見出し画像

上杉雪灯篭まつりを知っていますか?


藤島さんからのLINE。ちなみアイコンはこころMojiの「剣」。


この瞬間、私の週末の予定がガラリと変わった。

藤島瑛太郎さんの腰巾着(最近秘書にランクアップした)を始めてからはや三ヶ月。
今回向かうのは山形県米沢市。竹あかりの設置を手伝いに行きました。
上杉雪灯篭祭りが2月11、12日であるらしく、前日から準備が始まるのだという。

2月4日。出発5日前のお声掛けである。チャンスは突然やってくるものだ。
時期は春休み。究極のインドアを極める私に予定なんてものはなく、爆速で宿を予約しました。

初山形。どんなものかとワクワクしていました。東北地方には仙台に講義で行ったことがあるくらい。そのお隣の山形は、踏み入れたことすらありませんでした。

しかも私の好きな竹あかり。
何が面白いかは明らかですし、何を優先すべきかも明らかですね。
藤島さんについて行けば面白いことがたくさん待ってますから、行くしかないのですわ。

竹あかりとは
竹にドリル等で穴を開けて、中にろうそくやLEDを灯して光らせるオブジェのこと。

こんなの

愛知県安城市の南明治八幡社

とか、こんなの


東京都府中市のけやき並木通り

とかが竹あかりです。綺麗ですよね。全部竹です。
竹に穴を開けて、こないなものを作っておるというわけ。
藤島さんはこの竹あかりを作っちゃうアーティストです。実はとんでもない人です。

で、この設置が雪灯篭まつりであると。颯爽と始バスに乗り込んで、山形県米沢市へ向かいました。
作業は前日の10日の朝から。というわけで9日に前乗りです。

上杉雪灯篭まつりとは
雪灯篭(雪で作った灯篭)や雪ぼんぼりを地元の中学生、高校生、社会人の皆さんで作るお祭り。
先人達の御魂に献灯し、平和を願う「平和」、市民参加型で米沢を愛する心を作る「市民参加」、他の地域からやってくる人を心からもてなす「おもてなし」の三つをコンセプトに1977年から行われているお祭りでもある。

http://yukidourou.yonezawa-matsuri.jp/
上杉雪灯篭まつり公式ホームページ

いざ、山形!

見えている地面からして、30センチ以上は積もっていますね!

ヒョワ~!!!

こんなにどっさり雪が積もっているのは初めて見ました。
ちらほら降ることはあっても、積もるところは見たことなかった私。初雪国にテンションは爆アゲ。

雪が積もりまくった公園に入っては、ズボッと膝まで沈んで悲鳴をあげたり、つららを見てキャイキャイしてたら藤島さんに置いていかれました。趣味がスノボの藤島さんは見慣れてるとのこと。
ホテルまでの道のりは長いものでしたが、堆く積もった雪を見上げたり、ふかふかの雪や凍った路面を歩くのは楽しくて、スーツケースの重みすらも忘れてしまうほどでした。
いつも通りズイズイ歩いていく藤島さんに私はすっ転びながらついて行くのでしたとさ。凍った路面を普通に歩いていけるの、すごいな……。

最上川の様子。とてつもなく寒い

1日目!

翌日。いよいよ作業開始です。
昨日しこたま飲んだのにも関わらず、とんでもない早起きができたので、気まぐれで早く出発することにしました。

道中もなかなか楽しかった!

朝日に照らされて落ちる屋根に溜まった雪。歩道が歩けないくらいにこんもりと積もった雪。凍った路面と雪かきをする人。

朝早いこともあって、誰も踏んでいないふこふこの雪が一面に見えました。
写真を撮ろうとして何度もスマホを雪の中に落としたので、歩きスマホはやめようと決心。気温は氷点下。手がかじかんでうまく動かないのに気がつきました。しかし、そんなことすらも面白い。こんなに寒い思いをしたのは久しぶりでした。

集合時間1時間前に現場に到着しました。

現場は上杉神社前の広場。
集合場所には当然のように誰もいない。暇です。
立ち止まっていると両手両足が凍っていくので、せっかくだし、と思い上杉神社を参拝することに。
雪が音を吸収するのか、境内はものすごく静か。
木の揺れる音すらも聞こえない。風の吹く音も聞こえない。池の水も凍っているから水の音も聞こえない。聞こえるのは自分の足音だけ。
自然の無音空間に圧倒されながら、参拝。

手水舎のつらら。長い。

引き返して、しばらくのんびりしていると藤島さんも到着。
「飯食ったか?」
 朝ごはんを抜く派の私は食べてないと言うと、どつかれました。
「これから体動かすんやぞ! 動けなくなるやろ!!」
と、おにぎりを渡されました。2個。優しいですね。

もらったおにぎりを食べていると集合時間になって、作業が始まりました。
竹あかりのセットを運んでいただいたCHIKAKENの三城さん(藤島さんはここからお呼ばれしている)、三大学合同サークルAccel Link米澤の大学生の方々、山形大学生協の実行委員の方、雪灯篭祭りのプロジェクト「夢プロジェクト」に参加されている社会人の方、10数人くらいがずらっと勢揃いしました。
本日の作業は、竹あかりの組み立てと、細かな修繕。これだけの大人数であればすぐに終わっちゃいそうです。

これから設営をする竹あかりたち。まだまだ運び込まれてきます。

まぁ、こんだけあるんですけどね。

竹あかりの設置は5年前から始まったそうで、そこから使っているものもあるそう。
中のLEDが外れていたり、なかったり、竹自体が割れてしまっていて支えから直さないといけないものもありました。
毎年展示されるんだから、そりゃ年季も入りますね。
それに雪の中設置されるのだから、傷みもします。ただ、そういう竹は新しい竹にはない深みや歴史の跡があってそれはそれで良いなぁと思います。
竹あかりの設置のほかにも、キャンドル展示もあるそうで、そちらの備品のチェック班と竹あかり修繕班に分かれて作業が始まりました。

とんでもない遠方からやって来た私は(しかもCHIKAKENの人間でもない。もっと言えばただの腰巾着)、物珍しかったのか、大学生の方々にたくさん話しかけてもらえました。

コミュ障キモムーブ多めな私でも、地元の話だったり、大学で勉強していることだったりを話すうちに初対面とは思えないくらいに仲良しになりました。
「姐さん」と呼んでくれる人も……出会って数時間しか経っていないのに、めちゃくちゃ嬉しかった。
完全な異分子な私を一緒の輪に入れてもらい、人の温かさにダイレクトアタックされました。

「元々竹あかりに興味があったの?」
「竹あかりっていうより、地域おこしとか、お祭りの手伝いが元々好きで……」
地域おこしに興味を持って、SNSの告知から集まってきた人もいたそう。
米沢で地域おこしをやりたいために、越してきた人もいたそうで。

興味関心から行動に移すことの難しさを知っているので、すごいなぁと心から感心しました。動けるというのは大きな長所です。米沢市への熱い想いが伝わってきます。
話をしている人たちはキラキラしていて、とても素敵でした。

友、ゲットだぜ! とニタニタしていると藤島さんがなんとも言えない表情で「ヨカッタネ」って言ってくれました。
寂しいのでしょうか。もしくは私の笑顔が気色悪いのでしょうか。

作業自体は楽しくて、黙々とできるものなんですが、まぁ寒い寒い!
2月の山形の平均気温が0度。極寒です。しかも雪灯篭祭りって言うくらいなので次から次へと雪がどさどさと降ってくるわけです。
2月の平均気温6度のエリアに住んでいる私は、そのままの格好で突入していったわけです。インナーを二枚重ねしただけでは耐えられない寒さがそこにあります。

動けばあったかくなるでしょう、とたかを括っていたのですが、そんなこともなく。体温が高いことが自慢の私でも末端の感覚がだんだんなくなってきました。

ちょっとでも止まっていると、足の指先の感覚がなくなっていく。スニーカーに遮熱機能はないのでですね。震えながら作業を続けていきます。
「靴のサイズ、いくつ?」
飛んだり跳ねたりしていたら、スキー講師をされているという女性の方から声をかけていただきました。彼女は「夢プロジェクト」の1人です。
そんなに特徴的な足の形をしてたっけ? 不思議に思いながらサイズを答え、また作業に戻ります。

しばらくすると、その方が大荷物を抱えて帰ってきました。
「もしよかったら、着てね」
と、上着と防寒ズボン、ブーツを持ってきてくれたのでした。藤島さんの分も。
あまりにもびっくりしすぎて「良いんですか!?」しか言えなかった私ですが、ものすごく心があったかくなりました。
「こんな古着で申し訳ないけど……」
いやいや、何を仰いますか。最高ですよ。
その場で着替えると、心も体もあったかくなりました。

初対面の、よくわからない若者に対して自分の服をわざわざ取りに行ってくれたその行動力と優しさに胸が熱くなりました。
素敵な人だなぁ! あったかすぎる!!
もこもこにグレードアップした私は一層やる気が出てきて、作業に熱中しました。

足の指先の感覚も戻ってきたところで、作業もズイズイ進めていけました。
午後からどっちゃり雪が降ってきて、極寒の中、LEDのコードを結束バンドで留めまくる作業はかなり指先に疲労が溜まっていく。中腰の姿勢もなかなかに辛い。
軍手をつければよかったものの、あまりに不器用ゆえに、もこもこの手先ではバンドを扱えないのでつけませんでしたと。

竹の繊維がチクチクして何度も手に突き刺さったけれど、あったかい服と、たくさんの人とお喋りしながらする作業はとても楽しくて、痛みも疲れも感じなくなっていました。
ついでに、導線を剥く作業をしたのですが、藤島さんに「手直しなしの上手さ」と言っていただき、ウヘヘとなりました。
着実に私も竹あかりマスターになりつつありますね。

1日目、夜。

その日の夜は米沢市の公務員である相田隆行さんにお呼ばれして、行きつけの飲み屋に向かいました。
夜に降る雪の綺麗なこと! 街頭に反射する粉雪がキラキラ輝いています。
自然のイルミネーションに歓声を上げていると、「ダイヤモンドダストって言うんだ」。見慣れている藤島さんが教えてくれました。
「綺麗なものずっと見てたら、心も綺麗になりますね」
「雪国の人は自然と感性が磨かれてるからなぁ」
心が綺麗な人がいっぱいいるから、町全体もあったかくて素敵なんでしょうかね。

「おー!よくきたね!!」
CHIKAKENの三城さん、アクセルリンクの元代表さん、そのツレ、お祭りの屋台を出す予定の酒造のご夫婦(新潟第一酒造さん)、などなどたくさんの人が一堂に会しました。
「米澤にようこそ! 県外からわざわざありがとうね!」
相田さんは、昼に会った時に、真っ先に私と藤島さんに「今日の夜、飲みに行こうね!」と誘ってくれた笑顔の素敵な方でした。
この勢いと、この笑顔には絶対面白いものがあるぞとワクワクしていました。
相田さんは、この雪灯篭祭りにかける想いを語ってくれました。

上杉雪灯篭まつりはそもそも、死者を偲ぶために行われたものだったそう。
第40回の上杉雪灯籠まつりの際、震災直後だった熊本のへの祈りを捧げるために、雪灯籠まつりで何かできれば良いのではないかと考えた。
そこで、熊本に拠点を置いているCHIKAKENさんとコラボをして、竹あかりを展示しようと。
しかし、役所では「山形でする意味は?」と反対されることもあったそう。
そこで、「わかった、別のところでやる!」と、祭り当日、会場とは違う場所で竹あかりの展示を行ったそうな。住民の皆さんには大評判だったと。
それからしばらくして、祭りと竹あかりの本当のコラボに至ったと。

相田さんのお話まとめ

そう語る相田さんは終始ニコニコしていて、本当に楽しそうでした。

「この竹あかりでね、地域をつなげるんだ。地域の住民同士もつなげるし、地域と地域もつなげる。米沢と熊本も、これで繋がったんだ。だから、2人がきてくれて本当に嬉しいんだ!」

確かに、この場の新規参入者は私と藤島さんの2人。藤島さんはともかく、私はよそ者オブザよそ者。
そんな私たちを温かく向かいれてくれて、「ようこそ!」なんて言える相田さんがとてもとても格好良く見えました。背中に「米沢」の文字が入ったTシャツ。彼は本当に米沢市を盛り上げようとしているんだなぁということが伝わります。
私はただただ藤島さんに付いてきただけですよと捻くれたことを言うと、

「本当によく来てくれたよ。確かにきっかけは偶然だったかもしれないけれど、現にここに来ようと思った選択肢を選んだのは、自分自身だよ。その行動力を褒めなくちゃ!

なんてキラキラした人なんだと!
あとちょっとお酒が入ってたら泣いているところでした。それをすかさず「泣いてばっかりやな!」とか茶々入れる藤島さん。そんな頻繁に泣いてませんがな。

「地域を良くするのはね、いつだって若者と、よそ者と、馬鹿者なんだ。力のある若者と、いろいろなアイデアを発見できるよそ者と、やりましょうよ! って突っ走る馬鹿者! この三つなんだよ」

「親からもらった恩はね、親に返すんじゃないよ。親だけじゃない。他の人からもらった恩はその人に返すんじゃなくて、もっと他の人に恩を配るんだ。恩返しならぬ、恩送りだね!

ニコニコ笑いながら、教えてくれる話はどれも新鮮で。そして熱意と夢に溢れているものでした。
そして、相田さんは何度も「役割」の話を繰り返しました。

「人にはその人にしかない役割がある。俺は、人の役割を見つけて、引き出す役割を持っていると思っているんだ」

相田さんの笑顔と、勢いと、情熱で、誰かの役割を見つけて、それを引っ張り出す。その光景がありありと目に浮かびます。
確かに、各人に対する想いを米沢を語る時と同じくらいの熱さで語るのだから、その人も嬉しいでしょう。それに、自信にもつながるし、「もっとやれるかも!?」とか思っちゃうかも。
その人の良さ、その人の才能だったり好きなことを引っ張り上げる力が確かに相田さんにはあるなぁ。

人のために動くことの難しさ、他者を想うことへの若干の抵抗を覚えていた私は、相田さんの優しさに触れて、じわじわと心が溶かされていくのを感じました。
ここ数日考えていた「自分のことを一番に考える」という私の持論が、ぐらつく。

人のことを考えられる、想える人になればもっともっと最高なんだろうなぁと思いながら、相田さんの笑顔を見ていました。超キラキラだ。

しみじみと話す右手には日本酒。これがまた飲みやすいのだ。
名前は記憶の彼方だけれど、飲み会が終わるまでに3人で2升空けてしまった。

「彼女、小説家で——」
「君たち、顔似てるなぁ! 兄妹って言われても信じちゃうよ!」
いつかのように藤島さんが私の紹介をしようとした瞬間に、相田さんが挟み込んだ。
私、爆笑。藤島さん、ポカン。
「なんか、目とほっぺが似てるね」
顔の半分以上やないか。アクセルリンクの元代表からの追い討ち。呼吸ができなくなるくらい笑いました。
親以外で誰かに似ていると言われたのは初めてでした。生まれも育ちも環境も全く違うのに、似てるって言われることあるんですなぁ。
しみじみしていたのに横では打ちのめされている藤島さん。「ショックだ……」本音が漏れています。そんなに嫌かと。
まぁ、親分側からしたら箔がつきませんわな。それを踏まえて面白すぎたので、しばらく笑い転げていました。

そんなどんちゃん騒ぎでひとしきり盛り上がって、相田さんの熱意や、過去の話なんかも聞けちゃって、とてもとても最高な時間を過ごせました。

しれっと私の名刺も渡して、「お祭りのこととか、相田さんのこととか、noteで書いてもいいですか!」って聞きました。藤島さんにいつもいつも紹介してもらうばっかりじゃダメだなぁって、思えてきました。
「もちろんだよぉ!」キラキラの笑顔で返してくれました。
この笑顔に、みんなが引き寄せられるんだなぁ。

帰り道、まだまだ降りしきる雪の中に相田さんは飛び込みました。
「米沢の人はさ、この雪が当たり前だと思ってる。邪魔だなぁ、厄介だなぁって思ってる。でも、他の地域の人からしたら、雪はすごく面白いものに見えるんだよなぁ。こういう視点で、地域が盛り上がっていくんだよ!
私も一緒になって飛び込みます。

確かに、その場所で暮らしていたら当たり前なことも、他の場所からやってきた人からしたら当たり前ではないのだ。その新鮮な気持ちから新しいアイデアが湧いてきたり、面白い企画に繋がる。これでまたみんなが盛り上がれば最高じゃないかと。

最高ですね!!

そんな視点を常に持てたら、もう、面白人間どころの話ではない気がします。

ちなみに、4時間ほどご一緒したのですが、相田さんは全部の記憶がさっぱり飛んでいるそう。「何話したか覚えてないよ!」
面白すぎるオチをつけてくれたところで、次の日へ。

二日目!

前日の酒のせいか、寝不足のせいか、いつもよりも重い体と頭を引きずりながらみなさんの到着を待ちます。本日はより多くの学生さんが手伝ってくれるとのことで、ワクワクしていました。自分の体よりも何よりも、新しい出会いを楽しみに、胸を膨らまします。
二日目の作業はいよいよ竹あかりの設置。たくさんの竹あかりを雪山の広場まで運び込みます。

とても良い天気!

滑る足元に気をつけながら、全部の竹あかりを広場に集結させて一息。
さて、ここからが本番です。

竹あかりはただ並べれば良いというわけではない。

不安定な雪の上で、どの角度で配置すれば一番綺麗に見えるのかを微調整していきます。
雪の中の竹あかり展示はこのお祭りでしかやっていないそう。雪の特性を生かしながら竹あかりを設置できるのもここだけというわけです。

位置が決まったら、雪で固定して、LEDの配線を一本にまとめて、専用の工具で繋げていきます。

さて、気温は0度。昨日のような吹雪ではないものの、むしろ快晴ではあるが、寒いものは寒い。
いただいた服を着込んで、夜のライトアップに向けて作業を続けます。
繊細さ勝負な作業です。キンキンに冷えた雪を素肌に感じながら行う作業はまさに修行。

「雪遊びと作業が同時にできて、いいね!」と、言いやがる藤島さん。遊びは遊び。作業は作業です。何をちょけたことを言っているんだ。キリッと言い返したかったものの、雪にテンションの上がっている私は普通に「そうっすね!」と返事していました。確かに、楽しいがすぎました。

配線をまとめる作業は頭脳パズルみたいで、結構大変。正面から黒コードが伸びて見えちゃうと、ライトアップした時に光の邪魔をしてしまうから、神経も使う。

「どうすりゃええんや!!」と何度頭を抱えたことか。その折に、いろんな人から「この辺にこうすればいいのでは?」「雪で壁を作っちゃいましょう!」と新しい発想をもらって、解決しました。
たくさん人がいると、1人で悩まずに済みます。助けられました。
3人集まれば文殊の知恵。もっといても文殊の知恵です。

作業自体は夕方には終了し、ライトアップまでに設営は完了しました。
昨日ご一緒させてもらった新潟第一酒造さんにも立ち寄り、お餅を購入。「いっぱい飲んでたからね、当分お酒は見たくないでしょ!」と笑ってくれます。その通りです。自分のためのお土産も買いました。

蓬と墨が入っているおもち。某鬼滅の刃っぽいカラーリングですが、三郎というのは、浦川原農産物加工組合の創業者さんのお名前であるそう。

達成感と、満足感。やり遂げるってとっても気持ち良いですね。ここまで一緒にやり遂げてくれたみなさんに大感謝でした。

キャンドルゾーン。全部ろうそくが入っています。

「竹あかりの設置したことないから、ちょっと不安です」なんて言っていた方も、「こういう作業、得意かもしれません! また竹あかりやりたいです!」と笑顔になっているのを見て、私も大満足です。
初めて設営のお手伝いした時、同じ気持ちだったなぁとしみじみ思い出す。
どんどん仲間が増えていく実感を噛み締めながら、もっと竹あかりをいろんなところでやってみたい! と思いました。
いろんな人と、設置から始めたら、それはそれは楽しいだろうと。

誰かと作業をすることの楽しさ、それが達成される喜び、これは実際に手を動かさないと、その場所に行かないとわからないものです。

何よりも、一番動き回ってた藤島さんは格好良かったです。
昼休みも先に抜け出して、設置の修正してるの知ってるんだからね! 
みんながくっちゃべってる中、1人で黙々と竹あかりの修理してるの、見てたんだからね!

日がとっぷり暮れて、いよいよ点灯!

フォトスポット。相田さんがずっとカメラ係をしていました。
配線を綺麗にまとめたおかげで、後ろの黒コードが全く気になりません。素晴らしい!!

めちゃくちゃ綺麗です。頑張った甲斐がありましたね。たくさんの人が「綺麗だねぇ」写真を撮ってるのを見ながら、心がポカポカします。

さて、ライトアップを見届けて私たちは帰路につきました。翌日別の県でワークショップがあるのでそこに向かわねばならぬのでした。
帰り道は、服をくれたスキー講師の方に車で駅まで送っていただきました。
「ついでだったから、良いのよ」
さらにお土産のお菓子までいただいちゃって。
すぐにそんな提案ができる彼女は本当に素敵だなぁと思います。
お祭りで道がめちゃくちゃ混雑していたのにも関わらず、私たちを拾い上げてくれて、駅へ。その中でも、楽しいお話がたくさんできました。

お祭りは翌日12日に続いていきます。撤収作業は残りの人に任せて、我々は旅立ちます。
帰りの新幹線でふかふかの座席に座って、ようやく溜まっていた体の疲労を思い出して、私と藤島さんは、お菓子を食べながら泥のように寝ました。

振り返り

短い時間だったけれど、私を「姐さん」と呼んで仲良くしてくれた人にまた会いにいくために、米沢を第二の故郷としました。
米沢を離れた瞬間から故郷認定しました。

こんなにも人に優しく、温かく迎え入れてもらえたのは初めての経験でした。
こんなにも人のためを思って行動する人がたくさんいるのだと気付かされた二日間でした。

元々、地域活動には消極的でなかなか参加する機会がありませんでした。そもそも、団体行動が苦手オブ苦手でした。
人間の荒波に揉まれて「人間関係、や〜めた!」と思い立ってから長いこと時間が経っていたので、自分以外の他者と深く関わる機会が全くありませんでした。

ですが、竹あかりの設置を通して多くの人と仲良くなれて、その人の考えを聞く機会が爆発的に増えてから、だんだん私の中で凝り固まっていた何かがじわじわと溶かされていきました。
生活の話や、米沢の話、自分の将来の話。
普通にぼんやり過ごしているだけでは聞けない話を、たくさん聞きました。私もなかなか話さない私の話をたくさんしました。

その時間がとても嬉しくて、とても楽しくて、とても心が温かくなりました。

めちゃくちゃ寒いのに、心があったかいから、震えもしません。
めちゃくちゃ疲労が溜まっているのに、心があったかいから、疲れた気もしません。
手の甲が傷だらけで寒さでずっと痙攣していたけれど、そんな手が愛おしく思えました。この二日間の勲章のようにも見えます。

あったかい人は、地元にも、住んでいるところにも、いっぱいいたかもしれません。
でも、この人の温かさに気づいたのは米沢に来てからでした。
米沢に来れたから、知れたのでした。

藤島さんが、竹あかりが、教えてくれたこの「繋がり」を、これからも大切にしたいですね。

上杉雪灯篭まつり公式サイト
Accel Link米沢公式サイト
夢プロジェクト『竹あかり×ゆき×祈り』

最高オブ最高な団体のリンクまとめです

この記事が参加している募集

お祭りレポート

いただいたご支援は移動費やイベントの資金にします。