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法螺貝談義(第37話)

「依身(えしん)より依所(えしょ)」

これは比叡山に伝わる言葉です。

天台宗の開祖 最澄さんが次の歌を詠んでいます。

「おのずから 住めば持戒の この山は まことなるかな 依身より依所」
〈修行は自分自身が正しくあろうとすることが大切ですが、それより重要なことは修行をする環境であり、これは修行を通じて初めてわかる〉という意味合いです。

私がお世話になっている、ある僧侶の方が「修行中はこの言葉に救われた」とおっしゃってました。

法螺貝においても、今いる場所から、とりまく環境を改めて思い返し見渡してみると「善知識」がいてくれたことに改めて気付きます。

「善知識」とは、仏道では師僧や先輩や仲間のことを指します。

物事を得た、達したと自ら決めてしまえば、才能があってもそこで終わってしまいます。

指摘してくれる先達や、切磋琢磨する仲間の存在があったことに、今となっては感謝です。

これまでたくさんの方々の法螺貝の加工をする事で見えた部分もかなりあったし、今でも全国に数多く存在する法螺貝好きな人と出会ったり話したりする事は楽しいし刺激を受けます。

1人だけで頑張っても限界があることがわかるし、取りまく環境の一つ一つが自分自身の今の〈音〉を構成するご縁となっています。

法螺貝で得たものは計り知れません。
いろんな出会いや学びもありました。
これからも法螺貝を通じて、新たな出会いと、どんな学びがあるのかが楽しみでなりません。

法螺貝に関しては、終わりがないからこそずっと関わっていきたい一つです。

「依身(えしん)より依所(えしょ)」

これは法螺貝だけじゃなしに、全てに通じることだと思います。

YouTube「立螺」


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