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法螺貝談義(第39話)

法螺貝の吹き口を唇に当てがう位置は人によって様々です。

右側の方もいれば、左側の方もいます。

中には真ん中の方も。

ある先達の方に教えて頂いたのは、羽黒修験では基本としては金剛杖は左手に持たれるので、法螺貝は右と指定があるそうです。

ただ実際は得手によるとのことで、左で吹かれている方もおられるとのことです。

ちなみに、乙音(低音)と甲音(高音)で、吹き口を当てがう位置を変えられる方もいらっしゃいますが、できれば乙音と甲音は場所を変えずに吹けるのが理想です。

理由は、乙音から甲音へ息と音を切らずに音階が上がっていく遍数の音符が吹けないためです。

使わなければその必要はないかもしれませんが、可能であればいろんな音符を吹きたいものです。

次に、吹き口を唇に当てがう強さは、「軽く」「やんわり」で良いです。

とは言っても、程度は言葉では伝わりにくいので、近くの人のを参考にすると良いかと思います。

そして右側、左側と言っても、どのくらい寄ってるのかや上下の若干のポジションは人によりけりです。

唇の厚さも歯並びも顔の形状も皆違いますので、人のは参考程度にしながら、ご自身の居心地、落ち着きどころを探されると良いかと思います

慣れてくれば誰でも、息継ぎの際に多少位置が変わっても、きちんと吹けるようになります。

結局最後はこの身体との会話になりますので、やはり「観察」が基本になります。

「観察」と言う言葉は仏教が由来で「正しく見極めること」です。

妙なる観察の智慧は、もともと我々の内側に備わっています。

生まれて何十年も変化しながらそばにいる、無常なるこの身体の声をしっかりと聴いてあげたいものです。

YouTube「立螺」


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