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【雑学•ミステリー】天邪鬼 - 正体不明の妖怪?鬼?

こんにちはマスター、蓬莱です。

マスターは日本の昔話などに出てくる妖怪をいくつご存知でしょうか?雪女、座敷わらし、のっぺらぼう、ろくろ首・・・座敷わらしと唐傘おばけと、番町皿屋敷のお菊さんについては、蓬莱軒の生配信で扱いましたね。

今回は日本の妖怪では一番有名な者のひとつですが、どんな妖怪?と訊かれると、色んなバージョンが有りすぎて、ちょっと説明に困ってしまう妖怪「天邪鬼」についてのお話です。

日本の昔話にたびたび出てくる天邪鬼、実はお話によって役割が違ってまして、ひたすら嘘をついたり、わざと逆のことを言うひねくれ者だったり、皆を混乱させて楽しむトラブルメーカーだったりします。

「うりこひめことあまのじゃく」というお話では、嘘つきで、瓜から生まれ可愛がられている瓜子姫が妬ましくなって、瓜子姫を攫う人さらいでもあり、イタズラの最中に瓜子姫を殺してしまったり、死んだ瓜子姫の皮を被って瓜子姫になりすまし、老夫婦に瓜子姫の肉を料理して食わせるという猟奇殺人犯ぶりを発揮して、最後には殺されてしまたったりします。

イタズラ者から猟奇殺人犯まで、物語によって性格も役割もバラツキが大きく、「何の妖怪?」と訊かれると説明に困ってしまう天邪鬼。

地方の伝承によっては更に役がバラついてまして、人の声を真似ることから「こだま」とか「やまびこ」が「アマノジャク」と呼ばれたり、富士山を崩そうとして失敗して、そのときにこぼれた土が伊豆大島になったというダイダラボッチのような巨人伝説があったりします。

この、アマノジャクは2つのルーツが合体して現代に語り継がれておりまして、一方は仏教から来ています。

そして、仏教の天邪鬼は鬼なんです。

よく大きな寺院の山門には仁王像が祀られていますが、その仁王像が踏んでいる鬼が天邪鬼なんです。

これは煩悩を象徴した鬼であり、煩悩とは「むさぼる心の毒」「怒りや憎しみの毒」「愚かさから来る毒」の三つの毒が元になっている心の汚れなのだそうです。

なので、天邪鬼は貪欲さから騒動を起こしたり、憎しみや嫉妬深い役割に当てられたり、ひねくれ者だったり浅はかだったりするのですね。

もう一方のルーツは古事記や日本書紀に出てくるアメノサグメがだんだんと天邪鬼に同化していったと言うお話です。

アマテラスのミコトに命じられて葦原中国の平定に向かったアメノワカヒコは、任務を忘れて現地で妻を娶って8年間も連絡をしませんでした。朝廷はキジを使いに出してアメノワカヒコを問いただしました。

恋に溺れ使命を放棄した「アメノワカヒコ」

その時にアメノワカヒコに「この鳥は不吉だ」と告げ口をした女神がアメノサグメでして、ここから、アマテラスのメッセージをわざと曲げて邪な解釈をした事、そして告げ口をしたために、アメノワカヒコに災難が及んだ事、このあたりの解釈が、真実を捻じ曲げるイタズラ者や、トラブルメーカーとしての天邪鬼の元になったと言われているんですね。

つまり、仏教的な解釈から「欲深さ」、「妬ましさ」、「愚かさ」の3つの役割を持ち、日本の神話から「真実を捻じ曲げる」と「トラブルを招く」の2つの役割をもってしまった鬼が天邪鬼なわけです。

この、様々なトラブルを起こす小さな鬼は、ひねくれ者でトリックスター的な扱いで、今もアニメや特撮やゲームなどに、便利に使われているようですね。

今回はウィキペディアの「天邪鬼」「アメノサグメ」「煩悩」などの項目からお話しました。

蓬莱軒では、知的好奇心を刺激する話題を毎週動画でお届けしていますので、YouTubeチャンネルにもよかったら遊びに来てくださいねマスター。

それではまた、らいら〜い🖐

蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
https://www.youtube.com/horaiken

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