見出し画像

じっくりと成熟させた味わい

少しずつ日の落ちる時間が早くなり、日中の日差しが強くても秋になっていることを感じます。
クリアな味わいで清涼感を得たかった夏が過ぎて、温かい味わいのあるコーヒーが沁みるようになりました。

ふんわり赤ワイン感がありコクや丸みをより感じるボディーを持つこのコーヒー、少し風がヒンヤリしている時にも、読書の相棒にも、きっとその時間をより印象的なものにしてくれます。

Brazil Violetta No.2
〈地域〉ブラジル ミナスジェライス州カンポ・ダス・ヴェルテンテス地域サントアントニオドアンパロ周辺
〈品種〉ムンドノーボ、カトゥアイ、カトゥカイ
〈標高〉1,000-1,100m
〈精製方法〉ナチュラル
〈テイスティングノート〉
ぶどう、チェリー、赤ワイン、レーズン、アプリコット、ブラウニー

ブラジルのナチュラル、といえば、甘味の層が深くなり飲みやすさに奥行が生まれるという印象ですが、この豆は精製方法を違えてコクやジューシー感も出したという意欲作。
秘密は、発酵の工程に重きをおいた精製であるところのようです。完熟のタイミングをより正確に計って収穫したコーヒーチェリーを、厚めに重ねて天地返しをしながらじっくりと実を発酵させたというこのコーヒーは、口の中に残る長い余韻を存分に愉しんでいただけると思います。

そしてその豆を当店では、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、さらにまろやかな味が持続することを目指しています。

味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれてまろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。

当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?