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法螺貝談義(第51話)

安心感、安定感のある法螺貝。

呂律(ろれつ)が回らないという言葉があります。

現在では、言葉が詰まって上手く言えないとか、酔っ払って何を言っているのかわからないみたいな意味合いで使われています。

この「呂律(ろれつ)」というのは声明(仏教音楽)が由来と言われています。

日本音楽の源流の声明(仏教音楽)に音調として「呂(ろ)曲」や「律(りつ)曲」などがあり、雅楽の音階名にも呂音階や律音階があります。(呂、律の詳細は割愛します)

本来は、これらの使い分けや違いが上手く出来ないお坊さんの声明のことを「呂律(ろれつ)が回らない」と言いました。

法螺貝でも音が波打って不安定だったり、返しが余計に入ったり、吹き上げで音が外れたり、揺りのだんだんと狭くなっていくリズムが途中で崩れたりなど、テンポやリズムというのは、崩れると聴いている人がハシゴを外された感覚になります。

聴いている人に安心を持ち帰ってもらえるよう意識したいところです。

それには身体と音への細かい観察と配慮が必要になります。

呂律がきちんと回った、聴いていて安心できる、安定した音色を奏でたいものです。

YouTube「立螺」


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