失政を検証し、公務のあり方を多角的に検討します。[第二特集] 公務員の「柔軟な働き方」●公務における、テレワーク、フレックス、週休3日等コロナをきっかけにした、あるいはコロナとは無関係に進められてきた裁判所や省庁での柔軟な働き方。省庁や司法機関等の人々が集う座談会で各職場の雰囲気を紹介しつつ、実施に際しての研究報告やQ&Aを付すことで、さまざまな立場から「柔軟な働き方」を検討する特集。= = = = =【目次】[第一特集]「公共の再生」という希望新自由主義の現段階と公務労働の役割―「 公共の再生」のために何が必要か竹信三恵子 和光大学名誉教授/ジャーナリスト〈インタビュー〉 公共を再生する住民参加型の運動― デジタル監視社会に抗する恐れない自治体内田聖子 NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表〈インタビュー〉 大阪の公共を壊し経済も衰退させた維新― 住民との共同で公共の再生を坂田俊之 大阪自治労連副執行委員長[第二特集]  公務員の「柔軟な働き方」〈座談会〉 公務の「柔軟な働き方」、どう思う?― 若手・女性役員座談会小田春香さん 全司法(30代女性)吉原太一さん 国公労連(国土交通労組)(30代男性)渡名喜まゆ子さん 全厚生(40代女性)野口冬彦さん 全労働(30代男性)野村直弘さん 全法務(30代男性)「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会」の最終報告について平井康太 弁護士職場学習資料「Q&Aで考える〈柔軟な働き方〉」国公労連調査政策部[単発] 2023年度 予算定員の分析国公労連調査政策部[リレー連載] 運動のヌーヴェルヴァーグ FridaysForFuture⑨環境を破壊するバイオマス発電とその抵抗運動(後編)鴫原宏一朗 Fridays For Future Sendai[連載]  国家公務員の労働条件Q&Aきほんの「き」から 第40回病気休暇のクーリング期間国公労連 [書評] KOKKO Editor’s Book Review『縛られる日本人』/『女性不況サバイバル』KOKKO編集部連載「難民アートプロジェクト」「スミレとヒマワリ」「KENちゃんの職場訪問記」「8プロ映画部日誌」は、都合により休載といたします。表紙イラスト オカヤイヅミデザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)本文組版 はあどわあく

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  • POSSE vol.54(特集:地方移住の先にユートピアはあるのか?)

    ★クレジットカードでの定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=11【2023年8月30日より発送開始】【特集】地方移住の先にユートピアはあるのか?小松理虔×伊藤綾×五十嵐泰正/寺井元一×西本千尋/林 凌/佐々木大記資本主義的な都市部でのライフスタイルを拒否しオルタナティヴを求めるような流れは、コロナ禍のテレワークの広がりの後押しも得て、都市からの移住を促し「移住ブーム」ともいえる状況を生み出している。 こうした状況をどうみるべきだろうか。本特集では、移住先での生活や地域のあり方についての課題を、それぞれの地域にかかわりをもち、実践している方々の座談会やインタビューによって多角的に捉えようと試みた。 移住ブームのなかで見落とされがちな地域の課題や論点を拾い上げ、移住と地域における未来の可能性を探る。目次【新連載】◆オメラスから発つ道の途上で第1回 「被害」の消費ではなく、不公正を告発するためのメディアを岩本菜々(POSSE学生ボランティア)【最新情勢インタビュー】◆ハリウッドのストライキシャバーリ・アーメッド(脚本家、小説家)◆技能実習制度の廃止をめぐる議論と入管法改悪──今後の日本の労働市場における外国人労働者の立ち位置と労働運動の課題指宿昭一(弁護士)【特集】地方移住の先にユートピアはあるのか?◆[鼎談]移住支援のトップランナーが語る、これからの日本に必要な「まちづくり」とは?──振興だけじゃなく、今こそ「縮退」の議論を小松理虔(地域活動家)伊藤綾(きら星株式会社代表取締役)五十嵐泰正(筑波大学人文社会系教授)◆[インタビュー]「移住支援」をしていたら「福祉支援」をやることに?!──キラキラ移住物語の裏側にある実態と移住支援におけるケアの不在寺井元一(株式会社まちづクリエイティブ代表取締役・NPO法人KOMPOSITION代表理事)西本千尋(NPO法人KOMPOSITION理事)◆[論考]「広範囲の都市化」と地方移住──淡路島が「社会の最前線」の経由地となるとき林 凌(日本学術振興会特別研究員PD)◆[論考]地方移住再考──かわまた田んぼリンクから佐々木大記(かわまた田んぼリンククラブ代表)【新連載】◆社会運動史研究者がスポットワークをやってみて第1回 このままでは暮らせない──賃金の上がらない国日本黒川伊織(神戸大学大学院国際文化学研究科協力研究員)◆困窮する移民・難民の生存権を求めて第1回 「人として生きていく」ことが許されない大澤優真(つくろい東京ファンド/北関東医療相談会)◆ラディカル・アメリカ──トランス・パシフィック・レーバー・ヒストリー第1回篠田 徹(早稲田大学教授)◆生活相談Q&A「毒親」のいる実家脱出のための生活保護フル活用マニュアル今岡直之(POSSE生活相談班)【単発】◆労働組合運動の新たな形──「非正規春闘」とは何か(下)青木耕太郎(総合サポートユニオン共同代表)◆家事労働過労死裁判に取り組む意義とその射程佐藤 学(NPO法人POSSE・総合サポートユニオン)【連載】◆スポーツとブラック企業第15回 スポーツ村を変えるために──外部の意見を大切に常見陽平(千葉商科大学国際教養学部准教授)◆父の過労死──会社と闘ってきた10年間第6回 家事労働者過労死裁判の支援活動から見えてきた社会運動の可能性高橋優希◆POSSE最新ブックレビュー■表紙の写真「TOKYO NUDE」虚構の東京を出現させることをコンセプトに、レタッチによって都市の外観を変化させるシリーズ安藤瑠美フォトグラファー・レタッチャー1985年 岡山県出身。2019年 THE REFERENCE ASIA : PHOTO PRIZE優秀作受賞。http://rumiando.comhttps://www.instagram.com/andytrowa/■ブックデザイン末吉亮(図工ファイブ)

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  • 寺山修司の遺産──21世紀のいま読み直す

    寺山修司の遺産 21世紀のいま読み直す伊藤 徹・檜垣 立哉 編著978-4-909237-89-7寺山がこの世を去ってから40年──社会状況は大きく変化してきたが、寺山が残したものは、いまもなお読み直され、多くの読者・観客を惹きつけている。現代の問題意識と深くつながる、寺山の多岐にわたる活動に対して、思想、競馬、言語学、美術、デザイン、演劇、映像、政治をテーマに、各分野の筆者陣がそれぞれの問題意識で挑み、新たな魅力を発掘する画期的な論集。【推 薦】 渡部泰明(国文学研究資料館館長)そうか。いつまでもいかがわしさを失わないから、寺山修司は魅力的なのか。【目 次】はじめに 伊藤 徹第1章|演劇Ⅰ虚構が「真実」になるとき――密室劇《阿片戦争》 伊藤 徹第1節 実験演劇としての密室劇第2節 《阿片戦争》という出来事第3節 虚構の「真実」と「時」第2章|言 葉居場所としての言葉――寺山修司の自分語と詩的表現 澤田美恵子第1節 定型詩との出会い第2節 「自分語」という戦術第3節 詩的表現の時空間インタビュー寺山修司と演劇・詩・方言・競馬 佐々木英明第3章|映 像機械仕掛けの巫女殺し――「政治の季節」のテレビドキュメンタリーをめぐって 青山太郎第1節 成長期にあった六〇年代のテレビと寺山修司第2節 「政治の季節」に生まれ育ったテレビドキュメンタリー第3節 秩序を破る記録映像の力能第3節 機械仕掛けの巫女を解体する第5節 お茶の間という神殿第4章|政 治寺山修司の「幸福」の政治学 荻野 雄第1節 選挙と競馬と電子計算機第2節 偶然の賜物としての幸福第3節 幸福への賭けとしての政治的反抗第4節 寺山修司と新左翼運動の諸局面第5章|競 馬寺山修司と競馬 檜垣立哉第1節 寺山修司における競馬第2節 寺山のエクリチュール――生とともにある競馬第3節 寺山の言葉・言葉の場所第6章|デザイン初期の天井棧敷のポスターを読む――劇との関係を中心に 前川志織第1節 初期の天井棧敷のポスターを読む第2節 初期の天井棧敷とポスター第3節 初期の天井棧敷のポスターを読む――劇との関係から第4節 初期天井棧敷のポスターを読む――大衆的図像の引用コラムあなたはいったい誰ですか? 広瀬有紀第7章|演劇Ⅱ小劇場運動と「肉体」――寺山修司をめぐる文化的野心とともに 若林雅哉第1節 寺山修司を宙づりにしてみる第2節 小劇場運動における肉体への回帰――芸(肉体)と演技(内容)の二極から第3節 レッテル張りへの躊躇(1)――巨大劇団の忌避と〈異議申し立ての時代〉第4節 レッテル張りへの躊躇(2)――「肉体」の覇権の諸相第5節 あとから来た「小劇場運動」――蜷川幸雄による「歴史化」の戦略と文化的野心第6節 事後の生第8章|表 現ナンセンスの時代と寺山修司 平芳幸浩第1節 寺山修司と「無意味」第2節 六〇年代前衛における表現の様態第3節 無意味から意味へ第4節 言語遊戯としてのハナモゲラ第5節 寺山修司にとってのナンセンスおわりに 檜垣立哉【はじめに】 私たち筆者は、寺山の言葉とイメージを確固とした「真実」の表現とは捉えないのであり、したがってこれを集約し整理すれば、「宝物」が得られるといったような期待は抱いていない。それゆえここでの諸論考は、いずれも彼の言葉をなぞることを以って研究とは考えないものである。むろんそんなことは寺山に関してだけいえることではなく、ニーチェがいったように、どんな過去でも断罪に値するのであり、思考の可能性の束としての過去に対するには、ときとして矛盾し合う一つ一つを吟味しより分けて吸収する批判精神以外にはなく、それは現在の問題に自ら立ち向かうなかで育まれるものである。筆者はいずれも寺山を「専門」とするものではなく、自らの研究分野を別途温めてきたものである。以下に集められた論考は、執筆者が、そのフィールドでそれぞれ育んだ問題意識をもって寺山という遺産にぶつかっていった結果得られた火花のようなものであって、そうした対峙の姿勢をとることこそ、寺山に対して後に続く者が示すべきリスペクトなのだと私たちは考えるのである。【制作】装丁・本文設計  木下 悠(YKD)印刷・製本  中央精版印刷株式会社

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  • 国家に抗するマルクス――「政治の他律性」について

    隅田 聡一郎(著/文)978-4-909237-91-0国家と資本はどのようにして乗り越えられるのか──?百年以上にわたるマルクス主義国家論の変遷を追うとともに、マルクスを一九世紀社会主義・共産主義の歴史的文脈に位置づけなおし、未完の国家批判プロジェクトに迫る!気鋭の研究者による初の単著。【目 次】はじめに フーコーからマルクスへ?第一部 マルクスの国家批判第一章 未完の国家批判 「国家導出論争」再考 マルクスの「国家論」は存在するのか? エンゲルスの国家論 グラムシの「市民社会」論 アルチュセールの「国家装置」論 マルクス主義国家論争 批判理論から「マルクスの新しい読み方neue Marx-Lektüre」へ 「国家導出論争」の背景 国家独占資本主義論批判 後期資本主義論批判 「国家導出論争」の主題 「国家導出論争」をこえて第二章 近代国家とブルジョワ社会 国家批判からポリティカル・エコノミー批判へ 階級論なき国家批判 ヘーゲル法哲学批判とは何だったか ヘーゲル国家論批判 『独仏年誌』以降の政治批判 「ドイツ・イデオロギー」諸草稿における「政治的形態」規定 「ドイツ・イデオロギー」諸草稿以降のアソシエーション論第三章 無産国家 資本主義の政治的形態 形態分析による「史的唯物論」の再構成 生産関係に埋め込まれていた国家(公的権力) 国家(公的権力)の無所有化 国家形態と貨幣―国家的貨幣論の批判 国家財政の形態分析 資本の蓄積過程と国家の制度的介入第四章 法=権利形態とイデオロギー批判 マルクスとパシュカーニス 「物象の人格化」と法=権利形態 イデオロギー論からイデオロギー批判へ 法イデオロギーと法フェティシズム 「法=権利の転回」としての「領有法則の転回」論第二部 「資本の国家」をこえて第五章 近代国家から「資本の国家」への移行 「ブルジョワ国家」の可能性と限界 「国家を取り戻す」? ポリティカル・エコノミー批判における形態分析と歴史的考察 国家の形態分析における歴史的考察の意味 「アンシャン・レジーム」における近代国家の形成 マルクスとフランス革命 近代国家から「資本の国家」への移行 資本主義国家のブルジョワ的形態 「ブルジョワ国家」の可能性と限界第六章 階級闘争と国家形態 「社会国家」の可能性と限界 階級闘争の形態分析 「社会国家幻想」批判 脱商品化としての社会国家 アソーシエイトした社会システムへの移行における社会国家の可能性 「プロレタリアート独裁」のコンテクスト アソシエーションの政治的形態第七章 資本主義世界システムの政治的形態 「資本の帝国」と地政学的対立 帝国主義論をこえて 政治的マルクス主義のパースペクティブ 世界市場と諸国家システム アナーキーな世界市場と地政学的アナーキー 資本主義的地政学の起源 「制度」としての諸国家システム第八章 国家に抗するデモクラシー 「アソシエーションの政治的形態」の発明 議会制デモクラシーの批判―アニョーリの場合 近代的シティズンシップの批判―ウッドの場合 国家に抗する政治的共同体おわりに 可能なるアセンブリ・コミュニズムへあとがき参考文献【はじめに】左派はしばしば、国家権力を介した生産関係の変革や支配階級の打倒を追求してきた。しかし、国家権力を掌握して管理しようとしても、そして、たとえその担い手が労働者階級や左派勢力であったとしても、権力関係それ自体を消滅させることはできない。したがって、私たちは「国家の自律性」という外観に抗しつつ、国家を含む権力関係の総体、すなわち国家を不可欠な構成要素とする資本主義社会システムを、より緻密に分析する必要があるのだ。(「はじめに」より)【著者】隅田聡一郎1986年生まれ。大阪経済大学経済学部専任講師。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了後、カール・フォン・オシエツキー大学オルデンブルク哲学研究科客員研究員、ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミー客員研究員などを経て現職。共著に『マルクスとエコロジー─資本主義批判としての物質代謝論』(堀之内出版、2016年)、論文に‘Die Zusammenfassung der bürgerlichen Gesellschaft in der Staatsform. Zu Marx’ Theorie des Staats’, Marx-Engels-Jahrbuch 2017/18、編著にMarx-Engels-Gesamtausgabe, IV. Abteilung Band 19 (digital)など。専門は、社会思想史、現代資本主義論、批判理論。【制作】装丁・本文デザイン 川名潤組 版  江尻智行(tomprize)印刷製本  中央精版印刷株式会社

    ¥4,950

  • KOKKO第51号[第一特集]仲間づくりのメソッド

    ★定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=13[第一特集]仲間づくりのメソッド●労働運動活性化に必要なスキル日本の労働組合の組織率は2022年時点で16.5%と過去最低を記録しています。一方、欧米諸国では「ほとんどの公共交通機関が止まる(ドイツ)」など物価高騰に見合う大幅な賃上げを求める大規模なストライキが相次いでいます。とりわけアメリカでは、最低賃金15ドル運動、全米規模に広がる教員スト、アップルやアマゾン、スタバなどでの組合結成と労働運動が大きく盛り上がっています。しかもZ 世代(1997年以降生まれ)が運動の中心。2022年の労組支持率71%は1965年以降で最高となり、18~34歳は77%が労組支持。先日、アメリカ在住の知人とオンラインで話す機会があり、「なぜ若い世代が労働組合運動を活性化させているのか?」と問うと、知人は「いまの若い世代は#MeToo運動やBlack Lives Matter運動などを学生時代に経験していて、労働組合運動を推進するときに大切な対話やスピーチのスキルが高い。そこにアメリカ労働運動がコミュニティ・オーガナイジングを活用して戦略キャンペーンに取り組んでいるので活性化している」との回答。日本においてもコミュニティ・オーガナイジングの活用が労働組合運動を活性化させる鍵です。[第二特集]国家公務員の宿舎●公務員宿舎の「失われた30年」?2010年前後に公務員宿舎が「公務員優遇」であるとメディア上で批判され、民主党政権下で宿舎の売却と削減、新設凍結が方針化され、職員が宿舎に入居できる要件は「5類型」に厳格化されました。その後、現在に至るまで老朽化した宿舎の本格的な改修も進まず、とりわけ若年層職員の宿舎離れが加速し、空き部屋が問題化しています。2021年(令和3年)11月に財務省の「行政財産の未来像研究会」がとりまとめた報告書では、これまでの方針を見直し、「借受と建設のコスト比較を早急に実施し、適切に宿舎確保を進めるべき」「個々の宿舎の状況に応じて長寿命化を図りつつ、必要に応じてコスト比較の上、借受移行や建替などから費用対効果の高い方法を実行し、計画的・効率的に行う必要がある」こと等を今後の基本的な対応方針として打ち出しました。本特集では、公務員志望者の急減や若手職員の離職増が問題化するなか、今後の国家公務員の住まいのあり方について、宿舎等の実情と職員の声を中心にして考えます。目次[第一特集]仲間づくりのメソッド〈座談会〉一人ひとりの力を引き出し問題解決できる労働組合へ―コミュニティ・オーガナイジングは仲間づくりの処方箋伊藤賢太 北海道勤医労執行委員/北海道医労連執行委員/道労連事務局次長更科ひかり 北海道高教組中央執行委員/さっぽろ青年ユニオン執行委員福本えりか 京都市職労書記長小松康則 大阪府職労委員長司会 井上伸 国公労連中央執行委員〈インタビュー〉みんなの力引き出すファシリテーション―会議が変われば組織文化は変わる嶋田 至 組織開発ファシリテーター全員参加型の運動スタイル追求の到達点と課題―これからの国公労働運動を考える全国会議から1年にあたって大門晋平 国公労連中央執行委員[第二特集]国家公務員の宿舎国家公務員宿舎をめぐる経過と今後の在り方について浅野龍一 国公労連書記長国家公務員の宿舎と住まいの実態とは?本誌編集部民間企業の住宅支援施策の動向本誌編集部[単発]メディアのMeToo運動―ジェンダー平等で労働組合の活性化を吉永磨美 新聞労連前中央執行委員長[単発]「国公労連2023年非正規で働く仲間の要求アンケート」結果について国公労連調査政策部[連載] スミレとヒマワリ 第16回母が勝ち取ったこと―「女性には無理」の誤り白神優理子 弁護士[連載]運動のヌーヴェルヴァーグ FridaysForFuture⑧「エネルギー貧困」と気候変動はいかにつながっているか鴫原宏一朗 Fridays For Future Sendai[連載] KENちゃんの職場訪問記第7回 東京出入国在留管理局の巻KEN[連載] 国家公務員の労働条件Q&Aきほんの「き」から第39回 男女賃金格差の公表、公務職場では?国公労連[書評]KOKKO Editor’s Book Review『何が問題か マイナンバーカードで健康保険証廃止』/『こんな大人になりました』/『学校で育むアナキズム』KOKKO編集部連載「難民アートプロジェクト」「8プロ映画部日誌」は都合により休載いたします。表紙イラスト オカヤイヅミデザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)本文組版 はあどわあく

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  • POSSE vol.53(特集:フードロス×使い捨て労働)

    ★クレジットカードでの定期購読は20%OFF!登録はこちらからhttp://horibooks.com/products/list.php?category_id=11【2023年4月27日より発送開始】[特 集]フードロス×使い捨て労働藤原辰史 × 今野晴貴 × 五十嵐泰正 × 森 進生飯田悠哉/SDGsユニオンSDGsブームのなか、フードロス対策として個人の消費行動の変容がさまざま呼びかけられている。余剰を生まないために、「買いすぎないようにしよう」、「計画的に料理しよう」、「食品の節約をしよう」等々……。しかし問われるべきは、大量の食品を商品として生産し、それによって利益をあげていこうとするシステムそのものではないだろうか。食品の生産・加工・販売、そして廃棄のプロセスには、必ず人々の労働がかかわっており、人間の使い捨てと食品の大量廃棄は、深くつながっている問題である。本特集では、労働の視点からフードロスが生み出される社会のあり方を分析し、食をめぐる社会運動のあり方を考える。目次[書 評]◆アーロン・ベナナフ著『オートメーションと労働の未来』今野晴貴(POSSE代表)[特 集]フードロス×使い捨て労働◆フードロスと人間の使い捨て藤原辰史(京都大学人文科学研究所准教授)コメント 今野晴貴(NPO法人POSSE代表)五十嵐泰正(筑波大学人文社会系教授)森 進生(フードバンク仙台副代表)◆棄てさせられているのは誰か?―システマティックな侮辱としての「廃棄労働」飯田悠哉(京都大学大学院農学研究科研究員)◆職場の食品ロスの実態と労働運動のポテンシャル荻田航太郎(SDGsユニオン代表)◆ライフラインの貧困と飢餓に立ち向かう―ライフライン無償化プロジェクトからの報告笠原沙織(仙台POSSEスタッフ)[AEQUITASシンポジウム]生活苦しいやつ声上げろ!――若者とエッセンシャルワーカーが求める最低賃金1500円と社会保障拡充◆私たちが「債務帳消し」を求める理由―時間稼ぎではなく、システム・チェンジを岩本菜々(奨学金帳消しプロジェクト)◆フードバンクから見えてきた女性の貧困冨永華衣(フードバンクキャラバン)◆社会を支える全ての人が豊かに生きられる社会を!―元エッセンシャルワーカー・奨学金返済当事者の立場から宮野(私学教員ユニオン)◆エッセンシャルワークと最低賃金蓑輪明子(経済学者)◆ディスカッション マイノリティが中心の新しい最低賃金運動を!司会 青木耕太郎(総合サポートユニオン)[単 発]◆労働組合運動の新たな形―「非正規春闘」とは何か(上)青木耕太郎(総合サポートユニオン)◆権利行使を支えるソーシャルワーク実践―家族から「排出」された若者の事例から今岡直之(NPO法人POSSE生活相談チーム)◆部活問題を通じた新たな教員労働運動の可能性佐藤 学(私学教員ユニオン代表)[連 載]◆スポーツとブラック企業第14回 スポーツと食 幻想と現実常見陽平(千葉商科大学国際教養学部准教授)◆海外留学見聞録No.9 分断を越えてイギリス全土50万人ストライキの現場から谷口歩実(#みんなの生理共同代表)◆父の過労死 会社と闘ってきた10年間第5回 会社と闘ってきた10年間で得たもの高橋優希◆ラダイトと脅迫状第6回「あなたは機械を破壊されましたか」萩田翔太郎◆POSSE最新ブックレビュー■表紙の写真「Microplastics」2mm以下に砕けたプラスチックごみ(マイクロプラスチック)の詳細な姿を特殊な方法で撮影したシリーズ。岡田将(Susumu Okada)写真家1984年 東京都出身。2018年キヤノン写真新世紀にて優秀賞受賞。主なグループ展にT3 PHOTO FESTIVAL(2020/東京)、MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館(2021/奈良)など。HP:https://www.susumuokada.comInstagram:@susumu_photo■ブックデザイン末吉亮(図工ファイブ)

    ¥1,540

  • 『生きのびるための社会保障入門』

    春田 吉備彦・奥貫 妃文・河合 塁・今野 晴貴 編著佐々木 達也・井村 真己・藤田 孝典・葛西 リサ・松﨑 吉之助 著『生きのびるための社会保障入門』https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909237903初学者から、社会人の学びなおしまで。社会保障のキホンを学びながら、問い直す、新しい入門書!【本書の特徴】(1)“リアル“にこだわった解説これから社会に出る学生・若者や、いままさに職場や家庭で困っている人など、さまざまな人が現実に遭遇する問題に焦点をあてながら、社会保障の制度やもととなる考え方について解説しています。ぜひ自分自身を重ね合わせながら読んでみてください。(2)わかりやすい叙述と読みやすいレイアウト平易な文章なのはもちろん、カラフルなレイアウトで、図版やミニコラム、注釈なども充実しています。社会福祉士や看護師の国家試験でよく出る重要ポイントも押さえていますので、試験対策のための最初の一冊としても最適です。(3)最新の論点も収録社会保障制度は、個人や国家、社会、時代の変化により、つねにゆらいでいる存在でもあります。たとえば「ギグワーカーは労災保険に加入できるのか?」など、最新の論点を可能な限り盛り込みました。【目 次】はじめに第1部 社会保障って何だろう?第1章 社会保障の目的・機能・法体系❶社会保障って、そもそも何なの?―社会保障の定義❷社会保障は何を目指しているの?―社会保障の「目的」❸社会保障を支えるもの―社会保障の「理念」❹社会保障があると、どんないいことが?―社会保障の「機能」❺社会保障といっても、いろいろある?―社会保障の全体像・範囲❻社会保障と憲法・法律上の権利❼社会保障の救済手続き第2章 社会保障の歴史と現代社会の変化❶ヨーロッパ❷日本❸社会保障を取り巻く環境変化❹社会保障はどこへ向かっているの?第3章 社会保障の財政❶国の「おサイフ事情」を知ろうとすること❷社会保障の財源❸国と地方、それぞれの費用負担❹社会保障関係費と社会保障給付費のちがい❺社会保障給付費の最新データ❻「公共財」としての社会保障第4章 保険って何?❶保険って、そもそもどういうしくみ?❷民間保険と社会保険の違い第2部 いざというときの「助け合い」―年金・医療・介護第5章 年金制度❶公的年金って何?❷公的年金の加入に関するアレコレ❸公的年金の給付に関するアレコレ❹公的年金に関するその他の論点第6章 医療保険❶医療保障って何?❷健康保険制度❸国民健康保険制度❹高齢者医療制度❺医療保障に関するその他の論点第7章 介護保険❶介護保険をめぐる問答❷介護保険と高齢者にかかわる要介護認定❸介護保険の全体像❹地域支援事業❺介護保険制度を取り巻く課題第3部 働くうえでの困りごとには―労災・雇用第8章 労災保険❶労働災害補償制度のしくみ❷業務上外認定❸脳・心臓疾患の労災認定―いわゆる「過労死」❹精神障害の労災認定❺通勤災害❻その他の労災補償制度第9章 雇用保険❶雇用と社会保障❷失業時の所得保障―求職者給付❸雇用継続・安定のための給付―雇用継続給付、就職促進給付、教育訓練給付❹失業の予防のために―雇用保険2事業第4部 生きているとイロイロあります第10章 生活保護❶「生活保護」ってなあに?❷不服審査請求と今日的課題第11章 社会福祉❶「社会的弱者」ってだれ?❷児童福祉❸障害者福祉❹高齢者福祉❺各分野の棲み分け第12章 災害福祉❶増え続ける災害のなかで❷自然災害と社会保障❸コロナ禍と社会保障❹見えてきた問題点第13章 住まいの支援❶住宅って必要ですか?❷日本の住宅政策❸なぜ日本の住宅政策は乏しいのか❹量から質の時代へ❺住宅だけ提供すれば問題は解決するの?第5部 社会保障を、いろんな角度から考えてみよう第14章 貧困・格差・平等論❶餓死するまで助けてもらえない現実❷「本当の貧困者」「本当に助けを必要としている人」って誰?❸大学や子育てはぜいたく?❹「弱者の救済」と「普遍的な福祉」の違い第15章 多国籍社会の社会保障❶「外国人」ってだれのこと?❷社会福祉・社会保障の法政策と外国人❸生活保護制度と外国人第16章 ジェンダー❶ジェンダー視点からみる社会保障❷シングルマザーの社会保障❸LGBTQの生活の困難❹夜職は女性の社会保障たりうるかおわりに索引コラム❶ 社会福祉基礎構造改革とは?コラム❷ 地域包括ケアシステム、どう活かす?コラム❸ ヤングケアラーを沖縄から見ていくとコラム❹ ベーシックインカムは究極の社会保障か?コラム❺ 生理の貧困【はじめに】 社会保障という言葉は、ニュースやネットでもよく目にするでしょうが、「よくわからない」とか、「ヤバイんでしょ」といったように、あんまりいいイメージがない人も多そうです。実際、バラ色とは程遠いのがいまの社会保障ですが、だからといって「じゃあなくせばいい」というほど単純な話でもありません。そこが社会保障の難しいところでもあり、面白いところでもあります。 本書のタイトルは「生きのびるための社会保障入門」ですが、皆さんはここからどんなイメージを持つでしょうか。「私たちを助けてくれる制度はこんなに色々あるんだ」といったノウハウ的なもの? 逆に「他人を蹴落としてでも生きのびるため」の手段? あるいは、「最近の流行りの言葉にあやかろうと思ったんでしょ!」と思う人もいるかも。……でも、タイトルを「生きのびる」としたのは、そういう意味ではありません。1つは、程度の差こそあれ、多くの人が生活難にあえぐ時代を「みんなで生きのびるため」には社会保障が必要なんだよ、という思いからです。大げさに思う人もいるでしょうが、社会保障とは、まさに「みんなで生きのびるため」という観点から発展してきたしくみなのです。もう1つは、いまの話と矛盾するかもしれませんが、社会保障という大きなシステム(そしてそれを取りまく現実)と対峙し、その意義や課題と正面からきちんと向き合ってほしいという思いからです。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、社会保障が対象としている「困りごと」「困っている人」「制度そのもの」のすべてが不安定ないまこそ、より良く「生きのびる」ために、原点に立ち返って一緒に考えていきたい……そんな思いを込めて、このようなタイトルにしました。 ところで本書は、初めて社会保障を学ぶ方や、国家資格受験の方にも読みやすいよう、できるだけわかりやすい記述にしていますが、一般的な教科書とは一味違った角度から、原点を考えることができるよう、いろいろと工夫もこらしています。ちょっと醒めた「ねこにゃん」、意識高い系の「ペンペン」、あまり深く考えていない「うさぴょん」に自分自身を重ね合わせて読んでみるのもいいと思います。2023年3月 編者を代表して  春田吉備彦・河合 塁【制作】装丁・本文デザイン 成原亜美(成原デザイン事務所)イラスト 成瀬優美

    ¥2,420

  • 『なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか? ――本土優先、沖縄劣後の構造』安里長従・志賀信夫

    安里 長従・志賀 信夫 著『なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか?―本土優先、沖縄劣後の構造』https://kaiin.hanmoto.com/bd/isbn/978-4-909237-75-0「本土復帰」から50年を経てもなお、いまだに基地と貧困が集中している沖縄。安全保障のためには基地の集中は仕方ないという、一方的な主張に加え、近年、沖縄の貧困問題は、沖縄の人びとの文化や性質に原因があるとする自己責任論が増えてきた。本書では、このような主張に対して真正面から対峙する。沖縄の基地問題と貧困問題に共通する原因として、「本土優先―沖縄劣後」という差別構造によりつくられた「自由の不平等」に焦点をあて、基地と貧困の公正で民主的な一体的解決をめざす提案の書。【試し読み】はじめに 本書で伝えたいこと 志賀信夫https://note.com/horipub/n/n2e3fd364c4eaはじめに 本書で伝えたいこと 安里長従https://note.com/horipub/n/n06772eb0de64目 次はじめに――本書で伝えたいことなぜこの二人なのか/立場の違い用語について第1章/貧困問題と基地問題を貫く差別の問題1貧困とは何か?2差別とは何か?3不平等と四つの言説類型4いま必要な議論とは――「自由の平等」のために第2章/沖縄の基地問題の歴史と課題1基地問題を貫く差別の問題2「手段」としての沖縄3沖縄の基地問題の本質(1)沖縄の「自己決定」の軽視と阻害(2)「本土の理解が得られないから沖縄」(3)模索されてきた「本土」移設(4)法の下の平等と積極的差別是正(5)差別と民主主義(6)民主主義の実践第3章/沖縄の貧困問題の歴史と課題1沖縄の貧困問題の現状2沖縄の貧困問題の本質(1)歴史的要因(2)沖縄の経済と産業(3)一九七二年という年の意味(4)沖縄振興(開発)特別措置法の制定(5)本土資本による経済開発(6)置き去りにされた福祉と労働者の権利(7)社会的排除論が浮き彫りにする沖縄の現状3沖縄県の貧困対策が向き合うべきこと4当事者による反差別実践の一例第4章/平等と平和1不正義の是正と平等化2平和とは第5章/沖縄論の変遷1「沖縄論」の系譜2沖縄不在の「沖縄論」3沖縄イメージの定着4沖縄ヘイトの過熱とリベラルの変容5商品化され消費される沖縄補論1/現代的レイシズム論からみた沖縄1はじめに2構造的レイシズム(制度的レイシズム)3文化的レイシズム4新自由主義的市場原理5ナショナリズムと生権力6レイシズムの定義7構造的レイシズムからみた沖縄8文化的レイシズムからみた沖縄9小括第6章/新しい提案1法理論から検討する沖縄の差別2「新しい提案」の核心3県民投票と「新しい提案」について4ボールを投げ続けるということ補論2/日本国憲法には「平等権」が保障されていない?1憲法一四条再考―国際人権法と共通の人権規範の確立に向けて2「平等権」は「積極的平和」と両輪3憲法一四条の「平等権=empty(空虚)論」4「個人の尊厳」と「構造的差別」5「平等権」は自由権か社会権か6構造的差別の廃絶には「平等権」の確立が不可欠第7章/シティズンシップを求めるアイデンティティ・ポリティクス1アイデンティティによる結集2政治的アイデンティティとは何か(1)社会的アイデンティティ(2)政治的アイデンティティ3単一のアイデンティティを回避する必要性4ポジショナリティとアイデンティティの関係5アイデンティティ・ポリティクスとシティズンシップ6対外的防御の実践と対内的制約の解消7感情の回復と構造的解決第8章/沖縄の貧困問題と基地問題の一体的解決を目指して1問題の本質である「自由」の「不平等」2「自由」の「平等」とシティズンシップの諸権利3共同性の「広がり」と「深まり」4アイデンティティ・ポリティクスと差別の是正5公正で民主的な解決おわりに参考文献一覧コラム/すこし視点を変えて1沖縄はアメリカの「施政権下」に置かれていた?2国境に面した島嶼の軍事化(要塞化)は国際常識か?3憲法の適用よりも政治的思惑が優先された復帰関連法4階層論的貧困論の弊害5社会福祉・社会保障と労働者6沖縄は男尊女卑社会?安里 長従 (アサト ナガツグ) (著/文)沖縄県石垣市出身、司法書士。沖縄国際大学非常勤講師。石垣市住民投票裁判原告弁護団事務局。「辺野古」県民投票の会元副代表。沖縄生活保護基準引下げに基づく保護費(減額)処分取消請求裁判原告弁護団事務局。基地問題などに関心を持ったのは、2002年に司法書士となり多重債務者の対応などをしているなかで沖縄の構造的な問題に気づいたのがきっかけ。それ以来、「基地」と「貧困」の一体的な解決を求めて活動を続けている。主な著書:『沖縄発 新しい提案―辺野古新基地を止める民主主義の実践』(共著、新しい提案実行委員会 編、2018年、ボーダーインク)、『福祉再考―実践・政策・運動の現状と可能性』(共著、田中聡子/志賀信夫 編著、2020年、旬報社)。志賀 信夫 (シガ ノブオ) (著/文)宮崎県日向市出身、県立広島大学保健福祉学部准教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専門は、貧困問題、社会政策。個人的経験から貧困問題に関心を持ち始め、貧困研究をはじめる。2017年に安里と出会い意気投合し、沖縄の問題に強い関心を持ちはじめ、社会的排除理論を通して考え、本書の執筆に至った。主な著書:『貧困理論入門』(単著、2022年、堀之内出版)、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』(単著、2016年、法律文化社)など。

    ¥2,640

  • POSSE vol.52(特集:奨学金を帳消しに! 立ち上がる借金世代)

    [特 集]奨学金を帳消しに! 立ち上がる借金世代小島庸平/岩重佳治/アストラ・テイラー/奨学金帳消しプロジェクトメンバー座談会低賃金・不安定な労働市場が広がり国家による社会保障も不十分な状況では、「普通」とされている生活を送るために、私たちは借金に頼らざるをえない。賃金低下が続く2000年代以降、こうした傾向はますます強まっており、低賃金・不安定な労働と貧困そして借金が、若者の生活に影を落とし、未来への可能性を奪っている。なかでも「奨学金」という名の借金は若者に重くのしかかり、本人だけでなく保証人となった家族をも巻き込みながら、世代をこえて家族破産の危機すらも引き起こしている。本特集では、若者の貧困を、奨学金・借金という視点で、改めて可視化することを試みた。そして、奨学金制度についての問題点を、現場の実態や歴史的観点から掘りさげる。さらに、この状況を変えようと立ち上がる借金世代の運動を取り上げ、その可能性を探る。■目次[巻頭インタビュー]パンデミックとジェネレーション・レフトキア・ミルバーン(政治理論家)[特 集]奨学金を帳消しに! 立ち上がる借金世代「サラ金」化する奨学金―歴史的視点から制度の根幹を問い直す小島庸平(東京大学准教授)自己破産は権利!―返済できない場合には積極的に活用しよう岩重佳治(弁護士)立ち上がる借金世代―なぜ私たちは奨学金帳消しプロジェクトを立ち上げたのか岩本菜々(奨学金帳消しプロジェクトメンバー)奨学金帳消しプロジェクトメンバー座談会自己責任では生きていけない! 借金世代のリアルと社会運動奨学金「過払い」の闇―相談事例から見るJASSOの問題点本誌編集部債務者よ、団結せよ! 恥以外に失うものはなにもないアストラ・テイラー(デット・コレクティブ共同代表、映画監督、作家)奨学金問題から見えてきた新しい貧困運動の形―「被害者救済」運動を超えて青木耕太郎(総合サポートユニオン共同代表)[ミニ企画]『貧困理論入門』刊行記念 反貧困の理論と運動をアップデートせよ貧困理論から生存権を問い直す―生活保護引き下げ訴訟は何と闘っているのか?喜田崇之(弁護士)×志賀信夫(県立広島大学准教授)貧困理論は「二〇世紀型」から脱却できるのか―優生思想ではなく、連帯による自由の平等を志賀信夫(県立広島大学准教授)×渡辺寛人(本誌編集長/POSSE事務局長)[単 発]ジェンダーから労働・貧困を考える―「生理の貧困」と「更年期離職」谷口歩実(「#みんなの生理」共同代表)×青木耕太郎(総合サポートユニオン共同代表)×竹信三恵子(ジャーナリスト、和光大学名誉教授)若者の貧困の現状と生存戦略の変容今岡直之(NPO法人POSSE生活相談チーム)[連 載]父の過労死 会社と闘ってきた10年間第4回 苦しみながら闘った裁判高橋優希映画のなかに社会を読み解く最終回 ファッション映画から社会を読み解く『オートクチュール』『プラダを着た悪魔』『クルエラ』『ファントム・スレッド』『メイド・イン・バングラデシュ』西口想(文筆家・労働団体職員)×河野真太郎(専修大学教授)スポーツとブラック企業第13回 アントニオ猪木とブラック企業経営者常見陽平(千葉商科大学国際教養学部准教授)『資本論』体系と資本主義システムの形態変化(3)恐慌論の体系からポスト資本主義の体系へ佐々木隆治(立教大学経済学部准教授)POSSE最新ブックレビューINFORMATION■表紙の写真「Microplastics」2mm以下に砕けたプラスチックごみ(マイクロプラスチック)の詳細な姿を特殊な方法で撮影したシリーズ。岡田将(Susumu Okada)写真家1984年 東京都出身。2018年キヤノン写真新世紀にて優秀賞受賞。主なグループ展にT3 PHOTO FESTIVAL(2020/東京)、MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館(2021/奈良)など。HP:https://www.susumuokada.comInstagram:@susumu_photo■ブックデザイン末吉亮(図工ファイブ)

    ¥1,540