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コーヒーの木を想像する豆~Indonesia Celebes Arabica~

コーヒー豆は「豆」と言われるために、果物の種だということをご存じない方も多くいらっしゃいます。
コーヒー豆は、コーヒーの木に花が咲き花が終わるとコーヒーチェリーと呼ばれる実がつき、その実の果肉を外した中にある”種子”のことを言います。

肥沃な土壌に根を張り、寒暖差にさらされたコーヒーの木から採れるコーヒーチェリーは、酸味や香りのはっきりした味わいの種子(=コーヒー豆)を持つようになります。
そしてその種子を取り出し生豆として出荷するまでの加工は、手段によってその味わいをさらに変化させていきます。

インドネシアの「スマトラ式」という精製方法は、乾燥の工程を工夫して、収穫期が雨季にあたる中でもうまく乾燥させられるようにした独特の精製方法で、大地感やスパイス感といった個性的な風味が生まれます。

この、インドネシア セレベス アラビカ G1 は、そんなインドネシアの豆の中でも、比較的おとなしい個性の持ち主です。
レモンや夏みかんのようなキリリとした酸を軸に、香ばしさと大地感、チョコレートやストーンフルーツ系のドライフルーツのような甘味と香り、そしてどこかミルキーな感じは、大地からコーヒーの木、そして実まで辿っていくような、そこで息づくコーヒーの木を見ているような気持ちになります。

Indonesia Celebes Arabica G1
〈地域〉セレベス島トラジャ県、もしくはエンレカン県
〈品種〉アラビカ種
〈標高〉1,500m
〈精製方法〉スマトラ式
〈テイスティングノート〉
レモン、夏みかん、大地感、ドライフルーツ(ストーンフルーツ系)、チョコレート、少しミルキー

この豆の特徴を余さず出すために、当店では、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、さらにまろやかな味が持続することを目指しています。

味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれてまろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。

当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。


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