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『町内会』中川剛著 を読む

1947年(昭和22年) 訓令によって廃止された町内会は、三か月後にはその八割が復活した。
アメリカが自国の自治の理念を日本に移植しようとした試みは成功したといえるのだろうか。

内務省と占領軍民政局との間の交渉経過は、そのまま日米両国の社会構造と人間関係の規範の原理的差異を浮かび上がらせた。

戦後史を通じて日陰の位置にあった日本伝来の隣保組織のなかに、借り物ではない自治の可能性を虚心に探り始めた犀利な日本社会論。
【ブックレビューより】

『町内会』中川 剛 著
中公新書 (1980.10.25.)

【はじめに】町内会の沿革

隣保の起源
名称としては、昭和に入って一般化したもの。
有名なのは、江戸時代の「五人組」
古代の「五保の制」
五= "伍" 仲間を意味する
相互検察 互助共済 共同担保

1947年(昭和22年)5月3日 政令により、町内会などの隣保組織は廃止された。
しかし、昭和27年の10月に講和条約が失効廃止後の3ヶ月以内に、8割近い隣保組織が復活していた。
pp.141〜161.

【自治会】政策としてのコミュニティ

生活の場における人間性の回復
1969年(昭和44年9月)「国民生活審議会」
【PDF】

pp.158〜163.

【コミュニティ(community)とは】

地域社会あるいは共同体のこと。
地域に根付いた地域共同体を意味します。
住環境として使われる場合は地域共同体を意味し、住民の間のつながりや相互の協力関係などをいいます。

【問題提起】

コミュニティについて 
町内会は、保守的な組織であり、機能的にも未分化な日本において、はたして個は活かされか?
pp.132〜138.

日本の「隣保組織」は、相互検察 互助共済 共同担保 が目的でした。
そこに、戦後 アメリカ的な「自由」を基本とする組織が定着するのか?
考えてみたい。

【政策としてのコミュニティ】

先の報告書(PDF)では、行政の盲点とされ放置されてきた「コミュニティ」と云う課題。
自主的で責任を自覚した個人と家庭を構成主体とするコミュニティを、人々の連帯のために形成していくことの重要性が強調されている。
p.162

【Noteより】「町内会の今後について」

『町内会』中川 剛 著
中公新書 (1980.10.25.)

【関連書籍】『町内会は業務ですか』

2023.10.07.