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本を読むと云うこと


はじめに

『読みの整理学』の初版は、講談社現代新書の『読書の方法』(1981.11.)

ちくま文庫として『読みの整理学』(2007.10.)

そして、今回の附録を加えた新版になります。

新版『読みの整理学』
附録 pp.247〜284.
外山滋比古 著
ちくま文庫 (2024.05.10.)

外山滋比古氏が亡くなった後、附録の章が、ご家族の了承のもと、著者による本や読書に関する文章の中から「ちくま文庫編集部」により精選し再構成されました。
(外山滋比古:1923.11.03.〜2020.07.30.)

【本の読み方には2種類ある】

① 知っていることを読む〈アルファ読み〉
② 未経験のことを読む〈ベータ読み〉
これによってあなたの〈読み方〉が変わるだろう!と書いてあります。
pp.112〜120.

ひとつは、知っていること(既知)を下敷にした読み方。(アルファ読み)
次に、そこからの類推する読み方。(ベータ読み)
この2つを合わせた混合読みが大切になってくる。

つまり、知っていること(既知)だけを読むのではなく、 そこから類推する読み方をしなくては本を読む意味(効用)を成さない。
pp.116〜120.

【目次】
◆ はじめに
◆ 序章
1) 未知が読めるか
2) マニュアルがこわい
3) 論語読みの論語
◆ 第I章
1) わかりやすさの信仰
2) スポーツ記事
3) 自己中心の「加工」
4) 音読
◆ 第II章
1) 教科書の憂鬱
2) 裏口読者
3) 批評の文章
4) 悪文の効用

◆ 第III章
1) アルファー読み・ベーター読み
2) 幼児のことば
3) 二つのことば
4) 切り換え
5) 虚構の理解
6) 素読
7) 読書百遍

◆ 第IV章
1) 古典と外国語
2) 寺田寅彦
3) 耳で読む
4) 古典化
5) 読みと創造
6) 認知と洞察

◆ エピローグ「モモタロウ」解読
◆ あとがき
◆ 附録
本とのつきあい
"半読"について
つれづれ
ふえる
整理
翻訳文化の中のこと

【読書百遍】『本を読む本』

次に、外山氏が翻訳し、1978年日本ブリタニカから刊行。
その後、1977年に講談社学術文庫として発行された『本を読む』を、読む。

『本を読む本』
原書名『How to Read a Book』
M.J.アドラー C.V.ドレーン
外山滋比古 槇未知子 訳
1978.06. (日本ブリタニカ)
1997.10.10. (講談社学術文庫)

【Note】2020.03.23.

【Note】2022.02.22.

【2冊を読んだ感想】

2冊を読んで、本の読み方について示唆に富んだ内容でした。
先ず『本を読む本』からは、初級レベルの読み方を習得するための準備が整う時期について。
次に、第二段階は、子供は ごく簡単なものの読み方を覚える。
第三段階では、文脈をたどり知らない単語の意味をつかむ技術を身につける。
最後の第四段階では、得た知識や概念を消化して、次の本を読み、ひとつの主題(テーマ)について比較する事が出来るようになる。
pp.32〜35.

次に、外山氏の『読みの整理学』を読むと、アルファ読みとベータ読みについて書かれていました。
アルファ読み:知っていること(既知)を下敷にした読み方
ベータ読み:そこからの類推する読み方
本は、沢山読めば良いのではなく、質を問うことが疎かにされては困る。
① 既知を読むアルファ読み
② 未知を読むベータ読み
① ②の区別と、①〜②への移行・考察が、新しい読み方を拓く。との内容でした。

2024.09.06.