日記④

濃厚接触による自粛期間が終わった。

ただ、特にやることもないので変わらずFFに励んでいる。

特にやることがないというのは嘘で、やらなきゃいけないことが6個くらいあるからそれぞれがぶつかり打ち消し合って何も残らなくなっただけだ。きっとやらなきゃいけないことが奇数個だったら、1個残っていたのだろう。

昨日大学の同級生15人くらいとLINE電話で話した。かなり久しぶりに近況を聞く人もいた。

文句を言いながら仕事を頑張ってる奴もいれば、仕事を辞めて別のステージに進んだ奴もいた。私と同じように留年した奴もいたが、そいつはもう就職が決まっていた。

きっと何も進歩していないのは私くらいだ。相変わらず芸人か就職かで悩み、その2つの目標がぶつかり合ってダラダラしている。

今までの進路を決める時は、中学の時も大学の時も進学一択だった。だからどの学校に行くかはやりながら考えていた。

しかし今回は全く違う。やりたいことを取るか金を取るかで目的も違う。どうしようと毎日頭の中では考えているけども、中々足が踏み出せない。

最初、「うわーこの二択でこれから悩むのえげつないぞ。耐えられんのか俺」と思っていた。

というのも私は過去、うつ病になったことがあった。だからてっきり悩み事へのメンタル耐性は皆無だと思っていた。

しかし今は全然健康だ。悩みはするものの、精神に異常をきたしているとは思えないくらいふてぶてしい顔でFFをしている。

精神が強くなったのかとも思ったが、たぶん違う。これは悩みのジャンルが全く別なのだ。


今、書いているうちに暗い話になりそうだと察知した。別に私はうつ病の事を気にしていないし、「やーいざこめんたる〜。キングオブコント2013王者のパチモン〜。カレー屋でもやっとけ〜」とイジられたって構わない。

ただ、興味が無かったら読まなくていい。面白くない。反対に「あれ?俺うつ病なりそうじゃね?」という不安を抱える人は読んでみて。


うつ病当時と今で悩みのジャンルが違うと書いたが、当時はむしろ今よりもやらなきゃいけないことが少なかった。

映画を自主制作していたのでそれは忙しかったが、今みたいに「あれもこれもやらなきゃ」は無かった。

ただ、ふとした拍子に人生の目標が無くなったのだ。

誰しもが「将来こうなりたい」という自分の将来像があると思う。私はそれを元に生きてきた。

偏差値がグラドルの貞操観念くらい低い高校から、MARCHというグループのカバン持ちをやらせて頂いている法政に入れるまで勉強したのも、その将来像に近づくためだった。

しかし色々考える中で「あ、これ別にならなくていいや」となった。

その将来像は自分にとって大きな幹だったので、それが無くなると枝も全部どうでもよくなる。

大学に行っている意味も、映画を撮っている意味も、友達と喋る意味も、彼女を作る意味も、外に出る意味も、起き上がる意味もわからなくなった。

そしてしばらく布団から出ない日々が続き、生きている意味もわからなくなった。

「え、人生ゴール無くね?死ぬし。じゃあいつ死んでも変わんなくね?てか早い方がよくね?」など答えの無いことを考えていたら、抜け出せなくなった。

当時の記憶はだいぶ断片的になってしまっているが、私は冷静なつもりだったと思う。

「どうしようどうしよう死にたい死にたい」みたいなパニックを起こす訳ではなく、「あ、これはこうなのね、そんで、これはこうだから、うん、じゃあ死ぬべきか。」みたいな、冷静に間違った答えを出す状態だった。よく言い過ぎかもしれないが、平野紫耀みたいだった。

けど今思うとそれも一種のパニックだったんだろうと思う。それに気づけないのがうつ病だ。だから普段落ち着いていてパニックを起こさない人でもなりうる。

逸れたが、当時は「目標が無くて悩んでいた」のだ。答えのないところに思考が陥ると、間違った回答をしてしまう。

反対に今は、目標が2つあって悩んでいる。悩み自体は当時より大きい気がするが、とりあえず目標があるぶん前は向けている。

目標というのは、ゴールのない人生においてとても大事な物なのだと思う。うつ病から脱却した時も、目標を持つことから始めた。

カウンセリングに行き、今の自分の状態は正常ではなく、少しずつ整理して戻していく必要があると理解してから、小さい目標を探した。

夢も何も無い当時の私の願望は「早いとこ死にたい」くらいだった。

なので私は、「痛くなく死ぬこと」を目標にした。

スイスでは外国人の安楽死が認められているという記事を読んだ。流石にそこにうつ病は含まれていないとは思うが、それを知ったら目標が無くなるため、詳しくは調べないようにした。

大体200万くらいの費用がかかるらしい。じゃあその費用を貯めるためのアルバイトを頑張ろうと思った。

そして外に出るようになり、アルバイトをするようになり、友人と話すようになり、徐々に元々の生活に近づいていった。

それに伴い精神は回復していった。

「痛くなく死にたい」だった目標も、「友達と遊びたい」、「楽しい仕事したい」、「彼女欲しい」などとどんどん大きくなっていった。

そしてそのまま、「芸人になりたい」と「安定して結婚したい」という2つの目標を掲げる現在に至った。

なので今は悩んでいてもうつ病にはならない。

目標がないと人間は生きていけない。うつ病になってしまった人は、どんな小さな目標でもいいから持つことから始めて欲しい。

そしてそれは、まず足を動かすために、できるだけ具体的な方がいい。

経験からそんな学びを得たからもううつ病にはならない、とタカをくくり能書き垂れている自分にも再発しないように願う。


大学の友達と久しぶりに話したら、こんな大学時代のことを思い出して書いてしまった。

これ日記でもなんでもないわ。


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