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親の戸籍から分籍した話

最近ずっと悩んでいた分籍手続きを遂に思い切って実行しました。調べても制度についての情報は出てくるけど、実際にした人の体験談ってあまり無かったので、自分の気持ちの消化の意味合いも込めて、書き残しておくことにしました。この記事では、制度の説明とかはしません。あくまで体験談、お気持ちだけを綴っています。親子間での閲覧制限とかの話も出てこないので、そういう情報を求めている方にはあまり役に立たないかもしれません。

なぜ分籍しようと思ったか?

私は機能不全家族で育ちました。自分では毒親と言ってもいいと思っています。虐待やDV、ネグレクトなどの明らかな毒ではないから毒親と言っていいものか、そこまでの酷さなのかと躊躇してしまうこともあったけれど、毒親の定義なんて明確なものはないですから。自分自身が辛い思いをして、毒親だったなと思えばそれはもう毒親と言って良いんじゃないかと思います。具体的にどんな家庭だったかというと、両親は夫婦として全く機能していなくて、いつも喧嘩ばかり。大人同士の問題を大人で解決できなくて、今思えば私はいつからか母親のカウンセラー役をやらされていました。大人になってからは、親の金銭問題(借金)や、親に私の奨学金を使い込まれていたことが発覚、等々……。こう書いたら完全に毒親じゃんって思いますね。

ともかくそんな家庭で育ち、大人になって実家を出てからも親の問題に巻き込まれて、自立への思いを強めていた頃、分籍という手続きを知りました。分籍したら、親の戸籍から抜けられる。自分が筆頭者の戸籍が新たに作られ、本籍地も自分で決められる。なんて素敵な響き。

分籍するかどうか迷った。

本来親子間では戸籍や住民票の閲覧は可能なのですが、DVや虐待等、身の危険が及ぶことが懸念される場合には親子間でも閲覧制限をかけることができるそうです。でも、自分の場合はDVでもないし、明確な虐待をされていたわけでもないので、他人から客観的に見た場合に閲覧制限に値する理由には多分なりません。だから、分籍をする法的メリットは無いんです。分籍をしても親子間の縁が切れるわけでもないし、相続の権利が無くなるわけでも、親子間の相互扶助の義務がなくなるわけでもありません。メリットとしては本当にお気持ちだけの問題で、逆に分籍をすることで、古い考え方の世代の親とのトラブルが新たに生まれる可能性の方があります。結婚したら自動的に親の戸籍から抜けるんだし、今わざわざ分籍してあらぬ争いを生む必要はあるのか?気持ち以外のメリット無いのに?そんな葛藤があって迷っていました。

まあでも、分籍するならどのみち戸籍謄本は必要なので、とりあえず取り寄せてみました。もし今回使わなくても、パスポートの更新で使えるし。それで初めて戸籍謄本というものをちゃんと見たのですが、戸籍ってなんか家制度がゴリゴリに残っている仕組みだなあ、という感想。機能不全家庭だったけど、制度の上ではこの"家族"という単位で括られているのか、と。やっぱり抜けたくなりました。

お気持ちというメリットは大きい。

メリットはお気持ちだけ。だけど、それで十分じゃないですか?育った家庭環境のせいで生きづらさを抱えていて自立したいと思っているけど、こんなに親のことを気にしているのもまた親のことに執着しているようで、そんな自分に違和感を覚えていました。戸籍の制度だって、違和感ありありだけど、その戸籍制度を使って分籍という手続きをしようとしているだなんて、矛盾しているなとも思っていました。けれど、正当な手段で、「自分は親の付属物じゃなくて自立した個人として生きていくんだ」という、自分に対する意思表示として、やっぱり分籍の手続きをしようと思ったんです。お気持ち万歳です。

手続きをしてみて

実際に手続きをしてみて、気分がとても晴れ晴れしました!戸籍筆頭者になった!好きな場所が本籍地になった!嬉しい!という気分です。ちなみに役所での手続きはなんてことなく、淡々と受理してもらえました。(分籍ってする人が少ないのか、分籍したいと言ったら職員さんが申請用紙を奥まで取りに行ってくれました。)

親には自分から言わなければたぶんしばらくバレません。親が戸籍情報を必要とするのは、死亡したとき、相続が発生したとき、パスポートを取得するとき、(親が)結婚または離婚をするときくらいです。近いうちにそれらのイベントが発生することは多分無いだろうな、と思ったからです。それに、もしバレて何か言われても、知ったこっちゃありません。もう戻せないしね。法的な実害は無いし、それこそ気持ちの問題で何か言ってきても、こちらの問題ではないですから。そうしたいと思わせたあなた方ご自身の行動を反省してください、という気持ちです。

分籍して良かったです。

私の場合は、分籍手続きをしたら気分がすごくすっきりしました。もしこれを読んで迷っている方がいたら、一度自分の戸籍謄本を取り寄せて見てみることをおすすめします。それで自分自身がどう思うか、です。それでやっぱりしなくていいや、となればそれはそれで良いと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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