自然と利便性のエエとこどりな町【滋賀・多賀町】で1ヶ月暮らしてみた
フリーランスでデザインの仕事をしながら、2020年11月からノマド生活を送っている平石と言います。
2021年11月から約1ヶ月半ほど、滋賀県の「多賀町」という町に滞在しておりましたので、今回は多賀町について、この記事で紹介しようと思います。
多賀ってどこ?
多賀町は滋賀県の犬上郡という、琵琶湖の東側にある町です。
人口約7,000人という小さい町ではありますが、鈴鹿山脈や、琵琶湖に流れる大きい清流なども拡がっていて、第一印象は
自然の宝庫!
さらに圧倒的に深い歴史、そして、それを守る文化が生き続けています。
アクセスは、山深い辺鄙な場所…と思いきや、意外と(言ったら失礼なんですが…笑)、周辺の大きい街とのアクセスも良いんです!
名古屋に京都、それから三重、福井、岐阜あたりもだいたい車で1時間ほどで行けてしまうし、新幹線「米原駅」も車で20分ほどのところにあるので、関東や、少し遠出することがあっても、割と時間的&費用的にも余計なコストをかけずに移動できます。
なぜ多賀に?
もともと縁もゆかりも無かった多賀に来たのは、滋賀の
農山村でのお試し移住プラン
という企画に参加したのがきっかけです。
これは
・リモートワーカー向けの
・滋賀の農山村での田舎暮らしを体験しつつ
・現地のリモートワーク拠点で仕事をしながら
・1ヶ月間お試し暮らしをする
というプロジェクトです。
運営会社さんが、滋賀の農山村で「住む場所」、「ワークスペース」、それから農業などの現地でしかできない「体験」までセットで紹介してくださるという、それは素敵な企画でした(いつも自分で調べていたことの手間が全部スキップできるという…笑)。
そのプロジェクトに参加し、滋賀の中でも複数ある候補地の中で、僕は多賀町という場所に興味を持ち、最終的に滞在先として決めました。
↑ 2022年以降も毎年開催予定とのことなので、興味がある方は滋賀県HPをチェックしてみてください!
多賀ってどんなとこ?
<圧倒的な歴史>
歴史的深いスポットは全国いろんな地域にありますが、多賀の歴史の深さはその中でも圧倒的!
滋賀で一番大きい神社として有名な「多賀大社」があり、ここは日本一古い書物(約1300年前)と言われる「古事記」にも登場する由緒ある神社。
日本最初の夫婦と言われるイザナギ・イザナミを祀る神社としても知られていて、まさに「日本の原点」とも言われる場所になっています。
さらに多賀では、180万年前のアケボノゾウというゾウの化石が見つかっており、それが2021年12月に天然記念物に指定。
「古事記の1300年前なんかまだ最近」(笑)というぐらいスケールの大きい歴史に触れられます!
その他にも、神社仏閣や古墳など、歴史の深さを堪能できる場所がたくさんあるので、旅行だと難しい”ディープ歴史スポット散策”という、味のある休日の過ごし方も、住んでみて初めてできることかもしれませんね。
<多賀の自然>
多賀は自然の宝庫でもあり、山に川、ダムなどの四季を感じられる風景や、夕日映えする景色なども豊富。
↑ 宇曽川ダムから見える夕日
より身近に自然を体験できるスポットとしては、山を丸ごと公園にした「高取山ふれあい公園」というキャンプ場があります。
キャンプ場以外に宿泊施設やアスレチックの他、自然観察会や陶芸教室、木工教室のような体験型のイベントもあり、お子さんの自然学習の場としても最適な場所。
また「チェーンソーアート」と言って、チェーンソーを使って1本の丸太からその場で彫刻作品を作るというダイナミックなアートの催しや、年末の餅つきなど、イベントもたくさんあるので、キャンプに来るファミリー観光客はもちろん、地元の皆さんからも愛されている施設です。
↑チェーンソーアート
<多賀メシ>
多賀のご当地グルメとしては「多賀そば」と「なべ焼きうどん」が有名。
ちなみにうどんに関しては、熱いものを冷ますときの「フーフー」っていう擬音が"夫婦"円満に繋がるとか、うどんの細長い麺が長寿に繋がる、など多賀大社のご利益との結びつきが強いという話もあるそうです。
家庭での料理の際は新鮮な地野菜も。多賀大社の近くで週3回開催される青空市「もんぜん市」では、多賀産の新鮮な野菜を買うことができます。
さらに食を通じて多賀の魅力を発信する「YOBISHI(よびし)プロジェクト」では、郷土料理のレシピ紹介や収穫体験イベント、展示会など幅広く活動しているので、郷土料理を「食べる」場もあるし、自分でレシピを見て「作る」こともできます。
土地の野菜で、土地の料理を作って、どっぷり多賀に浸かる
ことができる環境が魅力。
<YOBISHIプロジェクト>
多賀町から「たがの たべるを つなぐ」をコンセプトに地域の魅力を発信している。
※よびし=「親戚や近所の人を招き、おもてなしをする」という意味の多賀の方言。
多賀ぐらしのええところ3選
① 自然と利便性のエエとこどり
すぐ隣に彦根市があり、買い物や食事をはじめ、子育て、医療など、生活するうえで困ることはほぼ無い充実した環境。また遠出するときも、新幹線の駅がある米原まで車で20分ほどで行けてしまう。
「田舎の自然」と「利便性の高さ」どちらも手に入る環境
というのが、他地域から多賀にUターンされた方が口を揃えて話していた魅力ポイントでした。
➁ 空き家をDIYでマイハウスに!
地方への移住を考えるときに、まず気にしないといけないのが家のことだと思います。
賃貸物件に住んでみたり、DIYが得意な人は空き家に自分で手を加えるという方もいると思うんですが、慣れない場所でいきなり土地を買って新築を建てるというのは、結構リスキーだと思います。。。
多賀の家はというと、
空き家はあるんだけど、すぐに賃貸で住めるところは少ない
という感じ。
それは町の課題でもあり、逆に可能性でもあるのではないかと思っています。なぜなら、多賀には
自分の住む家を自分の手でつくることができる環境
が整っているんです。
多賀は空き家の利活用プロジェクトがあり、建築会社の社長さんを中心に、地元の学生さん達も巻き込んで空き家の改修活動などを行っています。
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一般社団法人 地域再生プロジェクトみなおし
空き家の利活用や木育(木材に触れることを通した教育活動)、福祉、農業など各方面から多賀の地域再生を目指して活動。
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僕も多賀滞在中は、このプロジェクトで空き家を改修してできたシェアハウスで生活してました。
もし多賀が気に入り「定住したい!」と思ったとき。
空き家はあるけど、すぐに住める状態じゃない…
という場合でも、このプロジェクトに改修のお手伝いを相談することができるというのは、物凄い魅力だと思います。
建築のプロと一緒にやり方をレクチャーしてもらいながら、
・自分の住む家を自分の手でつくるという貴重な経験ができる
・リフォーム外注を極力少なくすることで費用も抑えられる
という素晴らしいメリットも享受できる。何よりこの共同作業を通して町の人との交流の場にもなる!一番理想的な移住の形って、コレなんじゃないか…?
③ 地域との関わりしろがデカイ
上記の空き家改修プロジェクトもそうですが、多賀は地域のヒトやモノとの接点がすごく豊富にあると感じました。
食を通した発信を行う「YOBISHIプロジェクト」もちらっと紹介しましたが、このプロジェクトでも、野菜の収穫や、お菓子づくり、アクセサリー作りのワークショップなど、様々な企画を毎月実施しており、親子で参加できるようなものもあります。
これらのいいところは、
自分の興味あることを通して、楽しく&ユルく繋がりの輪を拡げられる
ところだと思います。
町内会なんかだと、会う人が限られていたり、活動の頻度や内容がバラバラだったりすると思うので、こういうユルい、でも面白い繋がりの機会が常にあるのは、暮らすうえでとても嬉しいことなのでは?
↑近江鉄道さん主催の駅の清掃活動「えきかつ」
多賀で働く
<リモート拠点として>
僕は普段はコワーキングスペースを利用して作業をしています。
多賀町の中にはまだコワーキングスペースが無いのですが、お隣の彦根市に2021年にできたばっかりのコワーキングスペースがあります。
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1st BASE(ファースト・ベース)
https://1stbase-hikone.com/
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南彦根駅からすぐの場所にあるコワーキングスペース。大きな窓から心地よい光が差し込む素敵な作業空間の中、集中して仕事ができる場所です。
メインの作業スペースのほかに会議室とか集中ブースもあるので、目的に応じてメリハリを利かせた仕事の進め方ができます。フリードリンクや、リラックスできるソファ席も。
利用者属性は意外と会社員がいちばん多いようで、サードプレイスとして副業に勤しんだり、独立やキャリアアップを見据えた「学びの場」として利用されている方が多いみたいです。
学割もあるので、学生の方もちらほら来ていたりと、幅広い属性の方が出入する場所に。
ちなみに1st BASEという名前は野球の1塁ベースから来ており「新しいことにチャレンジする第一歩を踏み出す場所」という意味が込められてるそうです。
オーナーさん的にも、ただの作業スペースという機能だけじゃなく、利用者同士の交流の場という付加価値を大事に運営されているっていうことを仰っていました。
そんな想いをこの空間を通じて実現するための様々な仕掛けを徐々に打ち出していきたいっていうことで、具体的には「各会員さんの強みを活かした勉強会」や「仕事を受注するためのフリーランスによるチーム」などの仕組み作りを進めているそうです。
続いて、、、
多賀町内はオフィス的に使える場所がまだ無いんですが、多賀にはとてもイケてる公民館がありまして、僕はそこのフリースペースで、ときどきちょこっとパソコン作業をさせてもらったりしてました。
ワークスペースとしては番外編になりますが、ご紹介します。
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多賀結いの森
https://www.town.taga.lg.jp/contents_detail.php?frmId=1204
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木材の宝庫でもある多賀町の地元産の木を使って作った、木のぬくもり溢れる公民館です。
大きなホールやセミナールーム、会議室など、いろんな会場が使えるので、お子さんのピアノの発表会を開催したり、ママさん向けの集まりがあったり、会社の研修に使ったりと、町民の皆さんのいろんな企画を形にする場となっています。
そんな地域のふれあいの場なんですが、、、僕は一人静かに、すみっこのフリースペースを有難く使わせてもらっていました。
推奨はされていないかもしれませんが笑、せっかくのフリースペースなので、たまにはこういう使い方もアリなんじゃないかなと思います。
まとめ
滋賀のイメージは、恥ずかしながら、
①琵琶湖
②ひこにゃん
③TMレボリューション
…以上。
というぐらいご縁がなかったのですが、その中でも多賀町という聞いたこともなかった町に1ヶ月生活してみて、最後には濃い思い出や濃い繋がりができました!
自然と利便性のエエとこどりが享受できるということに加えて、個人的には地域との距離感がある程度選べるというか、好きな関わり方ができて、それを地元の方も快く受け入れてくれるような空気感をすごく魅力に感じました。
この記事を読んで多賀町に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ機会をみて足を運んでもらえたらなと思います!!
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