蓬莱ほっぽ

ぽつ、ぽつと詩を書きます。 小さくも、生きた証になるといい。 いつか、誰かの歌になると…

蓬莱ほっぽ

ぽつ、ぽつと詩を書きます。 小さくも、生きた証になるといい。 いつか、誰かの歌になるといい。

最近の記事

最期の時に

最期の時に          蓬莱ほっぽ 人は最期の時に後悔を語るという ああすればよかった こうすればよかった 後悔が溢れるという もっと遊べばよかった 美味いものを食えばよかった 旅をすればよかった あの時諦めなければよかった 子どもをあやせばよかった 医者の小言を聞けばよかった 酒に溺れればよかった 父の背中を見ればよかった 母の背中を拭けばよかった あの子に好きと言えばよかった 溢れる私の後悔は 伝え滴り枕を濡らし ああすればよかった こうすればよかったと 溢れ

    • 懐かしい歌を

      懐かしい歌を            蓬莱ほっぽ 飛行機の轟音が空を割り 遠ざかる 見上げた鼻っ柱に花びら ひらり 飛ぶことも 舞うこともできない私は 懐かしい歌を一節 春に霞んだ空へ放った 轟くことも 響くこともない 懐かしい歌を一節 年老いた唇を潤す 森の奥の泉のような歌だ 白布の下にあっても 乾くことのない歌だ ここまで私の手を引いて来た 鬼火のような歌だ 鳴くこともなく 飛ぶこともなく 平々凡々な私の唇に残る いつかお前と歌った歌だ

      • 私は歌うだろう

        私は歌うだろう                蓬莱ほっぽ 私は歌うだろう 湯気の向こうに雀の歌を探して キーボードと電卓のセッションに肩を揺らして 水平線に溶ける陽を瞳に映して 幼い寝息をメロディとして 私は歌うだろう 椿の落ちるのを見つめ 清水に踝を浸し 虫たちの歌を聴き分け 白雪を両手で掬い 私は歌うだろう 高らかな産声の響く時も 健やかなる時も病める時も 天に帰す者に祈る時も 隠された唇を 一滴の誇りで湿らせ 私は歌うだろう 君と あなたと 集い 語り 私は

        • はじめまして

          蓬莱ほっぽです。詩を書きます。 ブログとTwitterを使って少しずつ出してきましたが、何だかnoteが楽しそうなので、こちらに移行しようと思います。 更新は不定期、それも未熟なものばかりでしょうが、よろしければご覧ください。 詩を読むことが好きで 言葉を紡ぐことが好きで 歌を歌うことが好きです。 自分が生きたことを少しだけ証として残したい。 それが誰かの心に届き触れることがあったらそれはきっと何よりも嬉しいことで。 それが誰かの歌う歌になったら、夢のようで。

        最期の時に