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『自然知能』を読む

AI(人工知能)が云々されていますが、人には持って生まれた「自然知能」を持ちあえている事を、改めて認識すべきと云う外山流の啓蒙書です。

8月の発刊。先行予約のAmazonでポチッとしました。
8月3日 到着。

『自然知能』外山滋比古 著
扶桑社 (2023.08.08.)

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はじめに

今年(2023年)のはじめ頃から、AI(人口知能)に対する関心が急速に高まってきている。
「チャットGPT」と云う対話型生成AIが登場し、一般の人々にとって、にわかに身近な存在になった。
著者 外山滋比古が他界したのが 2020年(令和2)だから、2017年の春ごろに執筆した原稿が、未刊のまま、出版社(扶桑社)に保管されていた。
最近の人工知能のめざましい進化や、社会に与えた衝撃の大きさなどは知らないままに本書は書かれています。
出版社からは、人工知能が社会の注目を集めている今だからこそ、この本を出版する価値があると、熱心に説得された。
人工知能に対して、期待感と危惧が入り交じっている時期に、改めて人間が持つ自然な特質とは何か、人間の強みと弱みはどのようなものなのかを問い直すことは意味のあることだろう。
刊行にあたって 外山みどり より
pp.179〜181.

「自然知能」と「人工知能」

「自然知能(Natural Intelligence)」と云う言葉は、人工知能に対して新しく考えた造語です。
「人工知能(Artficial Intelligence)」p.16
自然知能とは、生まれながらにして持っている能力です。p.18
英語で教え・教育と云うのを「educate:引き出す」が元義と云うのが面白い。
自然知能が賞味期限に掛かった時期 小学生の頃に、内に持っているものを引き出してやる。pp.20〜22.

人工知能の始まり

人工知能の始まりは、計算能力を持つ機械・コンピューターが登場した20世紀の半頃だと言われています。p.26
暗算と計算機
暗算能力が普通だった日本では、電卓に頼り過ぎ「自然知能」である暗算能力を捨てた。p.61

自然知能とは

自然治癒力や気配を察知したり、危険を予知する能力を人間が持ち得ている能力と言えるだろう。pp.32〜48.

経験値

経験値は、忘れて忘れ切れなかったところから生まれる。p.78

忘却力

レム睡眠について
記憶は、重要だが忘却は有害だと決めつけている誤解。p.106

嗅覚・味覚

嗅覚は、動物にのみある感覚。p.110  
母乳で覚える味覚の価値。p.122

手のはたらき

手の指は、よい刺激を与える。
手を当てて病気平癒を願う。
「手当て」の語源。p.130
「手触り」の感覚。p.132

口のきき方

口のきき方は、聞きわけが出来るようになってから覚える。p.141

聞きわけ

聞き分ける力が、人工知能の根源である。p.158

しゃべる(喋る)

おしゃべりは、ひとりでは出来ない。p.162

歩く

歩くことは、自然知能の泉。p.175

感想

人工知能の始まりは、計算能力を持つ機械・コンピューターが登場した20世紀の半頃だと言われています。p.26
それまで培われた、筆算や暗算は、機械に取って変わられた。
しかし、自然知能としては、持っておくべきだと思います。
生まれ持った能力(自然知能)を誇れ!
※ 本の帯より

【シェア】外山滋比古『自然知能』

2023.08.05.
今後、適時 加筆する予定です。
しばらく積読(発酵)します。