事業承継 後継者は2つの負債に注意する
みなさん、こんにちは。
コロナで自粛が開始されて以降本当にテレビを見なくなったのが、先日久しぶりに地上波放送を見ると、時代遅れ〜、と感じた、経営コンサルタントの堀口隆広です。
本日からは、事業承継とお金についての話を何回かに分けて伝えたい(回数は未定ですが)。
まずは、後継者が会社を引き受ける際に注意する点について。
第三者的には、後継者は創業者の苦労なく資産を引き継ぎ、会社の代表になれて恵まれていると思いがちだが、決してそうではない。
実は負債も引き継ぐ。
負債の一つ目は、会社の金融機関からの借入金である。
中小企業の平均の借入金額は、月商の4〜6ヶ月程度と言われていた。
ところが、コロナの問題で、各社緊急の融資を受けているため、売上減少を加味して、現在は1年分以上の借入残高になるのではと推定する。
当然これらの借入金は、会社が事業に使うために借りているのであって、代表個人が借りているのではない。
しかしながら、金融機関は当然のように代表者に連帯保証を求める(場合により物的担保も)。
結果、代表が個人で借りているのと何ら変わらなくなる。
国は、事業承継に際して担保・保証のない融資をすすめているが、なかなか実現できていないのが現状だ。
事業用資金は、企業の継続・発展のために必要不可欠なものであるため、金融機関からの借入金を否定するわけではない。
筆者は、現在のような低金利で借りやすい時代には、むしろ、進んで借入をすすめるべきだと考えているが、最終的返済が必要であることには変わりない。
会社の借入金は、税引き後の利益の中から返済が必要である。従い、返済額以上の税引き後利益がないと、理論上、資金繰りが廻らない。
それでも会社が儲かっていれば、返済は問題ない。
では、会社が儲かっている会社を引き継げば問題ないかと言われると、もう一つの負債にぶつかる。
現経営者の保有する株式買取の為の借入金である。こちらは、個人の借入となる。
過去会社が儲かっていると、どうしても株価が高くなる。親から無償で株式を受け取る方法もあるが、贈与扱いとなり、最高55%の贈与税がかかる。
国は、事業承継を進める際に、親族間で承継をした場合、贈与税(もしくは相続税)を100%猶予する特例の税制措置(事業承継税制)があるが、まだまだ普及していない。
創業者が頑張って利益が積み上がれば上げるほど、後継者に負担がかかることになる。
なにか釈然としないものがあるが、やむを得ない。
次回に続く。
本内容が、皆様にとって少しでもお役に立ちましたら幸いです。
可能性は無限大
堀口隆広