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法螺貝談義(第41話)

法螺貝は立ち止まった状態で吹くときに、「金剛不動の構え」というのがあります。(金剛とはダイヤモンド、不動とは退かない磐石の意)

左足を少しく前に出し開き、右足を後ろに引く形です。

これは踏ん張りやすいし、見た目も綺麗です。

ただ、中にはこれによって腕や肩肘を必要以上に張ってガチガチになっていたり、腰上と腰下の連動を失ってるといった、ある人の立ち方を参考に真似て、それをそのまま自分に当てはめる事で身体に硬さが生じている事がたまにあります。

身体は人によって全員見事に違いがありますので、最適な足の開き具合や形も違います。

身長も体重も、腕の長さや足の長さ、柔軟性もみんなバラバラです。

人の姿はあくまでも参考として、自分の身体に合う「金剛不動の構え」を感覚から探すと良いかと思います。

外側からの当てはめると言った「調える」ではなく、自然と「調う」といったように、自分にちょうど良い、吹きやすい落ち着きどころがあるはずです。

また吹く場面で体勢も変わります。

お堂の中で焚く内陣護摩であれば、正座や時にはあぐらだったり、野外で焚く柴燈護摩であれば立ちながらです。

山中であれば、その場の地面の形状に合わせた体勢や、歩きながら吹いたり。

その場その場で自身の居心地を観察すれば、自ずから最適に調うようになっていくと思います。

止まった状態の立って吹く場面で、吹きにくくなってしまう方や力んで上手くいかない方においては、自分の身体に合った「金剛不動の構え」を探されると良いかと思います。

YouTube「立螺」


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