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見えない製作時間の話

少し前の話なんですが、ウェブCMに出演させていただきました。

これは僕も参加させていただいているYahoo! JAPANさんの『クリエイターズプログラム』という動画配信サービスのプロモーションCMです。

去年、こんなサービスができます!ってタイミングでクリエイターとしてお誘いいただき、『おもち日和』という育児漫画を動画にして配信しています。
そんなたくさんいるクリエイターの中の1人として、CMに起用していただき、家族で出演させていただきました。

撮影スタッフの皆さんと。
はじめ会った時、コワモテなお兄さんたちがでっかい機材抱えてたりして、こわ〜って思ってたんですけど、話してみるとまぁ優しい。

みなさん子どもたち観て『かわいいかわいい』って言ってくれて、クルー同士(クルーって言うのかどうか怪しいけど)も仲良いみたいで終始和気あいあいと良い雰囲気の中で撮影してくださりました。


製作にかける時間、見える時間

で、この撮影半日ぐらい撮影したんです。撮影クルーとディレクターと機材車の運転手さんとか合わせると10人ぐらいで。
動画にもあるように、家から公園からカフェへとロケーション変えたり、移動したり、機材の準備したり。結構大変でした。

それで1分の動画って。

改めてモノを作ることの大変さを確認しました。

よくよく考えると自分も漫画を描くにあたって、
ネタ出しして、構成考えて、ラフ描いて、下書きして、ペン入れして、色つけしてってこれで何時間もかかって、それでやっと1ページ。

僕のこのシンプルな漫画でも、できるまでに2,3日かかっています。
で、3ページ。読む時間でいうと1分もかからないかも。

その苦労を知ってくれ〜なんてことは思わないけど、どんな製作にもお金も時間も見えないところで莫大にかかってるんやな〜と。そう思うと、グツグツ3日煮込んだカレーが800円って。安すぎる。


僕の製作工程

そんな製作にかける時間の話ですが、noteらしくここからは僕が漫画を描くにあたっての工程の話を。図にまとめてみたんですが、僕はわりかし工程が少ない方…だと思います。


①ネタ出し

この写真は冒頭にあるnoteさんでの『 #ヨーグルトのある食卓 』の漫画を描いた時のものです。

まずは漫画のテーマや、要点などをまとめます。
漫画でいうと、伝えたいことやオチになる部分をどう見せるか考えて、大筋を作ります。この辺は箇条書きやざっくりしたもので。

PRのお仕事で製作する漫画の場合は、絶対に自分で体験・体感して良かったと思ったものしかお受けしないことを前提に、使ってみた感想+商品の良さを理解した上でポイントをまとめる。どこを見てもらえると商品の魅力が伝わるかなど考えます(事前にクライアントさんから調査する+商品について調べまくる)。

②構成

①のノートの続きですが、この件は"4コマx3本の12コマ"とご指定をいただいていたので、ネタを元に一旦ストーリーを漫画にしてみます。
この時、基本的にはテキストベースでキャラクターの動きや表情はざっくりしています。

この工程ではコマ数などはあまり気にせずガンガン描いていき、ひとまず全体の道筋ができたら、4コマフォーマットに当てはめてみます。

これはまた別の漫画ですが、全部描けたら指定されたコマ数を意識しながら添削します。セリフが回りくどくないか、意味は伝わるか、流れはスムーズかなどなど。

右ページの赤は確認しながら、いらないページを消し、セリフを前後調整したりしています。

ちなみにこのノートは無印良品で売ってます。便利〜

…で、僕的にここで一番重要なのは、指定されたコマ数に対してギュウギュウに内容が詰め込まれていないか確認をすること。

以前にも書いたんですが

自分の漫画では間を大事にしているつもりで、情報優先で構成を考えてみると全体的に説明くさくなったり、ぎっちりテキストまみれになったりすることがあるので、漫画ということを意識して、空気感やリズム感が失われないように気をつけています。

③ラフ

ノートに手書きした構成を観ながら、ipadでラフを描きます。

僕のラフはラフすぎるので、いつも先方さんに申し訳ないなと思いながらお送りしています。たまに『下書きをください』と言われることがあるのですが、普段から下書きはせず、スーパーラフからの清書なんです。

描いてるうちに『これ、セリフよりも表情で魅せる方がいいんじゃないか?』なんて考えながら描いてる(描きながら再構成してる)ので、自分でも描きながら半信半疑なんですよね。なので、キッチリ描くことなく、全体の雰囲気ぐらいのラフになっています。

④清書

清書は基本的にラフをなぞるだけなので、ここからは完全に無心でラジオ聴きながら描いていきます。とはいえ、ここでも最終修正することが多く、ラフでOKもらってるのに清書で違う構成お送りしてしまうこともあります。めっちゃ謝ります。。。


ここまでをまとめると①②③でめちゃくちゃ考えて、④は無心。
という感じですが、実は最後に『チェック』があります

この『チェック』というのが、パソコン画面とスマホの両方を4,5回ずつ確認するというものです。

理由はシンプルなんですが、パソコンでの見え方とスマホでの見え方が全然違うので、ipadで描いたものをパソコンとスマホに送り、文字が小さすぎないか、文字や色の偏りはないか、SNSに投稿した時にどんな感じで表示されるかなどを確認します。

漫画だけでなく、こういった文章の場合は特に何回もチェックします。改行の位置やスペースの数、ここはひらがなよりもカタカナの方が読みやすいかな?なんてことを自分なりですが、修正します。


…と、これで完成です。

なので、僕みたいなシンプル漫画でも何時間もかかってしまう製作時間。もっと上手な方はもっと時間かかると思います。そう思うと、完成して見える作品以上の魅力を感じません?(感じてくれ〜〜〜〜ってことではないのですが)

僕は手紙をもらった時、手紙の内容よりも、手紙を書いてくれたということが嬉しくて、書いてくれた時間とか、何書こうか考えてくれた時間、さらにいえば便箋を選んでくれたんかな…とかを考えてしまう性格なので、ものができるまでの過程を考えるとちょっと感動してしまいます。


冒頭の出演させてもらったCMの撮影も、たった1分の動画のために10名ほどの大人が準備から解散まで半日ほど一生懸命撮影して、編集して、CMとして流すまでもいろいろ交渉がされていたり考えると本当にすごいなと思いました。奥深い。


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