夏草

とりとめもなく、つらつらと。

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最近の記事

残酷な神が支配する

購入してはいたものの、頁をめくる気力を溜めるのに幾日かかかってしまった。 将棋世界12月号(2023年) 第71期王座戦五番勝負第4局。 藤井聡太名人竜王による王座奪取、「八冠」の達成である。その記念号、その観戦記。 通常であれば、勝者である藤井八冠の偉業を讃える姿勢を主軸に、もしくは両対局者と等距離からの記事になることがほとんどだろう。 だが大川慎太郎記者は敗者である永瀬拓矢九段の「肉声を中心に」振り返っている。 この事自体、否の多めの賛否両論だと思う。私も永瀬九段の勝

    • ヒューリック杯白玲女流順位戦順位決定戦開幕

      令和二年十一月十三日金曜日。 女流棋界の悲願(と想像している)、順位戦の開幕日である。 ここに到るまでの女流棋界の歴史は、いづれ識者記者の方々が記されてくださるでしょう。 蛸島先生から連綿と受け継がれた襷が清水先生らのご尽力により最高の形で到達点に達した。 参戦される先生方には対局数の増加や明確な「順位付け」にご苦労もあるやも知れません。 是非とも先生方には思う存分に力を発揮して良い将棋を魅せて頂きたいです。 本日この日より、女流棋界の新たな歴史の一頁が記される。

      • 『盤上に君はもういない』読後感。

        最近は将棋を題材にした作品をよく書店でみかけるようになった。以前から作品はあったが「平積み」されるようになった、ということもあるのだろうか。多かれ少なかれ藤井二冠の「インフルエンサー」的な恩恵もあるかもしれないが。 観る将な私が本作品を手に取り何気なく出だしを「立ち読み」(すみません)したら、あっという間に1章の最初の段落を読んでしまった。 こういう作品は、経験上「外れない」と確信しているので即購入といきたかったが、持ち帰る為の鞄を所持していなかったので書店さんには申し訳無

        • 叡王戦が好きなわけではない。

          就位式の中盤、叡王戦の主催が変更されdwangoが主催から「降りる」ことが発表された。 棋戦としての「叡王戦」に思い入れはたぶん、ない。 一時期のテレ東以外NHK教育とBSでしか見れなかった将棋を、試行錯誤しながら「エンターテイメント」として育ててきたニコ生(≒dwango)。 一大コンテンツに昇華した電王戦を一般棋戦「叡王戦」として発展解消し、さらに「棋界序列3位」タイトル戦にまで成長させた。 その過程を同時代に体感できたこと。 また番組構成もメ

        残酷な神が支配する

          棋聖戦第三局

          ここにきて、各メディアがいっそうざわざわし始めてますね。 藤井聡太七段が第三局で渡辺棋聖に勝利すると、最年少初タイトル獲得。藤井棋聖誕生。 どちらの先生も激推しというわけでもなく、いつもなら 「良い将棋を指してください」 的なスタンスなんですが。 だがしかし、私は先天的な人格しょーがいを患っており極度の天邪鬼な為、この状況でいつもなら「渡辺棋聖応援」で、世の中の藤井棋聖待望風潮に真っ向歯向かっていくはずなんすけど。 いやー、なぜか今回は藤井七段「3タテ」が観たいな

          棋聖戦第三局

          叡王戦第二局決意表明

          なぜか見届け人になっていたので気になっていた事を1つ質問した。 私「記念扇子に鬼と揮毫されましたが?」 叡王「叡王位をお預かりして一年。社会も私にも様々なことがありました。 棋士は基本的に将棋を指す事でしか表現できないと思っています。 叡王位、そしてdwango様には電王戦に選んで頂いてより、解説や年末の企画など様々な形でお仕事をさせていただき感謝しております。 やはり棋士ですので感謝の気持ちも対局と棋譜でしか表現できないと思っています。 現在の将棋界にとって叡王

          叡王戦第二局決意表明

          始めるに当たって。

          文章を書かなくなって久しい。 仕事でもさほど文章を書くこともないので、書くといったら、Twitterの140文字ぐらいなもの。 文章を書くということは、内なる何かを整理して発露する行為であり同時に発露されたものを目で追い読むことで客観性を得ることでもあると考えている。 それが久しく出来ていないのだから、なにやら漠然とモヤモヤしたものが消化不良のまま宿便のごとくこびりついているようなものかと思う今日このごろ。 と、いうわけで、まず自分に対して読ませるために書き始めようと

          始めるに当たって。