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ほりべえの原点

『意に沿わぬものを排除する』


  初めてその理不尽さを目の当たりにしたのは小学校5年生のときである。
 
  担任の二十代の女性教師が気に入らないという理由で、とある母親が自分の子どもを学校に行かせなくなった。

  その親はPTA副会長をしていた。

  直ぐにPTA副会長の子どもをはじめ、他の子ども達も次々と学校へ来ることをボイコットし始める。
 
  女性教師を気に入らないとした理由は色々言われている。

  五年、六年と学級担任が二年続くことが通例でお受験を考えていたPTA副会長が本当はもっとベテランの先生を望んでいたからとか。

  その女性教師が日教組に加入していたからとか。

  女性教師がまだ入籍前に同僚教師との子どもを妊娠してしまったからとか。


  ほりべえは、そのクラスではなかったけれど、知らん顔は出来なかった。

  その女性教師と一緒に子ども達一人一人の家を訪ねる毎日。

「学校へ越させてください。」

「○○ちゃん、学校においでよ。本当は学校に行きたいんだよね。」

  ほりべえの他にも、女性教師と行動を共にする仲間が増えたけれど、

結局は、

何か知らない
権力のようなものに押し潰された。


  日教組だとか教育委員会だとかPTAだとか、そんなものが何だ。教育者だって人間だ。子どもだって出来るだろう。

五年生ながらに

世の中の理不尽さを痛感した。




それより、何より

大人のエゴによって、

教育を受ける権利を奪われた子ども達こそ、真の被害者だ‼️


「本当は学校に行きたい。」

「みんなと一緒に遊んだり、勉強したり、給食も食べたいけど、お母さんが行ったら駄目って言うから。」


そう言った友達の顔を今でも鮮明に覚えている。


ほりべえは権利を奪われた人の近くで、真の人権の為に声を上げ続けたいと思う。


たとえ、それが小さな声であろうとも、

それがほりべえという人間の原点なのだから。




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