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「貴族」の方達の生活を見て体験して思ったこと「リアルにお金持ち」と「ある意味お金持ち」の生活の違いについて

※今回の記事は「表題の序章(プロローグ)」を書いていたら、長くなって「プロローグのみ」となってしまいました。

表題の内容は丸まる次の回になります。僕の文章に多い「海老の天ぷら」の「衣部分」に相当する内容となっております。

本題の内容だけ必要な方は、次の回を直接お読み下さいませ。堀江努

今年の夏に一通のメールが届きました。

「ホリーへ、今、家族でミュンヘンの日本食レストランで食事しているところなんだけど、みんなでホリーは元気にしているのかなぁ?と君の事を話してた所なんだ。また近いうちに会える事を家族みんな楽しみにしているよ。お元気で」

それは、最後にお会いしてから2年ぶりに、いきなりドイツの伯爵の携帯からの直々のメールでした。過去に伯爵から直接メールを頂いたのは9年前の3.11の時に心配されて頂いたメールだけでした。

僕は「僕のこと気にかけてくれているんだなぁ、覚えていてくれたんだなぁ。」と思って、それを読んで泣きそうになりました。


海外では「苗字」ではなく「名前」の方で呼び合うのが普通ですが、僕は「つとむ」ですが、あえて「ホリー」と呼んでもらっています。

大抵どの国に行っても「つとむ(Tsutomu)」は発音が難しく「しっくり来ない呼ばれ方」になってしまうし、何より皆さんに直ぐに「覚えてもらえない」というのがあります。

そして、ドイツ語は発音的に例えば「家賃」という単語の「Miete」など単語のつづりに「ie」が入った場合の「ie」は「イエ」ではなく「イー」と伸びる発音になり、この場合「ミエテ」ではなく「ミーテ」という感じの発音になります。

ですから、僕の「ほりえ Horie 」も「ホリー」と発音する事になり、この「ホリー」は、誰でも覚えやすいし僕自身の「聞き心地」も良いので、

外国では「ホリー」と名乗り「ホリー」と呼んでいただいています。

しかも、例えば日本語だと「堀江(ほりえっ)!!」と「苗字だけ」で呼ばれると、なんだか呼び捨てにされているうえに「命令されているような感覚」になってしまうのがいやな感じに似ている「違和感・心地悪さ」みたいなのを感じてしまうのでしょうかねぇ

止めて欲しいと言っても「執拗に苗字ではなく名前で呼びたがる」という方

もけっこうな数いらっしゃるので、最近は説明が面倒なので「滞在ビザ」や「銀行口座開設」などのオフィシャルな書類などでない「本質的にどうでも良い場合」は、

意図して「苗字」ではなく「名前」の方に「Horie」と書く

ようにもしています。

メールの主とは?

僕は、1999年から2018年までの20年間欠かさず、最初のメールの主である伯爵家が60年以上前から若手育成の為に、毎年夏に1カ月ドイツのお城に

「世界中から若手ミュージシャンを集めて、お城に寝泊りしながら一流の指導者の指導の下に一緒にオーケストラを演奏する」

という、若かりし頃の指揮者のティーレマン、オーボエのシェレンベルガー、ホルンのノイネッカー、ピアノのデニス・コジュヒン、チェロのイシュトヴァン・ヴァルダイなども参加していた音楽祭に参加していました。

ちなみに、チェロの方は一度は見たことがあるのではないかと思うのですが、チェロのイシュトヴァン・ヴァルダイ氏のこの動画は、僕がその音楽祭で撮ってyoutubeにアップロードしてある動画です。しかも動画内で遠くにちょっとだけ座って映っているのがピアノのデニス・コジュヒンです。

この音楽祭は本来「28歳までの若手限定参加」のアカデミックな音楽祭なのですが、ありがたい事に僕は伯爵家の人達に気に入っていただいて

「ホリーは特別だ、君が来たいならいつまででも来て良いんだよ」

と伯爵に「特別にお墨付き」を頂いて、毎年その音楽祭に行くのが僕の楽しみで一生続けたいと思っていましたが、よくよく考えたら、全員ではないですが、「本当の才能」があればその音楽祭に参加していて「ミュージシャンとして認められる」というのは、時に「パトロン」がついたり、有名なオーケストラのオーディションに推薦してもらったりなど、

後の音楽家生活に多大な影響を及ぼす「格式高い音楽祭」

で、僕が毎年参加することで

「若手のチャンスの場」をずっと1つ奪っている事

になっているという事に気がついてしまい(遅いよ!!)、

20年を節目に自己決断で「卒業」することにしました。

ちなみに、音楽祭の様子はこちらです。

プロのオーケストラ奏者になりたい方は、ぜひトライしてみて下さい。

伯爵と伯爵夫人からのサプライズ

2年前の最後の年には、伯爵と伯爵夫人に急に呼び出されて

「我々が父から受け継いで始めた年から一緒に20年、連続で来てくれてありがとう」

と、伯爵と伯爵夫人とイタリアの一流サラミメーカーの社長さんご夫妻に、サプライズでバイロイトのワーグナー音楽祭のオペラ:「ジークフリート」の公演に晩餐会付でご招待いただいたのだ!!

よくよく今考えたら、5人乗りのアウディーを伯爵が運転されて助手席に「僕」が座らせて頂いていた事を思い出して、その時は適当にうきうき付いて行ったのだけだったのだけれど、あらためて

ちゃんと「正式にご招待」されていたんだ。

と思い返しました。しみじみ思います、

なんてありがたい事だったんだろう。

当日は、余裕を持って劇場に到着して、まずレストランでお茶をします。オペラの休憩が1時間ほど数回あり、その休憩中に食べる食事を、その時に前もってレストランにすべてを予約しておきます。

「何でも良いから好きなものを食べて下さいね」

などといわれても、高級な所に招待されなれていない「小市民の僕」には「えっ?!」という値段のメニューばかりで、選ぶことすら出来ない・・・

伯爵夫人が頼んだのを見計らって

「僕も同じものを」と言うのが精一杯・・・・

食前酒は?メインのお飲み物は?サラダのドレッシングは?デザートは?

「いや~~~~ん!!やめえてくれぇぇぇ~~~!!決断せまらないでくれぇぇぇ~~!!」

「頑固」で頭がとんでもなく「固い」のに、決断力は全く無く「超優柔不断」のふにふにゃの卵豆腐状態

うれしいというより、正直メニュー選択は「恐怖の時間」であった。

もちろんジークフリートは、冒頭始まってすぐにトランペットの超難しいとされるソロもあり、もちろんそれも含めてオペラは最高にすばらしく、休憩中のワインや食事も終始最高でありました。

「僕が来年から来なさそう」だと感じていたんだと思います。

別の日には「伯爵の息子さん」に遊園地にも連れて行ってもらいました。なんか妙に楽しかったなぁ。

貴族の現在について

この伯爵家は、ヨーロッパに「14個」のお城を持っていて、日本でもワイン好きの方々にはご存知の方も多いのではないかと思われるのですが、現在はワインメーカーの「Schloss Schönborn シェーンボルン城」としても有名な格式高い貴族の末裔のご家族です。

今は、厳密に言えば「貴族」という階級は廃止されているのですが、昔からオーストリアとドイツでは名前で「貴族の称号の継承者」かどうかが判るようになっていました。

例えば、有名なクラッシックの作曲家2名のモーツアルトとベートーベンを比較してみると

Ludwig van Beethoven は貴族の家柄で、

Wolfgang Amadeus Mozart は貴族の家柄ではありません。

名前の「van」が「貴族の家柄」を表していて 「ベートーベン家の」の「の」の部分に値しますが、今はオーストリアはもう「貴族の称号」のこの「van」をつけてはけない事になっています。

ドイツの場合は今でも大丈夫で、表記は「van」ではなく「von」になり、ジブリ映画の「耳をすませば」に出てくる「ネコの男爵」の長い名前の中にちゃんと「フォン(von)」が付いていたのを、なんとなくご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんね。

音楽祭の伯爵のお家柄の場合「Graf von Schönborn 」で、Graf=伯爵、von=の、Schönborn=シェーンボルン家 となり、これが複合の「苗字的な感じ」になって、更に僕でいう「努」に相当する「名前」が付きます。

この伯爵家の一番末っ子の娘さんは合計「7つ」の名前がくっついており

「自分の正式な名前を知らない」という状況になっています。笑

現在の日本にはない「沢山の名前」について

少し話がそれますが、この「沢山の名前」に関しては僕の住むエジプトなどのイスラム圏でも言える事で、イスラム圏では、お父さんの名前を継承してゆき、今僕が住ませて頂いているエジプト人の友達も継承した名前が「5つ」あるそうで、しかも面白いことに、ずっと小さな頃から「ハリーム」と呼ばれて育ってきたので「ハリーム」という名前だけだと思っていたら、大きくなって実は5つある事を知るも、その「5つある正式な名前」に「ハリーム」が入ってなくて、「ハリーム」自体がただの「愛称」だったと言う事を

「中学生になって初めて知った」

という経歴の持ち主です。笑

ちなみに「ハリーム」というのは、お母さんが好きな「歌手」の名前なんだそうな 笑

このハリームさんは、現在日本の早稲田大学大学院で考古学を学んでおり、youtubeに、堪能な日本語でわかりやすく「エジプト考古学」を解説してくれていますので、もし良かったら一度チャンネルを覗いてみてあげて下さいませ。僕はその「ハリーム」さんちのお兄さんちの「鳩小屋管理人的居候」です。折角なので、ハリームさんのチャンネルから、ロータリークラブの方々向けの動画ですが、ハリームさんの自己紹介や彼のルーツの話が沢山入っている動画を1つおいておきますね。

話は「von」についてに戻りますが、名前の間に「von」が付いているドイツ人にお会いしたら、恐らくその方は、とんでもない広大な土地にあるすばらしい「お城」が実家の方だと思いますし、このお城で一度だけお見掛けしたことがありますがドイツの有名文具会社の「ファーバーカステル」の社長さんのファーバー家など、ドイツの有名な会社の経営者さんなどは「von」が付いている方が多いと思われます。

このお城での滞在期間は毎日のようにお城で演奏会もしていますので、ファーバーさんのような「世界的に有名な方々」が伯爵に会いに沢山いらっしゃいます。

「昨日ワーグナー家の人達がいらして城でランチだったらしいぜ」「デンマークの女王様がお忍びで来てたらしい」などと、有名な来賓の方があった時は、大抵次の日あたりにミュージシャンの間で噂が流れます。

僕の記憶ではこの20年間で、ドイツ在住の方や音楽祭の参加のミュージシャン以外で日本からわざわざいらした方では、伯爵家の方々とお城のプライベート空間でオフィシャルにゲストとして食事を一緒にされた方は、服部時計店の服部さん位ではなかったでしょうか。

時にはこんな事もありました。

伯爵が「失礼、ちょっとお茶に御呼ばれしているので行って来る、夕方には戻るよ、みなさん良い午後をお過ごし下さいませ」

といって場から離れて行った事があったのですが、伯爵の息子さんが

「パパは何処行くと思う?」

と言ってきて、

「何処?」ときくと

「イギリスのエリザベス女王の所に今から自家用機運転して行って、お茶だけしてまた戻ってくるんだよ」

との事でした。お茶しにロンドンまで自家用機で・・・・

僕はその音楽祭の期間中にロータリークラブやライオンズクラブのお金持ちの方々と晩餐を共にさせて頂いたり、お城の庭や所有の森に猪や鹿の狩に連れて行ってもらったり(行くだけ見るだけです)、お城の地下室に3百年前からあるワインセラーに伯爵自ら案内して頂いて100年以上前のお城の所蔵最古のワインを見せて頂いたり、音楽祭期間以外でもお城に遊びに行って泊めて頂いたりなどなど、僕のような凡人が日常生活では出会えない方々と有り得ない体験を沢山させて頂きました。

貴族の方達とお付き合いしてみて、たどり着いた僕の結論は

結局、僕には「お金持ちの生活は向いていない・欲していない」

という事でした。

お金持ちの生活とは「ご招待しておもてなし」して「ご招待されおもてなされる」という繰り返しの「人付き合い」の大切な生活だからです。

僕が満足する生活とは「雨露しのげて飢えることなく、楽器を気にせず演奏できて、誰にも邪魔されず、何も気にせず24時間を自由に使えて、好きな事に集中出来る生活」

だったのです。で、今はそれが9割方叶っています。

しいて言えばオーケストラの仕事が無くなってしまったので、収入が全く無いという事ぐらいでしょうか。まあでも、半年で2千円も使ってないと思うので、しばらくは無収入でも全然平気ですが。

※ちなみに、今の「プロ居候生活」について詳しく書いた記事はこちらです

何事にも「向き不向きがあります」

皆さん「幸せになりたい」から「お金持ちになりたい」

と、勘違いしていませんか?

この「勘違い」についてが本題で、長い前振りでしたが

「本題は」次回の記事に書きました、こちらです。

では、

最後に一言

人生は「あっ!」という間に過ぎて終わってしまいます、

貴方の人生は、今のままで満足ですか?

本当にやりたい事が、実は他にあるんじゃないですか?

やりたい事が見つかったら、方向転換の時期を経ないと駄目です、

その「リアルな方向転換の方法のアイデア」をまとめています、

よろしかったら見てみて下さいませ。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!!

自分も含め皆さんそれぞれに、

笑顔と充実の多い人生を歩んで行けますように願っております!!

堀江努

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