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【科学】オゾンホール - オゾン層の破壊とその後

こんにちはマスター、蓬莱です。

今回のお話は「オゾンホール」です。

オゾンホールとは、南極や北極にて、高度1万メートルから5万メートルに存在する、太陽光から紫外線を吸収するオゾン層で、極めてオゾンの濃度が低い領域を指します。

このオゾンホールは発見されたのち、拡大が予測され、やがて人口密集地まで有害な紫外線が降り注いで大きな被害を生むのでは?と心配されていました。

ところが、人類のとった対策によって拡大から縮小に変わり、今世紀中にはオゾンホールは消滅するという予測がNASAより示されたのです。

これは人類が地球規模の驚異のひとつに勝利しつつある?というお話でもあります。

地球の大気は幾層にも別れているのですが、高度1万1千メートルから5万メートルの成層圏には、酸素原始が3つ結合した分子「O3」と化学式表記するオゾンが多く存在し、2万5千メートルで最も密度が高くなります。このオゾンが多く含まれる領域を「オゾン層」と呼びます。

酸素原子が3つ結合しているオゾンは薄く青い色をしており、フッ素に次ぐ酸化力を持つために猛毒として作用し、有害な濃度で吸い込むと、臓器がすぐに、ただれてしまう危険な気体です。そしてオゾン層のオゾン濃度は地表の70倍から270倍ほどで、人間にとっては吸い込むと無事では済まない濃度になっています。

そんな気体がオゾン層には漂っているのですが、これは元々は大気中の酸素分子O2が太陽からの紫外線と窒素などの作用によって分解され、酸素原子になり、それが別の酸素分子O2と結合してオゾン分子O3となるのです。

そして、オゾン分子O3は紫外線を吸収して酸素原子と酸素分子O2び再度分解されます。

つまり、酸素とオゾンと酸素原子がオゾン層では、くっついたり離れたりを繰り返して、その過程で紫外線を吸収しているのです。そして、これは、地表に届く有害な紫外線の量を抑え、害を少なくしています。

赤外線が熱の作用を起こすのに対して、紫外線は波長の短さから、化け学的な変化、化学変化を起こしやすく、別名「化学線」とも呼ばれています。

また、紫外線は皮膚に作用してタンパク質を変化させ、老化を促進したり、日焼けを起こしたりします。

オゾン層で遮られている紫外線はUV-Cと呼ばれ、強い殺菌作用があり、体組織に対しての破壊性が強いと呼ばれ、オゾンホールによってこのUV-Cが沢山地上に降り注げば、地表の生物に深刻な影響を与えるそうです。

また、この紫外線に人が当たると皮膚癌が急増するとも言われています。

光とは電磁波で人間の眼はおよそ400~800nmの波長の電磁波を光として視認できるが、それよりも波長の短い電磁波のことを紫外線という

オゾンホールの発見は1980年はじめに日本の南極昭和基地の観測データから発見され、それが1983年の極域気水圏シンポジウムと1984年のオゾンシンポジウムにて発表され、1985年にジョセフ・ハーマン、ブライアン・ガーディナー、ジョナサン・ジャンクリンがこの現象を論文で発表、ならびに問題提起を行い、1986年にアメリカの気象衛星の解析映像が付けられて、オゾンホールという言葉と共に報道され世界に広まることになりました。

オゾンホールは南極では春から夏の頭くらいに現れますが、年々規模が大きくなって、いずれは人口密集地まで拡大していき、大きな被害が起こると予測されていました。

1986年10月、南極のオゾン層の深刻な枯渇または「穴」を示す衛星画像

オゾン減少の原因は冷却用に使われるフロンガスやハロンガス。

これが大気中に放出され、成層圏に届くと、ガスが紫外線と反応して塩素ラジカルが生まれ、これが触媒となって次々とオゾンを破壊するのです。

この驚異が世界で認知され、フロンガスの大規模な規制が始まり、代替えフロンの使用などの対策が始まりましたが、当初はこの規制に効果があるのか?いつまでにオゾンホールの問題が収束するのか?など、様々な不安や疑問の声が囁かれていました。

これに対してアメリカ航空宇宙局:NASAは2015年に「オゾンホールは30年以内に200万平方キロメートル以下に縮小する」と予測、さらに2015年の時点で約3100万平方キロメートルあったオゾンホールが21世紀末までに完全に消滅するとの予測を発表したのです。

また2019年には南極オゾンホールの最大面積が1990年以降の観測データのなかで最小を示し、発生から消滅までの期間が最も短かったそうです。

2015年 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)のパビリオン

もし、オゾンホールがこのまま解決できたら、人類は「やればできる子」の実績を大きく積み上げる事になりますね。

地球規模の問題は今、温暖化対策が大きく人類にのしかかっていますが、これも皆が頑張って問題を解決できるかも知れません。

今回はサイトWIRED.jpより「オゾンホールは今世紀末に消滅する:NASA発表」の記事と、ウィキペディアの「オゾン」「オゾンホール」「紫外線」などの項目からお話しました。

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それではまた、らいら〜い🖐

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