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G線上のあなたと私 第4話 無自覚の好意がにじみ出てるよ

G線上のアリアの「アリア」は叙情的という意味。今回は心の動きが表情や行動に自然に出るような回でしたね。

婚約破棄された者同士である也映子と眞於

「人を好きになるとか、本当暴力です。小暮さんもそう思うでしょ?」という眞於の言葉。理人の好意に対してというよりも、自分を振って芙美と結婚した侑人と、すがる気持ちをぶつけた眞於自身に言っているようにも聞こえる。

その後の教室でのモノローグ「ホント全員被害者。人を好きとか災いでしかない」也映子・理人・眞於、みんな誰かに失恋してる被害者。でも理人の立場から見ると眞於は加害者?理人はそこまで思っていないだろうけど、“暴力、被害者、災い”そんな言葉が出るほど相手に入れ込んだ眞於と理人。也映子も同じ立場なんだけど、少し違う様子なのがこの後に示される。

「私には何もない」再び

いとこの晴ちゃんは仕事に誇りを持っていて、双子を妊娠という今後の生活に不安を感じているという背景を持っていた。原作の晴ちゃんはそこまで大きな存在ではないので、真魚ちゃんが晴ちゃん役を演じる意味はここにあったのか!と納得。

「こんなこと考えるの本当ダメだけど幸恵さんがうらやましい」の言葉には「そんなこと思うんだ!」と也映子の発想にびっくり。そう感じたのは私が幸恵フィールドの人間だからかな?でも、一生懸命何かに向き合っている人に対する引け目とかコンプレックスって、道標が見えなくて宙ぶらりんの時は誰もが思うことなんだよな。

みんなが夢中になっているのに也映子には無い対比として、晴ちゃんには仕事、幸恵には家族、理人には好きな人が象徴的に示される。「何でみんな大事なものとか譲れないものとか目指すものとかちゃんと見つけられるの?」「私ってぬるいのかな?今からやりたいこと見つけたとして、間に合うと思う?」ここで理人がサクッと救う。

怖いこと言うけど、青い自分探しって20代30代だけで終わらないよー。私も未だに“たりない自分”に苦しめられることあるからね…。だからこそ也映子の青い悩みを笑うことは出来ないよ。

幸恵のけじめ

介護という現実が日常にやってきた幸恵。理人は「あの人が一番地に足が着いてる」と言った。本人は淡々と対応しているように見えるけど、実際は不安で怖くてたまらないはず。それでもこなしていくのは、幸恵がこれまでに積み重ねた経験値と家族を支えなくてはいけない責任感からだろう。理人と也映子からはその姿が地に足が着いているように見えるのだろうけど、誰かに幸恵を支えて欲しいよ…。

最後の教室の日「私、ここで救われました」とみんなに伝える幸恵。本当にバイオリンが必要なのは、やっぱり幸恵なのかもしれない。

理人と也映子の救い合い

青さ爆発の也映子に「カッコ悪っ。入れ込めるものなんかみんな適当に見つけてるんですよ」と理人。也映子は眞於に未練たらしい理人に「カッコ悪っ」と軽口で気持ちを切り替えさせてる。「カッコ悪っ」から互いを救う2人。一方的な救いではなく、対等に必要としている感じが少しずつ積み重なってる。だから、次のあの場面に繋がるのね!

手を繋ぐ2人、無自覚の好意

原作の中でも一番大好きな場面。2人で何気ない話をしてじゃれ合って歩いてたら、いつの間にか手を繋いでいるというあのシーンですよ…!原作では手を繋ぐ瞬間は描かれず、どちらともなく自然に手を繋いでたという表現でした。ドラマでは理人から手が動いていましたね。無自覚の好意がここに!

いくえみ綾さんの「かの人や月」という作品があります。顕という男性が知り合ったばかりの気になる女性に「結婚しない?」と無意識に言ってしまい「人の心ってどこにあるんだろう」考えるエピソード。このエピソードと今回の“いつの間にか手繋ぎ”場面は共通していると思うのです。密かに心の奥に潜んでいる感情がにじみ出てしまう行動。今後も一話ずつゆっくり、それを積み重ねていくんだろうな。

「聞いてくれる人は理人君しかいないんだから」「理人君いないのはいやだよ」と也映子に言われた時「俺って也映子さんにとって特別な1人…?」という無自覚の嬉しさも理人の一瞬の表情に出てるんだよね。小5の息子も「この主人公の女のこと気になってるの、バレバレですけど」と言っていた。いやー、中川大志の表情変化が豊かで、マジで恐ろしいわ!

次回は原作にない「こいつは俺のもんだ」発言が!しかも、元婚約者とえなり君登場!幸恵の状況も少しは良くなるはず…また楽しみです。

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